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フエタロさんの日記です。 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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`14-12-15 Mon

Darsana従軍記 00:22 Darsana従軍記を含むブックマーク

去る12/13に行われたDarsana東京*1という約5,000人が参加したIngress史上最大級のイベントを、とあるチームに参加して戦ってきたので、この激闘の一週間を振り返って見たいと思う。なお、Ingressというゲームの性格上、プレイヤーの個人情報や普段の行動範囲が筒抜けになってしまう危険性がある事や、また組織の規模などの情報を記載すると来るべき次のイベントに際し不利な情報漏えいになりかねないといった点を考慮し、具体的な地名、チームメンバーの描写、人数等は記載しない事にする。

自分がIngressを始めたのは確か二ヶ月半ぐらい前の事。特に誰に誘われるでもなくネットの記事等で興味を持って初めてみた。エンライテンド陣営を選んだのは単に緑が好きだったから。その後、東京では青が優勢というのを耳にしたが、不利な戦さは嫌いじゃないし、勝ち馬に乗るよりは断然気持ちがいい。

その後、二ヶ月あまりずーっと独りでプレイしつづけ、気がつけば途中のAP倍増期間などもありLv9まで到達できた。まさに孤独のエージェント、レゾを刺す時はね誰にも邪魔されず自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ、独りで静かで豊かで…みたいな感じ。うおォん。

そんなある日、12月に東京で大規模なIngressのイベントが行われるというニュースを目にする。世界規模で両陣営が激突するDarsanaの一環で、特に東京は多数の参加者がしのぎを削る激戦が予想され、当初は気楽なぼっち参戦を考えて居たのだが数の上では劣勢と目されるエンライテンドの勝利の為、Lv9になったのだし微力でも貢献出来ればと思い、また、巨大な集団戦の中の一兵卒として闘うスケール感をエンジョイしてみたいというのもありつつ、ネットで検索してGoogle+のエンライテンド陣営のDarsanaコミュを発見、参加を申し込んでみた。

そのコミュニティはどうやら自分の想像していたものよりもかなり大規模だったらしく、そこから更に複数のサブチームに分割されていて、そのうちの1つに配属された。おおう、本格的だ。

数日後にメンバーの顔合わせミーティングが行われる。リアルでエージェントに会うのは初めてなので結構ドキドキものである。エージェントスミスみたいなスゴいの来るとやだなあとか思ってたけど、当たり前だけど普通の人達だった。外見上は。しかしながら、ソロで自己流のプレイをのんびりやっていた自分とは違って、前々からコミュニティを構築して情報交換を積極的に行っていた人たちだけあって、自分の知らないノウハウを沢山教えて貰ったり、大量の貴重なアイテムの供与を頂いた。例えていえば、ゼイリブで孤独に戦っていたロディ・パイパーレジスタンスのアジトに案内されたら沢山のメンバーと大量の武器弾薬とか見せられた時の気分。

その日からDarsana当日まではオンラインのクローズドコミュで連絡を取り合いつつ、闘いに備えてポータルを巡りアイテム収集の日々となる。溜め込んだポータルキー、Linkampなどの戦闘では不要になるアイテムなどを思い切って処分してインベントリに空きを作り、Lv8のバースターやレゾネータを詰め込む。普段の状態から戦闘用に再構築されていくインベントリ、試合に備えて絞り込むアスリートの身体のようである。

そんなある日、Darsana当日の戦場となるエリアが発表となった。日比谷野音を起点に、新橋虎ノ門麻布十番・広尾〜恵比寿・代官山という都心の広大な地域に跨がっており、当日の配置の難しさが予想される。自分は都心エリアが勤務地だし、港区は学生時代とかしょっちゅう歩きまわった場所でいささか土地勘はあったので、何度か下見に足を運んだ。当日はタイムスケジュールもタイトで、所要時間や経路、電波受信状況等の把握は重要だと思ったし、他であまり役に立てない分これぐらいはやっておきたいと思ったのだ。お陰で当日は地図を見ることなくスムーズな行動が可能となり、足を運んでおいてよかったなあといった感じ。

前日の金曜日は仕事休んで温泉行ってフットマッサージというリアルボディの回復に当てて、夜もぐっすり眠ってベストコンディションで当日を迎える。スタート地点の日比谷公園野外音楽堂には多くのエージェントが詰めかけたのだが、キャパ3,000の客席の半分を埋め尽くしなおも会場の外に溢れかえる青のレジスタンスに対し、我々緑のエンライテンドはやや空席もあり数的不利を見せつけられる。もっとも彼我戦力比1:4という事前の噂もあり、思ったよりはぜんぜんマシなんじゃねえの?とチームの仲間と話し合う。

このDarsanaは4つのクラスタと呼ばれる区域で行われ1時間毎に10分の計測時間があり、その時点でポータルを専有していた陣営にポイントが入り、その合計で争われる。計測の対象となるのは10分間のうちの一瞬であり、その瞬間は事前には公表されないのでずーっと闘い続けなければならないのだ。さらに幾つかの特殊ルールがあるがここでは割愛。

主催者挨拶と記念撮影の後は最初の守備エリアとなる新橋SL広場へ向かう。野音から近い上に駅前の目立つエリアで、チームに参加していない一般エージェントの流入による激戦区になるだろうと予測していたが、案の定現地に到着してみるとやはり両陣営のエージェントらしき人影が。

計測開始時間の何分か前から徐々に闘い口火が切られ、吹き荒れるXmp Bursterの暴風雨の中、普段からは想像も出来ない程の一瞬で蒸発していくResonatorとPortal Shieldをひたすら刺し続ける。実際の戦争も多大な資源を浪費するものだというが、今の闘いもまさにそんな状態なのだ。電子データとはいえ何百回何千回とハックして集めたアイテムがこの10数分で何百個も消えてゆく。

