「おじさんはどんなしごとをしているの?」「ダンボールを被る仕事だ」

007 NO TIME TO DIE 感想

 感想をまとめていたら想像以上に長くまとまらなくなったので、急遽放置していたはてブに書くなど。うげぇ2020年映画感想まとめやってませんね・・・(メモはあるが面倒で書いていない)。

 さておき007NTTD(職業柄で某電電公社の子会社を連想してしまいこの略称は悩む)、実際ジェームズ・ボンド中佐に娘が出来てどうこうという部分は問題ではない。元よりクレイグボンドが「大文字の人間的」な(人間という動物が多種多様にみられる手前「人間的な」という表現は不適切なんですがまぁ)ボンドだということは前提だからだ。

 なんせこの人は彼女を殺されて復讐に走り、出だしは経験不足の若造みたいな扱いかと思えばいつの間にか老いた恐竜扱いをされ、母親役を失ってなおも前に進み、二回連続で義兄弟的な相手と戦い、すぐにキレて恋人の話をロクに聞かず(聞けよ)、自分の番号が取られるとえっマジかよ・・・って感じになり、親友の死を悼む男だ。少なくとも関わった女性を平然と足蹴にするようなタイプのスパイではない。
 そういう人物であるからして、娘が生まれてあっどうしよう!えっ父親違うの?そんなぁ・・・いややっぱ俺の娘じゃんヤッター!!ってなるぐらいは自然である。なんならクレイグボンドの最終作に相応しいぐらいでさえあろう。そしてそういう物語を進めるうえで007という存在がひとまず終わることもおかしくはないし、終わり方としても悪いわけではないように思う。

 

 じゃあ何が問題なのか、というとそれはいくつかある。

 

 最後の画があまりにも「ありがちな大味」だったというのもあるが(ジマー流しながら夕暮れのなか爆発に呑み込まれる主人公、ってあまりにもありがち・・・というかありがちでも上手く使いこなせればいいんですけどそうじゃなかったでしょという)、一番大きな問題点は娘との絆が薄い・・・というかそういう描写や尺がかなり足りないことである。とりあえずリンゴ剥いて食わせとこうって描写だけではパンチが足りない。命懸けで守るのもそれだけではパワーが足りない。ウサギのぬいぐるみを拾うのもクラッチが上手く繋がっていない(結局渡せてないし)。なにかこう、もう少しこうボンドと娘の交流を重ねることはできなかったのだろうか。そんなことをやるのは007ではない、という言い訳は通用すまい。尺(時間)が足りなかったという可能性は、後述するが作品全体が間延びしていることが原因ということになりかねない。


 そういう意味ではNO TIME TO DIEは実は「中途半端なのが問題」と言った方がいいのかもしれない。どうせやるなら思いっきりファミリームービーにしてしまえばよかったのだ(し、それなら前述した「ありがちな大味」もむしろ上手く使いこなせよう)。そこまで行かなくとも例えば——映画を作っていない観客が「例えばこうすればよかったのに」と言うのは極めて重い大罪なんですが、どうしても言わせてほしい——例えば、娘にひとこと「おじさんはなんのしごとをしているの?」と言わせればよかったのだ。


「おじさんの故郷の国を守る仕事だ」
「貿易商。ユニバーサル貿易の社員。」
「君のお母さんのような素敵な女性と一緒に働く仕事だ」
「話の分かる上司と仕事をしている。秘書とメカニックも良い奴らだ。さらに最近有能な若手が来たからおじさんは仕事が楽で楽しい」
「仕立ての良いスーツを着て、格好良い車に乗って、好きな飲み物を飲む」
「大切な友達が最近亡くなってね、彼と一緒にやっていた仕事を最後までやりとげたいんだ」
「君や君のお母さんを守る仕事だ」


 ダニエル・クレイグならなんと答えただろうか?

 

 ちょっとお前なにナルシっとるんじゃみたいな脱線してしまったため映画に話を戻すが、他にある問題といえばこの映画、タルい。いやあの、なんでしょうか、中盤のテンポが妙に悪い(そう感じたのは俺だけでしょうか)。キューバからイギリスに帰ってきてから以降、どうにも個人的に納得のいかない遅さを感じる。ブロフェルドの話も長いっちゃ長い(レクター博士感モリモリなのは笑ってしまいましたが)。観返したらそんなに酷くないのかもしれませんが、ファーストインプレッションとしてはあまりにも長く感じられ、ツイッター上では思わず「200倍に希釈したヴィルヌーヴ」というあまりにも酷い暴言を吐いてしまった。2倍希釈ぐらいなら逆にかなり良い作品ですよ、でも200倍ですよ200倍! もうちょっとこう、中盤だけでも圧縮できなかったんでしょうか。いえ別にSWep9みたいな激烈超高速にしろとは言っていないんですよ・・・。

 

 あとこれはツイッターのTL上でも散々言われていることなんですが、なんでしょうかあの異様なまでのMGS感。基本的にやってることがFOXDIEをどうするかなので強烈な既視感に苦しむ。別に特定個人の遺伝子を標的にしたウィルス/ナノマシン自体はありきたりなアイデアなんでしょうけど(それこそ別にMGS1が初でもなかったはず)、流石にMGS4感まで出してくる終盤はどうしようかと思った。というかFOXDIE以外でもちょくちょくそれっぽい場面があり大変だ。よく考えたらMGSV並感も強い。

 

 ここまで散々な書きぶりをしてしまいましたが、NO TIME TO DIEは割と褒められる部分も多い映画です。冒頭やキューバでバンバン殺しまくるアクションは充分に観応えありだし、キューバの姉ちゃんや新007がキッチリ「強い」と描かれてホクホクですし。それに背景が本当に美しく撮れてる。イタリア(マテーラっていうんですかあそこ)とノルウェーの画がどうしようもなく美しいし、最終決戦の北方領土(北方領土!)の秘密基地なんか良い意味で変な笑い声が出ますからね。モネの睡蓮掛けながら枯山水やってる下で光る棒が林立する毒池ってなんだよ!!!(これは「うんうん悪の秘密結社はこうでなくっちゃ」ですね)


 あとラミ・マレック演じるサフィンも個人的には割と好き。ちょっと惜しいというかもっと味付けを濃くして欲しかったかなとか、ガミラス畳の間〜ボンドDOGEZAのシークエンスが緊迫感に頼り過ぎようとして間延びしている所とかはどうも苦手なのですが。そういう意味では台詞に頼り過ぎていて演出が足りなかったというのはあるかもしれない。

2019年映画感想まとめ

2019年映画です。振り返ってみると2018年に引き続き豊作。工作、天気の子、ナチス軍団、ジョーカー、KOM、ザワ・・・といった重量級も当然のように最高でしたが、個人的には実は移動都市とKIN、ガラス氏もかなり好き。

ワイルド・ストーム(ハリケーン・ヘイスト)

 ワイスト。「きっとちのうしすうが低い映画に違いない」→「あれっ? これ意外と渋くて硬派なクライムアクション映画かな? 擬似特殊部隊擬似全滅もあるし」→「と思ったらやっぱりちのうしすう落ちてく!」と右往左往する怪作。まさか「硬派に戦う犯罪者vs戦えば戦うほどおもしろ脳筋になる気象学者&電気技師」という予想の斜め上映画でした。
いやね、一応冒頭でツイスターかな?からの髑髏ストーム!!!で「こういうおバカ映画です」っていうのはちゃんと宣言してるんですよ。してるんですけど、そのあとしばらく硬派で渋い展開が続き、かと思うと途中から「「「使命を思い出す」」」ので驚くんですよ。ジャンル&ちのしすうをバンバンシフトチェンジしていく、という意味では実はMEG(メガロドン)にもちょっと近い希ガス希土類なんですよね(言い過ぎかな)。
 あーでも体感時間はちょっと長過ぎだったかな? 面白い怪作には間違いないんですけど割と疲れますね後半(実時間は意外とそこまで長くない映画だった筈ですが

