高級洋食器の「ウェッジウッド」が破綻

 まさか・・あのウェッジウッドが破綻するなんてなあ・・・.

 英高級陶器の老舗「ウェッジウッド」破綻 - 日本経済新聞

 ウェッジウッドは言わずと知れたイギリスの高級洋食器,250年の歴史を持つ王室御用達の老舗高級陶磁器ブランド.思うに,世界的な景気悪化より何より,経営方針にも問題があったんじゃないかなあ・・・.もともと,上流階級向けの高級ブランドだった.それが,価格を安くして中流階級の需要増加を狙った.しかし,価格を安くすると付加価値も薄れる.更には,価格競争の末,工場をインドネシアのほうに移転した.そうすると,ますます高級感が薄れてしまう.イギリス製とインドネシア製,同じ商品を作っていても,やっぱり高級感が薄れるし,ブランドとしての価値が下がってしまう.そして,気づけば・・王室御用達の老舗高級陶磁器ブランドだったはずが,魅力の感じられないただの陶磁器ブランドになってしまっていた.

 今回の破綻は,景気悪化に伴う販売不振が主な原因なのかもしれないけど,実際のところ,高級ブランドから中高級ブランド路線を進んでしまったことが……命運を決する重要な出来事だったんじゃないかなあと思えてならない.

SSL証明書の偽造に成功

 SSLの署名アルゴリズムがMD5-RSAの場合は警告を出す
 MD5のクラックに成功 偽の公開鍵証明書を作成可能に

に関して,国内ITニュースサイトの関連記事紹介.

 SSL証明書の偽造に成功、ハッシュ関数の脆弱性を応用 - ITmedia
 「SSL証明書の偽造」に研究者らが成功、計算には200台のPS3を使用 - ITPro
 SSLが破られる -- ハッカーがMD5の衝突を利用してCA証明書の偽造に成功 - ZDNet

 Webブラウザーは、デジタル署名だけを見て、その証明書が大手認証局に発行されたものかどうかを検証する。このため、前述のような偽造証明書を本物だと認識し、ユーザーに警告を出すことなく、SSL通信を開始する。これを悪用すれば、フィッシング詐欺サイトのような悪質サイトを、大手認証局によって証明書を発行された有名サイトに見せかけることが可能となる。

 なお現時点では、現実的な時間内で偽造が可能なのは、MD5で署名されたデジタル証明書のみ。SHAを使っている場合には、影響を受けないとされている。研究者らが3万サイトを対象に調査したところ、およそ9000サイトがMD5で署名された証明書を使用。調査時点では、「RapidSSL」「FreeSSL」「TrustCenter」「RSA Data Security」「Thawte」「verisign.co.jp」といった認証局が、署名にMD5を使っていたという。
     「SSL証明書の偽造」に研究者らが成功、計算には200台のPS3を使用 - ITProより引用

 ユーザー側では本物か偽物かを判断するのは非常に難しい.実際のところ,MD5による署名はすべて無視するか,CA(Certificate Authority)を信じるしかない・・といった感じか.脆弱なCAが早々にSHA-1やより安全なSHA-2, SHA-3に乗り換えてくれるのを期待するしかない.

 しかしながら,研究者は以下のように発表している.

今回の発表で、SSL証明書の偽造が可能であることが示されたものの、研究者らは「パニックになる必要はない。インターネットが崩壊したわけではない(No need to panic, the Internet is not completely broken)」とコメント。セキュリティ組織やベンダーも同じ見方だ。

 例えばマイクロソフトでは、2008年12月31日に公開したセキュリティアドバイザリの中で、「この新しい発表により、お客様に対するリスクが特段に上がるわけではありません」とコメント。「研究機関は、この攻撃に関する暗号学的な詳細をまだ公表しておらず、詳細情報のない状態で、この攻撃を再現することはできません。マイクロソフトでは、この件を悪用した攻撃活動を現時点では確認していません」としている。
     「SSL証明書の偽造」に研究者らが成功、計算には200台のPS3を使用 - ITProより引用     

 ただ,MD5はだいぶ前からコリジョンが発見され,理論的な脆弱性が明らかになっていた.今回,それが現実的に可能であることが示されたわけで,もしかしたらどこかの悪意を持った者が同じようなことをする可能性はあるということだ.現段階では現実的脅威ではないにせよ,可能であるならば,SSLの署名アルゴリズムがMD5-RSAの場合は警告を出すなどの対策を講じるべきだろう.