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クルクルの冒険

2016-08-22 「見ること」と

「曖昧」と「明晰」

日曜日、宇都宮美術館を再訪しました。

アーティスト・トークが聞きたくて。

 

クワクボリョウタ展 ―見ることを見る

http://u-moa.jp/exhibition/jespere.html

 

インスタレーション作品《風景と映像》を"2巡"だけ鑑賞。

刹那の印象を残しながら重なりを変えうつろっていく影のトーンやシルエットの響き合いを堪能。

2回目だからか余裕があって、細部や変化がよくわかり前よりさらに美しく見えます。

何回見ても初めて見る気がするシーンたちがあるのは、記憶力がわるいせい?

 

時計の針がうつしだされるとき。針の動くコチコチいう音が大きく聴こえました、不思議…。

トークイベントがはじまる時間になり、講義室へ移動。

 

*****

クワクボさんのお話は。

Macでスライドを投影されながらの、ちょっと講義的なものでした。

 

前半は、光と影の作品について。

 

これらは、作品と体験者のつながり(捉え方)が「曖昧」であり人によって異なる、と。

 

さらに、作品の見え方について、

《10番目の鑑賞》は一人称と三人称の視点があり。 電車が2台になった《風景と映像》は、それに二人称の視点がくわわる…。(このあたりの表現もすこし「曖昧」にされました)

と、フィクションの手法をつかい説明されていたのがおもしろかったです。

 

 小説にたとえるなら。自分は、シルエット景観を、"三人称"というよりは"情景描写"のように感じていたかも。

 また、電車2台について、"一人称"がふたつ、と感じていた気がして。

 思い出しよく考えると。”一人称”でなく、”三人称”がふたつ、と観ていたシーンの記憶もある…。

 (あの体験のあいだ「あなた」の存在を感じたかしら?)

 そうそう、「わたし」が「彼」を見ていた刹那もあったわ。

  

 さて体験のどこで、視点は行き違いすれちがい、主体?はうつろっていったのでしょう?

 

 視点がひとつ増えただけでこんなに多様で複雑な表現に変化する…。

 曖昧であるけれど、作家氏は作品を高度に制御されている…。

) 

 

また、作者と作品/作品と体験者、の間を複数の破線矢印でつないだスライドを示し、『確率論的なつながり』と説明されたのが目から鱗でした。作者の意図と鑑賞体験のカクリツ論…。

同時に、バルトの「作者の死」という言葉についても触れられました。作者は作品を支配できない、読者に解釈をまかせなければならない…。

 

作品(作家/体験者)の構造として、さらに3つのモデルを示されました。

 

(めも:例は62,203,204)

 

 

  • 渡邊恵太氏の体験設計のレイヤ。

http://gihyo.jp/design/serial/01/ui-ux/0008

 

*****

後半は、IAMASで今年度からはじまったクワクボさんが代表をされている「あたらしいTOYプロジェクト」についてのお話でした。

いま、うかがいたいおはなしでした。

 

ポピュリズムとアカデミズムの乖離

<− 高度化し専門家すると、必要になる解釈の幅が大きくなり、ついていけなくなる…。

ならばとりあえず問題(アートとは何か、等)を保留し、アジャイル&イテレートで <作る> <伝える> <考える>を「明晰」に行おう。

 

という取り組みと紹介されました。(端折られたお話を、さらにチョー端折っています。)

 

ユニーク。どんなTOYたちが生まれていくのでしょう。

 

*****

「解釈の厚さによる乖離」の具体的な現状例として示されたのが、自衛隊と、アメリカ大統領選挙候補者についてでした。

意表をつかれました。

 

 自分は、混沌は混沌のままで。

 「解釈の厚さ」は豊かさともいえるでしょうと都合よくふわふわ言い訳し。でもみみずからの無知と無能を棚に上げたまま流れて何も実行しない(つくらない)タイプだわ;

 

などと、またまたぼんやり夢想。

 

*****

その後トークイベント参加者は作家氏と《忘れ物取扱所》へ移動。展示作品についての説明がありました。

 

作品の部屋にひとがいっぱいで、映し出されるシルエットがとてもにぎやか。

なんだか楽しかったです。

 

質疑中、マルチスクリーンのいくつかにクワクボさんの横顔がくっきり写りました。

 

 作品内/作品鑑賞時空間に、作家氏が存在。

  見ることを見る、の複雑さに踊る脳内。

 

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《風景と映像》での作家氏説明が略され、ホールでの自由質問とされたのは、ナイスな配慮でした。

 

*****

とても貴重でうれしい体験でした。

 

「解釈」と呼ばれるもの、について落ち着いて考えてみよう。

帰ってから、こちらを再読しました。

 

情報科学芸術大学院大学紀要 第5巻

Interview with Associate Professor Ryota Kuwakubo

KUWAKUBO Ryota, MA Jungyeon (Interviewer)

http://www.iamas.ac.jp/iamasbooks/presentations/journal_of_iamas_vol-5/

  

あ。OSI参照モデルやリシツキーの《プロウン》についてなどなど、言及されていますね!