ミスター・ガラス

「貴方達はスーパーヒーローやヴィランなんかじゃないわ!ただのバキ死刑囚よ!!」
「「「な、なんだってー!?」」」
 いや充分凄いじゃん死刑囚・・・とはならないのがこの映画。
 要するに信仰の映画なのだ。単に力があるないというより、力の意義やそれに対する信心のおはなし。映画中あらわれる試練はまさに大文字の「試練(貴方は神を試してはならないが貴方自身はSCP財団にバリバリ試される」であり、最後には恐ろしいほど報われる、いや「祈り(ヘルシングルビ:たたかい)」が通じる。信じていたものが世界に通用するというこの上ない幸福な映画。
 余談ですが、信仰がメディアによってバッチリ傍証されるのって微妙にスイスアーミーマン思い出しました(微妙に)。

クリード2

 撮り方はモダンなのにやってることはマジなド王道(艱難辛苦に立ち向かうド根性&人情の貴種流離譚)という基本を前作から引き継ぎつつ、ハードル側をより強化してきた続編でしたね。いやぁクリード側も本当にいい話でしたけど、ドラゴ親子にグッと来ましたよわたしゃ。一番泣いたのが政府高官と会食するときフロリアン(ヴィクター)がジャージ姿で所在無さげにしてるところです。そうだよコイツこういう時の服持ってねぇしマナーも教わってないんだよ、ただひたすら戦ってきたんだよ(勇次郎戦の刃牙並感)、それなのに離婚した母親来るしさぁ・・・って涙無しには観られないでしょ。こういう台詞以外で説明するのはいいんだけど説明の仕方が残虐な演出すこ(滂沱)。最後また走り始める親子にまたグッと来る。

ポーラー

 マッツ・ミケルセンのPV。いや他に説明しようがねぇだろ・・・最高です。直腸検査マッツに隣人マッツに教師マッツに全裸マッツに重傷マッツ拷問マッツ、眼帯ジオングマッツ。もうマッツへの愛が溢れ過ぎて無礼になってないか不安になるぐらいアレ。
 あとサ会でも話題でしたが敵があんまりにもあんまりな人達ばかりでここも魅力ですね。マッツ撮りたいだけなら敵の撮り方は雑でもよかったでしょうに(いやよくねぇし実際雑っちゃ雑なんですが)、割とむしろ楽しく遊んで撮ってるやろアレ。

ナチス第三の男

 ラインハルト・ハイドリヒは死の間際、ヒムラーに一冊の本を渡す。ユダヤ人絶滅の計画書だ。彼は言う、「奴らに死を」と。
 他に、他に言うことはないのだろうか。その場には愛妻もいたのに、家には子供達もいるのに、最期に遺すものとことばがそれでいいのか。
 他方でそれしかないのだという考え方もある。人間は死ぬ瞬間でさえ、仕事と宗教(そう、ナチスは「仕事にして宗教」なのだ)から解脱することはできないものだ。
 というわけでメチャクチャ辛い映画でした・・・おまけにハイドリヒ死んだあともダラダラと重苦しく続くのがこの映画の良い所(良い所)で、とにかく体力にキます。
 ちいさな独裁者と併せて人間と人間のみわざの極限に挑む系映画。

バハールの涙

 過酷な状況でも女性達の間の暖かさと希望がある、あるように戦うひとびとの物語。戦場や現地情勢の相当辛い話がポンポン出てくるので(こういっては不謹慎ですが)ある種の新鮮さや発見まである映画。
 ラストはご都合主義だという声もあるでしょうが、映画としてこれぐらいの救いはあってほしいし、そもそも現実側がこれぐらい救いをホイホイ出せるようにならなきゃアカンのだよなというはなしでした。
 あとこの映画わりと時間・テンポが凄い凶悪な感じというか、「戦場で激しい空爆を眺めながら待機」「妊婦を歩かせて国境線を越える」あたりの時間感覚は本当に必見です。

アクアマン

 海男モモアマン。これ一本でブラックパンサーマトリックスレボリューションとラッセン化トロンレガシーとインディジョーンズとアサシンクリードとブラッドボーンとエイリアン2(いやピッチブラック?)とアーサー王物語とAce of seafoodと怪獣が楽しめる超弩級合体超獣です(マジ そういって良ければどこかで観たような画が多いとも言えるんですけど、個々の完成度自体は高いor馬鹿笑いできて楽しめるし、海流でアクションが映える&それに頼り過ぎず陸戦や違う画もちゃんと出す等、ワザマエのレベルと丁寧さが良質でぐぐっと楽しめちゃう。もちろんアクションだけでなく各キャラも良い。ロクに面識もなく憎みあってるが実は同じ欠落抱えてる兄弟、やたらアグレッシブな姫、ライバル海賊の人・・・個人的にはウィレム・デフォーの顔が好き(急に顔の話
 あ、あと序盤でめっちゃレトロなシンセがベンベン鳴ってたのなんなんですかね。70〜80年代かよっていう。やっぱどっかトロンリスペクト的な・・・?

ファーストマン

 最初男ゴズリングマン。宇宙開発映画だ!ってもちろんそっち方面のディテールも多くて楽しいんですが、やはりそれが主題ではなくアームストロングの個人史、そういってよければ(というよりよく言われてることですが)宗教映画的な方向。ライアン・ゴズリングの哀愁漂う顔や佇まいをよりしろにしての巡礼、あるいは苦行。宇宙へ行く理由は国家側とは別に個々人が好き勝手持ってるのあたりまえなんですけど、(実際のルイ・アームストロングがどうかはさておき)インナーユニバース的な理由と信仰で宇宙に行くのは珍しい気がする(ソラリスは行く理由ではなく行った先での邂逅ですし)。
 だから月面に降り立ったとき、そこには栄光というより真理のような光景が広がっている。

翔んで埼玉

 冷静に考えるとローカルレイシズムギリギリのブラックコメディな題材ですが、原作からさらに膨らませた話とオチですっかり楽しめる映画・・・とでも思ったか。横浜県民としては日本埼玉計画に断固反対である(突然の差別意識)。

アリータ

 まるでキャメロン(監督ではない)がリドスコブレラングラディエーターに「ワイの“風景”はコレや!!」って挑んだ感じの画と「機甲術使えるひとの義体感覚はこうや!!」って義体動作でホクホクです。あと「当然あの人は出す」でビックリ(原作初出何巻でしたっけ?) それとやっぱ言われてるように最強の使い手が体現する義体(躯体とすべきか)の動きは美事でした。特に鏡前でシャドーやるヤツとか冷静に考えたらどうやったんスかね(モーキャプだと逆に難しくない?手打ち?モーキャプに手ブレ補正みたいなのかけてる?)。
 そういやよく言われる「目デカいのは慣れる」っての、事実ではあるんですけど正確には「慣れてるうちに時々あれっこれピクサーかディズニーのアニメだっけ?とたまに勘違いしかける」が混じる感じです(←

ちいさな独裁者

 うへぇってなる2019年ナチ映画第二弾。人間一人ひとり誰もがナチスに堕することを警告する映画と言われますが、のみならず「お湯をかけると3分ですぐナチスができる!」みたいな「速度と強度」で襲ってくる嫌な映画ですね・・・。「殺しは最初のハードルが高く、一度殺ってしまうとずるずる」ってよく言いますけど、ちいさな独裁者もその通りの映画で、ただし「割とその辺のみんな(最初かどうかというより平均値として)ハードル低めだよね」みたいな感がある。自分に有利と見るや空気をバリバリ読むとか、いちいち対空砲で捕虜処刑するとか、ナチス恒例(?)の宴会とか、大変嫌ぁな描写満載でグルグルしますね。銀輪&パンツの場面なんかもうほとんどシュルレアリスムかよってぐらいだし・・・。
あとラストが急に「帰ってきたヒトラー2」になるのでビビる。

スパイダーバース

 どうなんのかと思ったら正統派オリジンばなし&ゴリゴリの映像遊びでビックリ大満足です。あとスパイディ詳しくない俺でも「うぇっアース違うとその人そうなんの!?!?」ってドチャクソビビる場面ちょくちょく。あと既に方々で言われてるようにスパイディ達の質感や恐らくfpsまで違うという美事さですが、よく考えるとこの「遊び」はストーリー前半がひと段落してから本格化してきており、前半の作劇を邪魔しないという工夫もありそうですかね。
 演出的にはプラウラーさんの場面凄い。観てて割と本当に怖いしテーマBGMもバリバリ怖い。と思いきや後半のあの場面でテーマBGMが「衝撃と悲哀」を含むような感じになるって最強じゃないスか・・・。
 そういや冒頭とか地味にサム・ライミ/トビー・マグワイア版のオマージュだったのでビックリ笑いながら感動してしまいました。ライミ版好きなので・・・。

