#3■いにしえの魔術:アルジャナン・ブラックウッド

ブラックウッド傑作選 (創元推理文庫 527-1)

ブラックウッド傑作選 (創元推理文庫 527-1)

どうしても洋ものは怪奇幻想系が多くなる。創元推理文庫から78年に出た「ブラックウッド傑作選」にはいろんなタイプの怪奇小説が入ってますが、探偵小説的合理性をもったジョン・サイレンスものを3篇収録。サイレンスものは、国書刊行会のドラキュラ叢書から初訳出された際「妖怪博士ジョン・サイレンス」だったことを考えると、現在創元推理文庫に入っている「心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿」の方がましか。時代柄ホームズ的なニュアンスもあり。
心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿 (創元推理文庫)

心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿 (創元推理文庫)

そのサイレンスものでも「犬のキャンプ」と並んでいろんなアンソロジーにもあらばれている「いにしえの魔術」は、ブラックウッドの代表作ともいえる。前世の記憶に誘われて怪しげな街の囚われ人となった男の回想談。The Ancient Sorceries、紀田順一郎訳。

恐怖のショック療法

恐怖のショック療法(紙ジャケット仕様)

恐怖のショック療法(紙ジャケット仕様)

■Shock Treatment:The Edgar Winter Group
エドガー・ウィンター・グループの2枚目で74年にリリースされたもの。個人的には77年にCBSソニーのロック名盤*1の1枚として出た事でも思い出深い。前作ではロニー・モントローズがgを弾いていたが、ここではprodも兼ねていたリック・デリンジャー(g)が参加。とはいってもあくまでもgを弾くだけでそれほど出しゃばってはいない。むしろそれまで脇役だったダン・ハートマン(b,g,kb)が大きくフィーチャーされ共作を含めると11曲中8曲で作曲し、6曲で歌うという活躍ぶり。もともとポップな曲を書く人だったけど、ここではディスコっぽいものから、ポップなハードロック("Rock & Roll Woman"、"Maybe Some Day You'll Call My Name")、メロディアスなバラード("Sundown"は名曲だ)まで幅広い。

*1:サンタナとかアル・クーパーチェイス、マウンテン、ジャニス、マウンテン、シカゴ…当時の中学生からすると70's初期のニューロックはすごく大人な感じだった

12009■■■チャーリング・クロス街84番地('86米)

監督:デイヴィッド・ジョーンズ
出演:アン・バンクロフト、アンソニー・ホプキンズ、ジュディ・デンチ

脚本家ヘレーヌ・ハンフの体験を基にした脚本から舞台が生まれ、TVドラマそして映画が生まれた。日本では劇場未公開ながら良質のドラマとして昔から親しんでいたもの。ロンドンの古書店主とNYの(英国文学かぶれ)作家の長年にわたる文通と友情をつづったもの。ほろっとさせる部分は相変わらず。バンクロフトの旦那、メル・ブルックスが製作総指揮でクレジットされている。

邦訳も出てたのね。

チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本 (中公文庫)

チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本 (中公文庫)