自分の担当ポータルではなんとかこちら側が優勢に推移し、最後の短い時間以外はポータルを確保する事に成功した。画面内に現れては消えてゆく、チームメイト以外の見知らぬエージェント達の名前が頼もしかった。彼らの助力がなければ持ちこたえることは出来なかったかもしれない。

第一クラスタ終了後、操作で一杯一杯で気付かなかったのだが、どうやらフィールド全体が緑に覆われている模様。広域マップで確認して貰ったところ、国境をまたがって張られたリンクによる超巨大フィールドで本州全土が覆われているようだ!この状態だと我々の稼いだポイントに+40%のボーナス付与となる。司令部が極秘裏に進めていたと思われるこの秘密兵器に沸き立つチーム。不利を覚悟で闘いに臨んだその裏側で、遠く離れた場所からの支援の為に動いてくれている仲間の存在を感じ、Ingressというゲームのダイナミックさに対する驚きと興奮に震える。

しかしこれで勝敗が決した訳ではない。ゼロに何を掛けてもゼロなのだ。この大きな支援を活かせるのは、現場で闘う我々一人一人の力の積み重ねなのだ。レゾの一刺し、バースターの一発一発こそが勝利につながるという実感を得て次の現場へと向かう。

第二クラスタは大門近辺のエリア。ここは割と普通のオフィス街の中で、新橋に比べると一般エージェントもあまりおらず、また敵側と思われるエージェントもこちらと同程度。ガチの殴り合いだったのだが残念ながら最初と最後の数十秒以外は敵にポータル占拠され敗色濃厚。第三クラスタの神谷町エリアでは欧米からわざわざ遠征してきたものと思われる手強そうな一群と遭遇。ゴツい白人のおっさんがプレイ中にたびたび「レジスターンス!」と叫びまくる。やめろよ、ここマンション近くにあるんだぞ。さすがに海外遠征する程のガチ勢は手強く、必死に攻め続けるも遂に一度もポータルキャプチャすることはかなわず、残念ながらの完敗だった。しかしながら終了後には片言の日本語と英語で挨拶を交わし、短い不思議な交流を味わう。さっきまではネットワークの世界で激しい闘いをしていたのに面白いものだ。

移動中にWeb上で発表されたという計測の途中経過を聞くと、どうやら緑優勢らしい。例の巨大CFのおかげか。しかしまだ油断はできない。最後で手を緩めれば、たちまち敵に逆転される可能性は十分にある。相手の方が多勢であるという事実は変わっていないのだ。

日暮れ時を迎え、寒さも増してくる最終クラスタ、それまでの反省を踏まえた分隊長による作戦立案により交戦開始!寒風に耐え最後の十数分、一心不乱にレゾを指し続けなんと完封勝利を決め、チームの仲間と快哉を上げる。結果はどうあれ、自分たちに出来る事は全てやり切った。例え負けたとしても悔いは残らないであろう。

全ての闘いを終え、アフターパーティーの会場へ向かう皆を見送り、独り新橋カプセルホテルへ。僕もパーティーに参加したかったのだが、夜はオールの予定が入っていたので体力回復の為にゆっくり身体を休めたかったのである。温泉で身体をほぐしてカプセルのベッドに横たわり会場からのネット経由で緑の勝利を知らされる。やった!数の不利を戦略と戦術でひっくり返したのだ!

一夜明け、始発の電車で地元駅へと帰還し、すっかり目減りしたインベントリを満たす為に地元のポータルをハックしながら、ああ、これで戦いも終わりなんだな、これでいつものIngressに戻るんだなという爽やかな余韻と寂しさを感じた。

何十人もの大所帯で一つの目標に向かって作戦を練り連絡を取り、準備を進めて闘うという、大人の本気の遊びは本当に楽しかった。精力的にチームのオーガナイズに注力してくれたリーダー、戦術プランの構築、技術指導でお世話になったサブリーダー、一緒に戦ったチームメンバーには本当に感謝している。当初思っていたよりも遥かに楽しく充実した、濃厚なDarsanaを体験できて満足している。5000人という大規模な集団戦、我々が目にしている現実の裏側のもう一つのフィールドを舞台に繰り広げられるクリーンな戦争、そんなラノベのようなワクワクするような状況にどっぷりと浸かって遊べたのは素晴らしい仲間に巡り会えたおかげだった。

とはいえ、正直なところ自分はぼっちエージェントの方が性に合っていると思うので、これを機会に地域のコミュニティ等に接触してということはせず、またのんびり孤独のIngressに戻ろうと思う。

最後に蛇足ではあるが、件の巨大CFについて、自分の手の届かないところでゲームの帰趨が決するのは興をそがれるといった類の意見がWeb上で散見されたが、自分としては全くそんなことはなかった。むしろ日本の各地で、さらに海を超えた世界中から、新橋の駅前広場で闘う自分たちへの援護射撃をするために奔放する仲間が、さらにそれを阻止するために活動する敵陣営の人たちがいるという事実をリアルタイムに現場で受けられるという稀有な体験をさせてもらえて愉しかったとしか言い様がないし、あのCFがあってようやく五分の状態まで押し返しただけという絶妙なゲームバランスになったと思っている。見えざる神の手ではなく、5000人以上のIngressプレイヤーの意思の力の集積だったんだと思う。

*1:正式名称は#Darsana XM Anomaly: Primary Site, Tokyo, JP

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