ギルティ

 実質TRPGリプレイ映画。いやTRPGというかなんかボドゲになりますよコレは。ジャンル的にはフォーンブースに近くて遠い(なにそれ)単独密室モノですが、主演のヤコブ・セーダーグレンの焦燥やイラつき、罪悪感などをこれでもかと画にしてくる。・・・してくるんですがセーダーグレンさん割と選択ミスというか悪手が多くてヒヤヒヤする。スリラー映画ってそういうものなのか(困惑)。もちろんそれがある意味では避けられないものであるという部分も含めて重く、でも最後には救いがある映画でした。

ハンターキラー

 潜水艦映画と思わせて特殊部隊冒険映画(プライス大尉並感に笑う)に司令部gdgd映画(なにそれ)もバリューセットになったお得感満載の一本。これでいて豪華過ぎないというか、サクッと観れる感触(説明が難しくてアレなんですけど)がまた良いですよコレ。魚雷型ROVとか特殊が持ってける程度のROVとか細かいガジェットや描写もなかなかGJ。ただ艦長の倫理感がニュータイプ過ぎて観てるこっちが不安になりましたが・・・結果全部オーライなの、もはやご都合主義を通り越して「一発当たったら死ぬゲーでギリギリ死なずクリアしたVtuberの配信を観ている感じ」でしたよマジで。別に亡国のイージスみたいに甘ちゃんリスク描写入れてねってわけじゃないんですけど・・・。

アベンジャーズ エンドゲーム

 極めて怠惰な感想文で申し訳ないんですけど、感無量という言葉しか出てこない・・・よかった・・・。

移動都市モータルエンジン

 原作未読マンだったので移動町とか移動村ぐらいのも出てくるって知らなかったため冒頭からちょっとビックリ。以降もひたすらけったいな画とディテールで煉獄してくるのでえがったですね。あと性根がガキなので飛行機械に弱い(性癖脆弱性)。細かい部分だと緊急避難時に強制収納される突起物類とか、ロンドン公務員の服装と装備(帽子が光るボビーに謎未来SMG持つ衛兵に謎の円盤UFO)とか、謎の超進化を遂げている小火器類とか、ディテール類の萌え&笑いでよくツボります。
 あと飛行艇周りの、なんというんだろう、質感や方向性が割とスターウォーズっぽくて笑っちゃう(でも好き・・・飛行系の乗り物が脆弱性だから・・・)んですが、呑気に笑ってたら後半マジで色々な意味でSW濃度がバンバン上がってくのでビックリした。I’m your〜ってやるか21世紀に(※本家でもやったのが辛い)。思い返すと本物のスターウォーズep9で傷つくぐらいならこっちだけで良かったなまでありますね(暴言過ぎない???

名探偵ピカチュウ

 宇宙一可愛いライアン・レイノルズ(なんだよそれ)と「ポケモンのいる異世界」でお腹いっぱいにしてくるという話は散々聞いてきましたが、観てみたら想像以上にそうしてくるストロングスタイルの映画でした。ってかこれあるんだからミュウツーの逆襲revoいらなくない・・・? ちなみに個人的には終盤のヨシダ警部のヨシダ警部顔(渡辺謙渡辺謙顔)で死ぬほど笑ったというのもある。あの一瞬のワンカットであっヨシダ警部(ケン・ワタナベ)じゃんって分かるの凄くない?いやもともとそういう顔ですけど・・・。
 そういえばポケモンのCG、ベース生物のことを考えて質感やってるということなのか、けもの系はめちゃくちゃフラッフィー(ふわふわ)でもふもふしたくなるし、フシギダネなんか「お前植物が調子良い時のツヤツヤの芽とか葉じゃん!!」という感じで謎の感動があったんですが、キーパーソンならぬキーポケモンミュウツーがフラッフィー解釈だったのはちとビックリしましたね。いや実は恐らく原作準拠で「正しい」んだとは思うんですが(ベースのあっちには毛があることがしばしば名言されているので)。モフモフしたい。

フォーリナー

 いやこれは俺全然カンフー映画観てないのが悔しかったですね。何かと言うとこの映画、「陽のカンフー映画マスター」ジャッキーが辛い目にあって序盤以降ずっとジャッキー辛い顔のまんまな映画なんですよ。そこで素人的には「ジャッキーのそんな落ち込んだ顔辛い・・・」ってなるんですけど、カンフー/武侠映画としてはこういう辛い度高い復讐劇はオーソドックスなものだそうで、あんまカルチャーショック受けるところじゃないみたいなんですね(そういう意味ではこのフォーリナーカンフー映画の骨格にアイルランド問題を投入したみたいな文脈らしい)。
しかし、しかしですよ、やっぱり俺にはあのジャッキーの悲しみをたたえた顔が辛かった・・・いや全然ジャッキー映画観てない人間が書いていいことじゃあないんですけどでもよぉ・・・。
 ちなみに映画全体としてはアイルランド問題(というかIRA内の微妙で面倒な機微や警察とのアレコレ)が色々描かれていて萌え燃えな一方、そのすぐ横でジャッキーがジャッキー映画らしい修行シーンちゃんとブチかましてくる(TLでも話題でした)という謎のコンボがおかしかったなど。いや冒険小説的にも物語まとまり的にも結構良い映画なんですけど、この合体材料でよくまとまるよなって後から考えるとふしぎ(ストーリーや設定的には全然不思議になっていない手腕はもちろん凄い)。

オーヴァーロード

 なんですか、こう、最近重量級ナチ(ナチス第三の男とちいさな独裁者)でぐぇ~ってなってたところ、軽量級の「いつものメディアライクなおナチ」が観れて、こう、不謹慎ですが「あっいつものナチスだ!」みたいなのありましたね(ろくろ)。
映画的には「割と中盤まわりのテンポが良くない」「ジェネリックメンゲレ博士が全然活用されてない(武器人間見習って・・・」「ボイス君中盤のアレはどちらかというと爆笑するからやめれ」「実はちょっと酔う」などの欠点もあるんですけど、一方で既に言われてるように「空飛ぶライアン」始め豊富な戦場ディテール類や逆に少なめ登場人物をそれなりに取り回す手腕、ナチ研究施設の小ぶりながらもしっかりしたナチっぷり&気持ち悪さ、MGとStg(当時まだMP扱いでしたっけ)大活躍など、加点もなかなか取り揃えております。
 あと酔うつっても武器人間の酔いやすさを100とするとせいぜい8~15程度の酔いですが、ジェネリックメンゲレ博士のナチ博士度が武器人間フランケンシュタイン博士の100に比べて5ぐらいしかないのだけやっぱ悲しい(これはしつこく何度でも追求するぞ)。


ゴジラ キングオブモンスターズ

 Long live the King...!

