甘過ぎるメロディー

On This New Day

On This New Day

■On This New Day:Anno Domini
アンノ・ドミニは71年にDeramに1枚「On This New Day」というLPを残して消えた英国のバンド。後にDawnでメロディアスなクリムゾン・スタイルのバンド、ジョンジーを組むジョン・ジョーンズ(g)、元エール・アパレントのタイガー・テイラー(g,vo)、ケリー・スコット(vo,perc)、デイヴ・マーサー(g,b)の4人組。基本的にはメロディアスな(というよりは甘く美しすぎるメロディーだ)フォークロックで、冒頭に配されたバーズの"So You Want To Be A Rock & Roll Star"のカヴァーは異質。但しその曲が一番素晴らしいのだからしょうがない。沸いては消え去る様なgソロが印象的な名カヴァー。他にもジョー・コッカーの"Hitchcock Railway"の妙に明るいカヴァーもあります。日本の叙情派フォークのようなメロディーはちょっと苦手ですが"Bad Lands Of Ardguth"はまあまあ。

broadway#2

レイ・イット・オール・アウト

レイ・イット・オール・アウト

■On Broadway / Barry Mann
60's初めから夫人のシンシア・ワイルと組んでヒット曲を量産してきたバリー・マンの2枚目ソロ「Lay It All Out」('71)は、マン版の「Tapestry」で同じソングライター出身でsswとしてブレイクしたキャロル・キングに続けとばかり、地元NYのElactric Lady Landで録音されたもの。レーベルは盟友スティーヴ・タイレルCBS傘下に立ち上げたNew Design。バックにはアラン・シュワーツバーグ(ds)、アル・ゴーゴニ(ac-g)、カーク・ハミルトン(b)、テディ・アーウィン(g)、エリック・ワイズバーグ(g)、ボブ・マーゴレフ(kb)というラインナップ(LA録音の2曲は、ジョー・ママのメンバーにキャロル・キングが加わった爽やかさがあります)。
自作有名曲のセルフカヴァーもちゃんとあって、ライチャスの"You've Lost That Loving Feeling"とドリフターズに書いた"On Broadway"がそうで、その辺はちゃっかりしています。もちろん演奏はしっかりとして味わい深いのです。
後者は、70's後半にジョージ・ベンソンがヒットさせましたが、リヴィングストン・テイラー、ジェリー・ウィリアムス等のカヴァーもあります。ssw的な内省的な世界というよりは、60'sのブリル・ビルディング・ポップスの世界を描きます。
このアルバムは長門さんのDreamsvilleより00年に世界初CD化されましたが、現在はまた入手困難となっています。B・J・トーマスのカヴァーでも知られる"Too Many MOndays"、ゴスペルライクな"When You Get Riht Down To It"の入ったA面は特に強力です。