(失念していました。((読みとばしていたのかも;

2016-08-19 ヒゲ博士とジョイフルですよ!

ジョイフル・ヒゲ博士

9月10日はこれです!

 

「ヒゲ博士とナンセンス★マシーン」東京公演

http://www.maywadenki.com/news/hige/

第一公演・・・開場13:30 開演14:00

第二公演・・・開場16:30 開演17:00

場所:スクエア荏原 ひらつかホール

 

そして、昨年同様、同日にジョイフル明和が開催されますよ!

 

明和電機の二次創作&工作イベント「ジョイフル明和」参加者募集!

http://www.maywadenki.com/news/%e3%80%90%e5%8b%9f%e9%9b%86%e3%80%91%e6%98%8e%e5%92%8c%e9%9b%bb%e6%a9%9f%e3%81%ae%e4%ba%8c%e6%ac%a1%e5%89%b5%e4%bd%9c%ef%bc%86%e5%b7%a5%e4%bd%9c%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e3%80%8c%e3%82%b8-2/ 

とき:2016年9月10日(土)  12:00 〜16:00 

場所:明和電機アトリエ 入場無料

 

(当方、1〜3回目まで連続で3回、参加しました。

 ファンになって間もなく、じたばたするだけでお茶を濁すような参加だったけれどっ。

 参加して本当に良かったです。

 

2016-08-07 クワクボリョウタ展 

― 見ることを見る

先月末日、こちらへ行ってきました。

 

第11回宇都宮エスペール賞

クワクボリョウタ展 ― 見ることを見る

宇都宮美術館

2016年7月31日(日)-9月4日(日)

http://u-moa.jp/exhibition/jespere.html

 

*****

展覧会に行く前、自分がこれまで氏作品鑑賞体験について当ブログ日記に書いた文章を読み返しました。

 

とても恥ずかしかった;

 

ひとりよがりにちがいない思い入れとか思い込みとか。たぶん誤解、とか。

 

でも、それは置いておいて;

 

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美術館の公式告知ページに

”「風景と映像」「忘れ物取扱所」の二作品を展示します。”

とあります。

 

そのとおりの。

展示室内に白い広めの二部屋を仮設し”影と動き”の作品ふたつのみとされた、ストイックな展示でした。

 

あれらの二タイトルは部屋全体が作品そのものであることを考えると、大変に贅沢な展示、とも言えます…。

 

「風景と映像」は恵比寿映像祭に出品されたものの再展示。

「忘れ物取扱所」は、2013年に六甲ミーツアートで展示された同タイトル作品と、2015年に川口市立アートギャラリーで展示された「以心分身」をマッシュアップした作品。

 

以前の3つはいずれも観ています。

今回の時空間の手ざわり(?)は以前の体験とはかなり違います。

 

体験できてよかった。

行って、視聴して、帰って、を含む時間のぜんぶが、 クワクボさんの”影と動き”の作品の鑑賞経験です。

 

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「風景と映像」を見ていたときのこと。

4人ほどのローティーンの男の子たちが静かに入ってきて、まったくしゃべらずに座り込み、2巡ほどじっと見入った後、静かに退出していきました。

  

不思議だったのですが、4年前に栃木県立美術館で《10番目の感傷(点・線・面)》の体験をしていたのかもしれませんね、彼ら。

 

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見た後、クワクボさんが作家公式サイトでおすすめしている「大石資料館」へ行くべき、と猛烈に感じたのですが。

(たぶん、作品部屋の暗さ広さとよく効かせてあった冷房のせい。…からくる無自覚的体感印象のせい。)

 

自力で行けそうにないので、美術館売店で大谷石に関する資料を買いました。

 

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1週間以上たちましたが。

なんだか、ずっと展覧会のことなどを考えてしまいます。

 

思い出すと、自分が地下のおおきな石の切り出し場にいるみたいです。

(行ってない;)

 

文化庁メディア芸術祭アーカイブサイトの、氏のインタビューを読み返しました。

http://archive.j-mediaarts.jp/interview/2011/kuwakubo-ryota/

 

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会場でいただける小冊子の紙質・デザインが素敵です。

 

それに氏が寄せている文章のおわりに 『だれかと話をしてみて欲しい。』 とありました。

 

 ・・・え (いつもひとり閉じた体験を堪能していて申し訳ありません;