1)ギドラの一挙一動が「「「美」」」と「「「カワイイ」」」と「「「美」」」なので宅は絶対観ろ
2)マジで90年代VSシリーズ濃度80%、ガメラ3濃度4%、怪獣黙示録成分もちょっとだけ混入してた
3)アレなのは人間ドラマというか人間そのもの
4)怪獣オタクわちゃわちゃなので宅は観ろ
5)おお、ゴジラ、おお・・・(三連撃全方位波動アタック=セリザワバーニング)

 いやですね、批判意見も死ぬほど分かるというか、人間は本当に狂人しか出てこないしオルカにホイホイ引っかかる怪獣ってそれ描写として本当に怪獣への敬愛あるのか?とか分かる。分かるんですよ。しかしまずいことに俺は第一に「何か異様なもの」を観るために映画館へ向かっており、第二に怪獣が大暴れすると嬉しい(あと第三ぐらいで平成vsシリーズで育ったというのもある)。このため俺の脆弱性にKOMは完全にフィットした。危険すぎるこの映画は。
何か異様なもの、というのは映画によって色々あるわけですが(ブレランなら背景ガーとかね)、KOMのそれはドハティ監督の「怪獣大暴れすると嬉しい!!!」という意思・思想であり、それを体現するフィルムである以上、KOMは極めて濃厚な暴力性を持つ。この暴力性は性質的には映画バイオ最終作を自分ん家のファミリームービーにした(その上で結構面白い)ポール“ダメな方”アンダーソンに近いものだ。また今回幸いにも、俺個人としてはドハティの愛が俺や日本怪獣オタク一般論の愛と解釈違いっぽい点をむしろ異文化的な面白さとして楽しむことができた。ドハティの「怪獣暴れるうれちい!!!」に仕える人間ども、仕えのエリート=聖職者集団、宗教組織としてのモナーク。かれらの祈り(ヘルシングルビ:たたかい)によりついに天から降る怪獣たち。これほどの暴力映画が(俺には)面白くないはずがない!
 余談ですが、オキシジェンデストロイヤーと核の扱いについては実はある種の「アンサー」なんじゃないかと思ってたりする。俺ら日本人(こういうビッグ主語は良くないのだがここはご勘弁頂ければ)が散々核はあーだこーだって言い続けてきた以上、それは米国側だって何かしら言いたいことはあったろうし、怪獣映画文脈としても「っせーなー核効かねぇっつーなら核以上ブッ込むしかねーだろーが!」ってODが出てきてしまうのは「論理的」ではある。もちろんそれを観て日本人が文句つけるのは権利としてはあると思うのだが、ただ文句言う前にあれら描写が「考えが足りない」ではなく「考えた結果の描写なのではないか」という可能性があることには気をつけたい。核からゴジラが生まれたからこそ、鏡面反射として「さらば、友よ」となったのではないかと・・・。

プロメア

 声が結構上手い上手い言うからどんなもんかと思ったら本当に良かった&それはそうとフェアリィ星からやってきた堺雅人は上手いというか本性出し始めた途端にめちゃくちゃ何もかも燃やし尽くすのでめっちゃ笑顔になりました(滅殺開墾ビーム!!!)(いちいち解説が丁寧なんだよ!!!)
割と「燃料が多過ぎて酸素が不足しては不完全燃焼になる。酸素を入れろ酸素を」というか、差別とか福祉/搾取とかの重い話をしつつもあくまでトリガー炎熱映画ですという方針に殉じていて、観ている間も謎の安心感に包まれながら炭火焼にされた感じですね(←炭火焼って何)
 とかくトリガーがやりたいこと100分近く延々とやっており(いややりたいことやってない作品があったっけというと謎ですが・・・)、過剰合体メカ!!過剰射出!!過剰変身ヒーロー!!過剰熱血!!過剰巨大建造物!!過剰巨大ryと至福でした。
 そういや一個不意を突かれた感動ポイントがあったんですが、なにかってぇと冒頭の世界大炎上です。シュールギャグで戯画でデフォルメだけどキッチリ世界が滅んでるというか、「ああ、虐げられた人間の怒りがちゃんと世界を綺麗にキレイに滅ぼしている」みたいな・・・。

海獣の子供

 前半が「イノセンスの択捉の遺伝子を江ノ島に組み込んでみました」で後半が「2001年宇宙の旅とか大友AKIRAの遺伝子を海中にブチ込んでみました」みたいな映画でしたね・・・。たぶん原作ファンの方には「あの絵が動く」で完全クリティカル特効入るっぽいんですが、まさか未読勢でもイノセンス特効入ると思いませんでした・・・序盤の坂降りるところとかなかなか凄いですよアレ。
 あ、あと魚介類(魚介類言うな)の作画も凄まじい。カメさんとアザラシの顔すこ。あと宇宙一怖いシーラカンスが観られます。ヘリコプリオンは「俺が真打」感すごくてちょっと笑っちゃったけど。宇宙周りの話は割と台詞でドスドス説明していて(エヴァみたいに煙に巻く感じと見せかけて実際は全部分かる解説してる、というとアレですが)、話自体は夏の出会いと別れ(出会った相手が背中に宇宙背負ってるけど)に絞ってましたね。いや原作未読勢なんでどう違うのか未確認ですが

神と共に 第一章 罪と罰

 地獄にスプラッシュマウンテン(途中グルートとかハイペリオンのシュライクとか襲ってくる)ってなんぞ・・・。とにかく死後の世界の想像力について考えさせられる映画であり、「SSR貴人カードを改札機に入れる」「川流し竹筏で地獄に落とす」「コナン(シュワちゃんの)のグルグル回す棒のクソバカデカい版で罪人を轢き潰す」「50〜70年代ぐらいのオペレーター室(裁判所」など絵面が強過ぎる。
  話の筋は人情話なんですけど、とにかく画が無茶苦茶なんですよね。途中からドラゴンボール始めるし・・・(逆に言うとあんな無茶苦茶な画で人情話できてるっていうバランス感覚も凄いというか不思議というか。
 ってかこれどうやって続編やんの?と思ったら次回予告があんまりにも衝撃的でどうすればいいんですか! ドンソクさん参戦!どこが伏線だったのか全く分からない伏線!恐竜に鰐で大騒ぎだぞ!!?

神と共に 第二章 因と縁

 というわけで続編です。事前にドンソクさんの使い方が贅沢って聞いてたんですが観たら想像以上に贅沢で「いいのかそれでー!?!?」って脳内解釈割れしてました(半分大喜び半分困惑)(これ俺よりもドンソクさん映画ちゃんと観てる宅とかドンソクさん文脈好きな宅にぜってぇ観てほしい)。あと1章に比べるとトンチキ画で攻めるよりは時代劇と人情で攻める方向性に舵を切っており、同じことを二度やらない的な気遣いも感じられていいですね。ただ前作の「俺たちの戦いはこれからだ!!」エンドから直結でいきなり気絶してて味方NPCに起こされるCoD脳冒頭には笑ったが。
 というか第2章、感動のイイハナシではあるんですけど、冷静に考えると「うるせぇ被告人」「被告人を拷問する弁護人」「被告人を餌にする弁護人」「被告人をダシにしてry」などなど裁判制度としては激烈にガバ度が一章以上だな?(ぐるぐる目)

MIBインターナショナル

 黒づくめ国際版。「ちょっと撃ちたいよね」「最低出力なら大丈夫っしょ」おおブッダ、この者たちに職業倫理はないのですか!?(ここしょーもなくて割と笑った)
とまぁ笑えるところや面白いところもそれなりに多いんですけど、割とテッサ・トンプソンの学力が上下にブレブレだったり(理系特化で外星語低めということかもしれんけど研修成績優秀なんだからそうやないやろ)、終盤の伏線を回収する際に他の伏線に足引っ掛けてたり、なんか回収忘れてそうな伏線あったりと脚本的には若干?な感じ。シリーズ恒例の「スゲーしょーもない笑い」が久々に観られるという点では十分頑張ってますが、そういう意味ではMIB国際版、減点法には滅法弱い映画かもしれない・・・。
 そういやリーアム・ニーソンが師匠役者(というか父親役者)としてタイプキャスティングされてるんですが、終盤にちょっとだけスターウォーズっぽいカットがあって笑ってしまった。

ガールズ&パンツァー最終章第2話

 予想外に盛り沢山の内容でこれが60分未満とは思えずちょっと凄い。大の緩急(戦闘と日常)と小の緩急(戦闘内の機動戦と持久戦/停滞)いずれも丁寧上手で、かつ長くかったるいと思わせないタイプの長さでガンガン撃ってきましたよコレ。
 あとちょっとびっくりしたのが「崖っぷちに追い詰められた時でも/こそ、心技体(体は戦車で出来ている)を限界まで回す“競技選手たち”の苛烈さと聡明さ」みたいな感触が炸裂してたとこです。最後まで諦めない、というより、具体的にどう諦めないのか、が怜悧(熱いというより怜悧)で。

スパイダーマン ファーフロムホーム

1)トムホ可愛い
2)ジョン“ハッピー”ファブロー可愛い
3)ジェイコブ“ネッド”バタロン相変わらず可愛い
4)ゼンデイヤMJめっちゃ可愛い
5)ジェイク“ミステリオ”ギレンホール可愛いしズルい
6)最後
7)おい最後
8)最後・・・

