修道士ファルコ 1巻 青池保子

エロイカより愛をこめて』で有名な青池保子の作品。中世ヨーロッパにおける修道士の仕事と日常、そして巻き起こる事件を描いた作品。修道士という世界を描いた、ある意味で業界マンガ、仕事マンガ的側面もありつつも、メインキャラクター達が活躍するゆかいな娯楽作品として仕上がっているのは流石だと思う。

ザビエルみたいに頭頂部を剃ってるのは「トンスラ」というものだとはじめて知った。剃るのは知っていたけど、そういうネーミングであることは知らなかった。どうでもいいけど「トンヌラ」に似てるのでドラクエ5のキラーパンサーをつい連想してしまう。で、主人公ファルコは、トンスラをすることが出来ない。なぜかというと、その頭頂部に、劣情を想起させるキスマークのようなアザがついているからだ! と第1話で描かれており、そんな都合のいい(悪い)形のアザは面白いなあと思って読めた。

キスマークのアザのせいで、ファルコは所属する協会の潔癖な幹部からは疎ましく扱われてしまったりと、完全にとばっちりである。そしてファルコは、元々は有能な騎士だったという設定なので、しばしばその剣技が必要に応じて悪漢を倒すために炸裂する。修道士活劇マンガなんて初めて見た。なかなかに面白かったです。1巻の後半に行くにつれ、少しばかり神秘的な出来事が起こったりするのも宗教的であったなあ。B

刀語 第五話 賊刀・鎧 西尾維新

今回のバトル相手は、賊刀「鎧」を所有し、最高の防御力を持つ刀を身にまとった海賊団長・校倉必。このシリーズ、ほんとにボリューム感が無い。3ヶ月に1冊で3倍の厚さくらいにしたほうが読み応えがありお財布に優しいと思うんだけどな……。

敵にとがめを見初められて……という展開はけっこう直球ストレートで良かった。このシリーズはけっこうストレートにバトル相手のキャラクター設定がなされており、ヒネたところが比較的少ない。そういう部分はけっこう好きだ。おまけに、敵の倒し方もなかなかにストレート。

とがめとの交流を通じて、人間らしさを持つようになっていく七花。心の「どろろ」ですかこれは。お得意の会話シーンも、どうも妙な色気があり面白い。B+