無双の鉄拳

 マジで極悪すぎる韓国ヤクザvs我らがドンソクさん。人が良く妻思いだけど賭け事というかリスキー商売に弱いドンソクさんが悲劇と邪悪に出会い無双の鉄拳を封印解除する、まさにドンソクさ王道映画。っていうかいわゆる舐め強映画文脈でも王道ですねこれ。一撃一撃が重く「沈める」アクションが凄まじいし、なかなか沈まない中ボスや恐怖の壁ドン演出も冴え渡る。
 かようにドンソクさんアクション映画として手放しに褒められる一本でしたが、強いて難点をあげれば実際的にも体感的にも長い映画ってことですかね。アクションも多いが事件の進展も長い。体力あるときに観るのがおススメです。

天気の子

「本当の悪とは、何も知らない他人を自分の都合のためだけに利用する人のことです」
(海洋学空条承太郎)

 あるいはこれが普通の貧困映画だったならまだ「軟着陸」になったはずなのだ。万引き家族なんかそういうことだったでしょ。その上で貧しさに虐げられた主人公達が暴力に走ったとき、その被害者がただの政府や悪徳企業ならインガオホーで済む。けれどもこの映画で犠牲になるのは何の罪もない、かつ極めて大人数のひとびとだ。ご丁寧に犠牲と言っても本当の滅亡ではない、真綿で首を絞める系の終わらない滅亡、困窮の日常。とっても現代的である。
 あの二人がその犠牲の上でのうのうと幸せになるから、この映画は大好きだ。

工作 黒金星と呼ばれた男

 いやまたスゲェ映画ですねコレ。天気の子とコレで2019年度夏映画取れ高(取れ高)完全勝利ですよマジ。おっさん×おっさんの激渋スパイ映画。種々のディテール、組織のgdgd保身、北の画とBGM(いきなり異界に来ちゃった感最高)、おっさんの情念とツラ、もう宅の好物盛りだくさん。中盤の「この骨董品を“処分”してください」「お任せください」→「あれ?これ贋作じゃん?」→「これはテストだ。本物級の金を払えば背後の資金関係を疑われ、偽物適正価格だと“ナメとんのかワレェ”になって取引が御破算になる!」とかもう最高でしたね。「わりぃごめん話の上マターがマジ上になっちゃって“頂点”に直で会って(ふるえごえ」「ファッ!?」とかも萌え燃えですね(それで会いに行くまでがまた大変なんだなコレが)。
 工作のおっさん達って基本的に有能だけどごく常人で真っ当な、「仕事を真面目にやる」「ちゃんと信念がある」「仕事仲間を信じられる」「祖国の問題にキチンと向き合う」的なおっさん達であり、これがまぁしょーもねー政治情勢やらなんやらでもみくちゃにされるので興奮しますよ(錯乱)
 あと最後結構感動するんですけど同時に脳の片隅で思わず「えっ社会的に生きとったんかワレェ???(嬉しいけど一体どうやって・・・?」的なビックリもあってちょっと笑っちゃったというか、直後テロップでの史実解説も併せてなかなか微妙で長期的な流れがあったんですかね。
 とまれ工作(黒金星と呼ばれた男)、想像以上に宅向け映画だったのでオヌヌメです。「停電(自白剤)」とかパワープレイもあるよ!!!

守護教師

 ううむ、無双の鉄拳に引き続きドンソクさんアクション盛りだくさん映画やろ!と思ったらアクション2:サスペンス8ぐらいの割合でござった。勝手に俺がアクション大作と勘違いして観に行ったのが全部悪いので、サスペンス好き派の人の感想も聞きたいです・・・。
 あと体感時間が異様に長いというか、100分ぐらいの映画だけどちと前半長かった希ガス希土類なんですがどうしても比較対象が無双の鉄拳になっちゃって良くない。無双の鉄拳って実際的にも体感的にも長い映画だった記憶なんですけど、その長さの1/3はアクションがスゲー多いのが理由であり(もちろんそれと同じぐらい事件解決が長びいてるのも理由ではある)、とりあえずドンソクさんの暴力が観たい勢としてはそこの加点法でビシバシ点入れちゃうんですけど、そこんところ行くと守護教師は観客(俺)がジャンル間違えちゃって来てしまって「あれっカテエラ???」ってなり、なかなか申し訳ない感ありますね。ボクシングベースで避ける&リバーにズドンの一連の動きとかは結構良かったんですけど。

アンノウン・ソルジャー

 いや思ったより疲れますねこの映画・・・(ぐったり)。フューリー以上の戦争あるある豪華フルコース映画みてぇ(中盤の「戦争は時にダルい」的な意図的ダレも含めて)なアレで、そら満足度は間違いなく凄いですけど疲労がほぼ比例しますね。体力あるときに観てくれみんな。
 タイトルから名もなき兵士の話かなと思ったら、もちろん大意としてはそうだったのかもしれませんが、映画構造的にはメイン人物が三人ぐらいいる群像劇です。大義があろうと戦争は戦争であり、大義がなくなってのちはとにかくgdgd。名もなき英雄がいようとも状況は進展せず、帰るべき家まで失う。最後は少しだけ奇跡が起きてlife goes onやってけるよという個人史で締めくくられるものの、息苦しい映画には間違いないですね。今まで全然知らなかった継続戦争の感覚が少しだけでも味わえた有難い一本です。

ワンス・アポンア・タイム・イン・ハリウッド

 最後もうぐでんぐでんのグッチャグチャで良い話になるのズルくない?(語彙) 人生山あり谷ありだったり普通に幸福だったり泣いたり笑ったりして、さようならの日に悪党をグチャグチャバイオレンスでグチャグチャにして、最後ちょっと良いお話で終わるの、なんというか「贅沢」で嬉しくなっちゃいますね・・・。
 ああ、そういえばの最後のシーンは「なんかそれ異界とかあの世とかに向かう的な画・演出になってない?」というのはありましたね、なんとなく・・・(これは本当に画レベルなのか、それとも観ているこっちがそう思い込んでしまっているのかちょっと分からん自信ナッシング

プライベート・ウォー

 シビアな中でも立ち向かい続ける(立ち向かうこと自体が呪いであっても)人間の話。スタッフロールの最後の謝辞で若干ビックリしたんですが、メリー・コルヴィンって1956年生まれだったんですね。戦場記者歴もめっちゃ長い(劇中でも最初からベテランであることは一目瞭然でしたけどそれにしても)。「記者には二種類いる、勇敢な記者と老いた記者」「あなたの言葉だ」ってそういう・・・。スポーツクラブ身分証偽装などのディテールや帰国後ののっぴきらなさ、上司の複雑過ぎる気持ちなど、全方位隙がない感じの映画で、戦争だけでなく戦争に関わる人間の話という印象ですやはり。
 あとバハールの涙のモデルという話に偽りなかった一方、割と違う部分もあって(バハール側の作劇の話にはなりますが)ちょっとそこは興味深かったですね。
 しかし途中「「「大佐」」」が出てきて「ライスより好き(はぁと」ってアレマジなんですか・・・?(めちゃくちゃビビりましたよアレ。いや大佐がライスさんのファンだったのは有名な話ですが) しかもこれ2コマ即落ちネタにしてて、一切笑う場面がないはずの超弩級シリアス映画であそこだけ異様な笑いがあるような・・・(困惑

ジョーカー

 ホアキンジョーカー、一部の隙もないギチギチ不幸ファランクス密集隊形に圧殺されるマンだったのと、その帰結としていわゆる「あるきっかけで目覚める」ではなく「なんか凄い沢山のきっかけが煉獄みたいに延々しつこく殴りに来る」みたいな構成になっててうへぇって感じでした・・・。
 これね、よく「社会ガー福祉ガー」って話が流れていて、確かにそれは絶対間違いないし社会と福祉がマシならもう少しどうにかなる映画なんですが、問題なのは「それ以外も割とガーッッッ」な映画だということです。社会と福祉が原因8割残り2割じゃなくて、8割8割の160パワーみたいなガバ算映画なんすよ。だからゴッサムや国家を批判すること自体は超正しくても、それ「だけ」でジョーカーの悲哀、あるいは悪に対峙できるのかというとわからない感じになってしまう。おまけに「大嘘説」まである(ある上にあながち無根拠でもない)あたりもうどうしろというんだっていう。やはり危険で面白い映画ですよコイツ。
 あとジョーカーの凄いところ、やっぱりホアキンのからだですね。演技も素晴らしいが肉体が凄い。それと顔が鼻とか顎とか時々マジモンのジョーカー記号っぽく見えたり、最後の「逆光を受けて浮かび上がる顔のシルエットはホアキン/アーサーだけど、徐々に振り返って…」はもうあのワンカットで勝ってる

ジョン・ウィック3 パラベラム

もうひたすら殺して殺して殺しまくる&殺し方レパートリーを頑張って豊富にしてる映画で、ひたすら殺戮の至福がある一本。思いついたアクションをすぐフーにするし、カッコいいと思ったら恥ずかしげもなくサンプリングする(悪女のバイクアクションとか)のでいっそ清々しい。後半の人たちがメッチャ硬かったのと、寿司屋&ザ・レイド組(しっかり強いので必見なんだけど)のテンションが変なのは笑っちゃったけどw とかくひたすら暴れて殺し回るキアヌが観れるだけで幸せになれる映画でした。
あとストーリーというか世界観的にどんどんヤクザ&アサシンというか、誓約や義理(義理であって義理人情かどうかは時と場合による)が異様に重んじられるという方向になってきてますね。前作もそうでしたが今作はさらに詳しく描写された結果、コンフリクト系脆弱性がボコスカ出てきて話が進むという流れになっててビビった。これ実質組織の制度&規約設計の問題なんじゃねーの。ってか次回作やんのかよってのもビビりましたが。

HIGH&LOW THE WORST

 絶望団地スゲェ。一つのロケーションで3回もビックリさせられるとは思いませんでしたし不良映画で何故か攻城戦を観ることになるとも思わなかった。もちろんアクションもひたすら楽しかったんですけど、ナンボなんでも絶望団地戦が凄すぎて全部持ってかれた感までありますね。もともとハイローのザムって3次元集団格闘多目でしたけど、今回は本当に「日本の団地に於ける集団戦/攻城戦(そんなのある???」という異次元映像が観られます(※一応識者によると不良漫画界隈ではこういう攻城戦描写が過去作にあったらしく、そこのリスペクトじゃないか説もあるそうです)。
 ところでハイローシリーズとしての本作、ものっそい新キャラ多目だそうで(この人たち観てないドラマシリーズとかにいたっけと思ったらいなかったんですね・・・)、にも関わらず話があそこまでまとまってるのやっぱなんか凄い(こなみ)。テンポ悪くないのにもう体感で3時間ぐらいありますよこの映画。言い換えると、あれだけ大量の新キャラ投げ込んでおいてちゃんと話を取り回せる脚本の底力は割と凄い。そらキャラごとに扱いの濃淡が全くないと言えば嘘になりますが、それにしたって最大限の努力と注意が払われてる&その成果が出てますからね。
 あと新主人公枠?の楓士雄こと川村壱馬さん、なんか声がいい。いやスゲェ良い声ですよねアレ。アクションも超一流だが声が。あの、なんていうんですか、いきなりスカイクロラとかぽんぽことかレッドラインとかに放り込んでも大丈夫枠みたいな(極めて伝わりにくい例え)。鳳仙側ではもちろん小田島有剣こと塩野瑛久がセクシー過ぎる。これと轟洋介(前田公輝)ぶつけるとか何か、EXILE TRIBEはどんだけ宅を殴れば気が済むんだ(早口)。
 余談ですが、相変わらず村山可愛いよな・・・と思ってたら最後アレで納得しつつも切なさありましたねってのと、轟が実力者顧問ポジションになりつつ「えっそのコントロール能力伏線だったの」でビックリした。

フッド ザ・ビギニング

 タロビンフッドはじまり。しげるさんのエキレビ記事にて事前に「タロビンはイラク戦争ネタ」と聞いた俺「まっさか~」→観賞後俺「すんません思いっきりイラク戦争(コールオブフッド モダンウォーフェア)でした・・・」(中盤はアサクリのエンジンで作ったブラックオプスみたいな感じもある)。
 この映画は割と「聖剣無双と同じジャンル内で、いかに服装と画とタイプキャスティングで遊ぶか」みたいな楽しさがあり、「ローグワンそのまんまの役で出てくるメンデルソーン様」「ジェネリック版冬兵士フランク・グリロなポール"監督じゃない"アンダーソン」などでまず笑い、さらに「一瞬マジかよってなる凄い絶望鉱山(でもよく見ると聖剣無双の象とかほど無茶ではない」「隻狼の太郎兵が作業してる立体駐車場」「腐敗教会主催のスゲェパーティ」などで笑い、何より時代考証ガン無視のスタイリッシュ衣装でひたすら笑うという贅沢映画でした。いや割とマジで服飾・ファッション(特に高級スーツ)詳しい人が観たら素で爆笑&楽しくてしょうがない映画な気がする。偉い人が本当に良いスーツ(何かの間違いではなく背広系のジャケットです)着てるので必観です。聖剣無双も割と服飾で遊んでましたけどこっちもっと酷いぞ! 一方で兵士はマジでモダンウォーフェア兵士とか治安維持黒づくめシールダーとかジェネリック冬兵士ストライクチーム(ポールのナイフの付け方なんとかしてくださいよぉお!!)とかなので、宅は観てくれ(懇願)。
 まぁ聖剣無双のアフター・ドジョウではあるんでしょうけど、悪い意味ではなくこういう「ジャンル」としてハリウッドには年1ぐらいでポンポンお出ししてほしい。10~15年後ぐらいになんかの雑誌特集で「今こそ振り返る聖剣無双ウェーブ!」って書かれるイメージで。アレよアレ、中に「歴代聖剣のカンフー・ジョージ枠列伝」とか入ってる感じで(ろくろ)。ただこれ言っちゃあお終いなんですけど、聖剣無双って後ろにドジョウあると思われたのか・・・?ってのはまぁその、気になります・・・(いや俺好きですよ聖剣無双・・・)。
 ちなみに最後のアーマード現金輸送馬車襲撃作戦が割とミニミニ大作戦そのまんまだった(堂々過ぎるのでパクったというかオマージュですかね)のと、間男闇落ちもちょっと笑った。ってか間男さん、終盤でNTRe返され場面目撃して絶望のシーンいる???と思ったらあのラストなの流石に笑撃過ぎる(人によってはこの映画のヒロインに紫豚みを感じて苦手な人もいるのでは)。そういうけったいな映画なので宅にはぜひ観て爆笑してほしいですぞ(あと聖剣無双よりは映画としてのまとまりが良い気もするぞ!!なんかちょっと悔しいが!!
 そういえばこれ、香港資本入ってるんでしたっけ・・・と思ったら去年の映画か(終盤割と世情的にぬおってなったけど偶然だったんですね失礼。

ボーダー 二つの世界

 辛い。小川一水先生が観たら終盤のチェンジリングのところでキレそう。アーバンファンタジーの文脈で異種族生態と人種差別と描く傑作なんですが辛い。黒金星、天気の子、残された者と並ぶ2019傑作映画ですが、もう俺個人の主義思想としてチェンジリングのところが辛過ぎる。俺この映画を観て辛くなってる自分を振り返って「俺にまだこんな人間性が残ってたのか」とビックリしましたよ。あと中盤の事件も酷い。この映画はサ会分遣隊で観に行ったんですが、鑑賞後みんなで中盤の事件について「北欧どうなってんだ、マジでデスメタルと自殺とこれしかねぇのか(ド偏見」みたいに話し合ってました。
 余談ですが、中盤で真実が明かされたあと二人でイチャイチャする場面・・・の中の全裸で森ダッシュのカットが恥ずかし過ぎて辛かった。いやあのセックス(これ凄いよ)とか全裸で水浴びとかは全然平気なんですが、全裸で森ダッシュのカットだけ全く別種の凄みと辛さがある。

T-34 レジェンド・オブ・ウォー

 思ったよりリアリティよりケレン味重視で後半になるほど戦車道濃度が上がって行き、クライマックスはもう主人公とナチ野郎の巨大感情戦車道になっていくアレでしたよ。これ比喩表現じゃなくて本当に最後戦車道になっちゃうんですよ。話の大筋は娯楽作としてフィクションガン盛りな一方で細かい部分のディテールが結構リアルに固まってるのも戦車道だし、何より終盤の、

ソ連主人公「準備するからちょっと待って!」
ナチ野郎「(しょうがないにゃ〜のジェスチャー)」

 絶滅戦争中に何してんだお前ら。映画としては確実に面白いんだけど「独ソ戦でああいう文脈やっていいんだ?」みたいな困惑も若干。たぶん本当はそういうの気にせず娯楽作として観るべき(べきべき)なんでしょうけど、今年はナチス第三の男とちいさな独裁者が大暴れした後なので倫理不利補正あるよねっていうのまぁ(考え込む)。
 あとこの映画、演出が極めて脂っこいというのがあり、ヒムラーグデーリアンとナチ野郎イェーガー大佐の会話シーンでカメラをひたすらグルグル高速回転、戦車砲弾が飛ぶたびにスローモーションになる、ロマンス場面になるとBGMが油ギットギトになる等、人によっては笑いが止まらないという脆弱性ありますね。脂っこいといえば「白鳥の湖」もなかなかスゲー場面である(画的・ストーリー的には自然なんですけどBGMマジで白鳥の湖にするかぁ!?)
 あ、あとワタクシこの映画で初めて独軍の戦車用第一世代赤外線スコープ見ました。あんなんだったのか。なんかあからさまに「隊長機のツノ」文脈も兼ねており萌え燃える。他には一瞬(本当に一瞬)ですけど司令部映画成分出たのも良かったですね。「臨時司令部を設立する」で地図バッの無線ズラズラ(宅ろくろ

残された者 北の極地

 北極マッツで実質デスストDLC(割と冗談抜きでデススト)。あのすみません、2019年映画で俺一番泣いたのこの映画です。一番嬉しかったのは天気の子、一番楽しかったのは黒金星、一番価値ある辛さだったのがボーダー(無価値な辛さはep9)、そして一番泣いたのがコレ。
 ちょっとここまで恥ずかしげもなく泣いた泣いた書くのも恥ずべきことだとは思っていますが、残された者、中盤の画で本当に無意味にうるっとなってしまったのと(これ自分でも何泣いてんのか分からずマジモンのパニックになった)、最後ホンマにもうボロボロ泣いてました。ごめんなさい、感想文としてはエンドゲームよりよっぽど怠惰です(泣いた泣いた連呼ってふつう映画感想文としては最悪手ですからね)。
 とにかく余計な物がほとんどない完全に素手で勝負してくるタイプの映画でしたが(強いて言えばBGMがそこそこ油分あるかな、いやそこがまたいいんですけど)、そこ単に成功してるだけじゃなくってあのラストの根っこにもなってるのかな・・・という気もしている。

GのレコンギスタⅠ 行け、コアファイター

 劇レコⅠ。やっぱり面白いが忙しくて疲れるぞ。新規カットや追加画を追い切れずにぐぬぬってしまいましたが、後でパンフ読むと印象深いところ・滑らかなところが割と新規カット命中しており「うわっ完全に狙い撃ちされとるぞコレ」的な感覚で嬉しくなる。
 ところで個人的には「話が分かりやすくなった」というの、台詞増加よりは「アイーダ姫がベルリに辛く当たるようになったから」の方が大きい気がしました。相手の当たりが強いから、ベルリも機敏かつ一貫的に反応せざるを得なくなって/するようになって、ドラマが良く流れるというような・・・。あと単にTV版からそうだったのを俺が忘れてるだけかもしれませんが、クリムもベルリへの当たりが少し固くなっている気がして/だからこそ「感動した」以降の軟化が良い感じになってちと楽しかったですね(新規作画はないイメージだけど逢坂さんの新収録が良いのかしらん)。
 そう言われてみると情勢が分かりやすくなったというのも、実際には言うほどガード/アーミィ問題やアメリアの強引な動きってTV版でも分かりにくかった訳ではなくって(記憶補正かもしれんが)、劇GレコⅠでのそれは正確には「情勢情報がスムーズにテンポ良く出てくる」というべき気もする。
 逆に台詞増加で明確に分かりやすくなったところというと、実はクンパ大佐周りがそうであろうかと(いやまぁそこも台詞増だけでなく芝居も含まれますが)。個人的にTV版で一番わかんなかったのがクンパ大佐とアーミィの距離感だったので、劇GレコⅠで明確に「コイツ全方位狸じゃねぇか!」ってなってて良い。っていうかあのおっさん法王まで丸め込んでやがったのかよ(情勢的にはTV版でも「まぁそうなんだろうな」と推測はできるんですが、劇GレコⅠだとスッとウィルミット長官ママンをスルーして法王耳打ちですからね。無茶苦茶しよる・・・!)
 他に細かいけど好きなところ、ラストでウィルミット長官ママンがアーミィ勢に画・レイアウトでゴリゴリ圧迫されてるところですね。これこそ分かりやすくなったというヤツだろう(ちょっと笑っちゃったw

KIN

 マジで「場末の貧困犯罪」と「青春」と「SF光線銃」の三題噺作れって言われてスパッと創りましたぁッ!!!みたいな映画でござった。シンプルで良い映画という意味で、割と手放しでオヌヌメできますよこれ。なおその中では青春・家族部分が一番骨格としてキッチリしてる感もある。実はこの映画、構造的には敵と味方で家族の絆が鏡面反射・対置対比になっており、その点でも「美しい」構成だったりします。
 他方でラストの割と豪快な力技オチ(文脈や意図はちゃんとあるんだけど伏線はないみたいな、こう)は確かに賛否あるでしょうけど、俺はこの映画好きだぞ。ああいや伏線はないっていうか、こう、なんていうんですか、映画が明かに首締め用のワイヤーをガッて掲げてて「うーんそれは確かにワイヤー系武器だけどワイヤートラップ(伏線)とは言わないよね」みたいな、こう、(わかりにくい例えろくろローリング)。
 さておきこの映画、貧しい兄弟が絆を育みながらどんどん犯罪に…二人に救いはあるのか…みたいな映画(に光線銃の力というスパイスが加わったもの)ではあり、その意味ではかなりストレートな絆映画なんですけど、ビックリするのはSF部分よりむしろ「劇中の犯罪行為がバッキバキにレベル上がってく」部分だったりする。いやあの、終盤なんか映画のジャンル変わってない?ぐらい凄いことになっているので(話の流れとしては自然なのがさらに怖ぇえよアレ)、むしろラストのSFネタの方がまだ大人しかった気もする(当社比)。
 あと謎スーツ軍団が「立てばダフト・パンク、歩けばタイタンフォール」みたいな感じなのはちょっと笑ったw あの現場検証おもしろデバイスもちょっと好き。余談ですけどこの映画いちおうアフロフューチャリズム文脈になるんですかね。


スターウォーズ EP9 スカイウォーカーの夜明け

・カイロ・レンよかった
・フィンとポーよかった
・レイよかった
・陛下最強。陛下無敵。

後はただ虚無とつらみ。
2019年最後の映画これになってしまったの完全にミスでした・・・。

2018年映画感想まとめ

 3年近く放置していた当ブログですが、よく考えたら映画の感想ツイッターで1年に一度まとめるのこっちでやったほうがいいな・・・って気がついたので久々に蘇ります。まずは2018年から。

カンフー・ヨガ

 前年度公開ですが観たのは今年。細かいところは笑って流すべき映画とはいえなんぼなんでもガバ過ぎやろ!(木簡の扱いとか)とはいえ、元気なジャッキーが観れて新年幸先の良い映画初めになり申した。ただ最序盤だけジャッキーの笑顔が欠けて老いを感じさせるカットがあり(すぐ元気になって観客を安心させるという演出とはいえ)、今後襲いかかる「フォーリナー」の予習をさせられた気分でヒヤッとした。やっぱジャッキーは笑顔か、せめて喜怒哀楽激しい表情でないと観てる方が悲しい(割とマジ



バーフバリ 王の凱旋

 前年度公開ryバーフバリ!バーフバリ!カンフー・ヨガに続きユーラシア大陸インド亜大陸からの刺客続きですが、荒唐無稽アクションに派手な絵面&BGMに人間の情念にと、こんな盛り沢山映画がいきなり観られるとは思わなかった(語彙)。顔が、めぢからがいいですよね皆さん・・・。個人的ベストはクマラ王子。



キングスマン ゴールデンサークル

 これ2018年でしたっけ。この後のパシリム上昇と併せて二大前作登場人物を大切にしない映画。まぁそれだけならいいんですけど、いやよくねぇな、マーク強の扱いはマジでダメでしょ。麻薬問題のブラックジョークは割と楽しかったんだけどさぁ。




悪女

 カメラ回しがスゲーって話題になったアレ。観にいったら・・・ほぼカメラ回しがスゲー、が全ての映画でした・・・。いやなんというか、七転八倒した挙句にあのオチでいいのかしらんストーリー。冒険小説とかハードボイルド、というにもちょっと凄くないか。呆然としすぎて実は今ちょっとストーリーの細部が思い出せません・・・。今年の韓国映画、傑作が多く上陸したと聞いていますが(実際俺が観た限りのタクシーと1987はホンマに凄かった)、これはちょっとどうなんでしょう・・・別に駄作ではないと思うものの。



デトロイト

 辛い。いやダメ映画観た時の辛さとは全然別種の「映画体験として間違いなく良いもの」としての辛さですけど、重量級が過ぎる。今年は三看板、若おかみ、斬、と重量級が多過ぎてなんなの。人間どものgdgdさのせいで尊厳とか生命とか割と踏みにじられるの怖過ぎ。あと「とても良い人なんだけど異様に苦労させられる」ジョン・ボイエガがとにかくまた苦労させられ、これはなんかのタイプキャスティングかと勘ぐる俺。アファーマティブアクションはまずジョン・ボイエガの人生を楽にするところから着手したほうがいい(パシリム上昇はまぁまだ良いほうか




スリー・ビルボード

 デトロイトと立て続けにこれ観た俺に誰か癒しの言葉をくれ・・・。デトロイトgdgdで人を傷つけることの怖さを描いた映画なら、こっちは鋭さとgdgdのダブルビームライフルで人が傷ついていく怖さというか。憎しみの連鎖って言やぁ簡単ですけど、これ「連鎖する以外にロクに成果を上げない憎しみの苦しさ」ですよねどっちかっていうと。連鎖してても何かしらの成果が上がってりゃまた話は少しだけ違ったはずなんですよ(だからこそ「いや上がってないっす」ってオチがつけられている)。あと個人的には意外とイデオンみを感じた(ナンデ




ロープ

 perfect day。トトロじゃない方のデルトロ(ベニチオ)がメキシコ麻薬戦争じゃなくてバルカン半島NGOやるヤツ。恐らく実話を基にしたであろう数々の小ネタが、実話のはずなのに妙に寓話っぽいというか、今まで自分の知らなかったネタ満載&軽やかに重苦しい話(矛盾)をしてきて不謹慎な興奮があったというか。そういう「風景」に慣れ親しんだ結果、NGO職員も一種のウォージャンキー(ウォーモンガー?)になってるってのも凄かったですね。風景も、それを見る人もみんな戦争が染み付いてる・・・。同行してる子供の親の死体が吊るされたロープを見て「(俺たちは今ちょうどロープを探してるわけなので)使えそうか?」「ああ」はスゲーでしょいくらなんでも。あと旗と領土の話も結構エグい。



シェイプ・オブ・ウォーター

 いやこれねぇ、いや好きですよめっちゃ。楽しかったですよ? でも半魚人がカッコよすぎるしイケメン過ぎるし美し過ぎて「異形に惹かれるひとびとのおはなし」ではなく「いやあの半魚人なら割と多くの人が惚れるのでは?」感がどうにも・・・(少なくとも作中世界では彼に美を感じる人の方が多いでしょ)。民主主義に強い半魚人。あとやっぱり猫を酷い目に合わせるのは勘弁。



15時17分、パリ行き

 怪作、という言葉はカンフー・ヨガではなくこっちのためにあったという衝撃。いやね、言いたいことは分かるんですよ。何やってもダメでうだつの上がらない兄ちゃんでも使命と運命はやってくる、それを実装し実行する時は必ず来るっていう。でもじゃあ途中の観光映像(長い)はなんなんだ。なんでしょう、ここまで演出意図というかプロットがわからない(本筋は分かるけどそういう問題ではない、最早)映画は初めて観ました・・・。自撮り棒を使用禁止の場所で使うなオタク。





ブラックパンサー

 王族専用のハッパをやる。正統にして正当な王はアフリカの大地・・・先祖たちのスピリチュアルな霊かなんか・・・そういう景色を観る。けれども彼が観た故郷は、貧困層を詰め込んだようなアパートメント、いつもの家の景色だった。彼は父親が武器を隠していたクローゼットを開けて、いつも眺めていたそれを取り出す。
 はるかアフリカにあるであろう故国を描いた本を。
 側にある武器には目もくれずに。
 いきなりポエミーな書き方して申し訳ないんですが、この場面がこの映画で一番大好きなんですよ俺。ボーズマンもカッコイイがジョーダンがカッコよすぎ悲哀過ぎる。




戦狼 ウルフ・オブ・ウォー

 戦狼2。あれ? この映画1月公開でしたっけ???(ブラックパンサーより後ぐらいに観たと思ってたけどなぁ?) ルッソ兄弟&フランク・グリロの冬兵士一族を使いこなしつつド派手に大暴れしまくる、中国発の大火力快作。後の紅海行動がランボーだとするとこっちはコマンドー(違うかな)。戦車道もバッチリ入ってるぜ。ウー・ジン先生の中国カンフーxモダンCQBx人力スラットアーマーが熱い。最後の諦めないでパスポートが共産党支持じゃなくてウー・ジン先生個人プレイらしい疑惑を知った時は度肝を抜かれ、むしろ共産党から戦狼3に待ったかけられたと知ったので腎臓まで抜かれてしまいました。頼む3やってくれ・・・嫁さん普通に(シカリオ兵士日のベニチオより普通に)生きてんじゃん・・・。




(Netflix)アナイアレーション 全滅領域

これについては何も語りたくありません。辛い・・・。
 風景や森のクマさんはまぁ、とか、最後の格ゲーの練習キャラは笑ったとかはあるんですけど。



ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル

 俺ぁ21世紀になってジュマンジの続編観られるたぁ思わなんだ(素でビックリ)。こういうスカッと楽しめるストレート映画を一年に1、2本は観たいっスよね、って書くとめちゃくちゃ怠惰ですけど、本音だからしょうがねぇ(残りは面白いけど重量級か面白いけど変化球か面白くないかの三択じゃけぇ)。ちょくちょく笑いを挟みながらスルスルと良い話を進めてくの観ると、やっぱこういう大味(って書き方だからよくないんですけど)ハリウッドいいよね・・・ってなる。



パシフィックリム アップライジン

 残念映画。人によって真っ先に上がるダメポイントが違うという恐ろしい一本。つまりそれ、ダメな部分がよりどりみどり満載ってことやろ・・・。
 他人の意見に頼らず俺一人で立ち向かうにしてもですね、マコの扱いが雑すぎるってだけでもうすでにダメだし、博士組だって・・・別に裏切るのはいいんですよ?でも話投げすぎやろ・・・三作目に頼ろうという魂胆で二作目の力(リキ)入れ間違えるの勘弁しておくれ・・・。アクションなんかは「前作と違うことやろう」って気概は良いし点数としても悪くはなかったんですけど、悪くない=前作より高得点かってぇと(好みの問題もあるにせよ)。あとやっぱなんか、なんかこう前作のwktk感が足りないのはなんなんスかね。続編だからっていうだけじゃなくどうにも盛り上がりが全体的に足りない。なんだ。イェーガーへのwktk=ロマンか。前言撤回して他人の感想をお借りしますと、タイミングのズレやフェチズムの不足がそうではないかとも。




レディ・プレイヤー1

 アバターより中身の方が可愛いヒロインってどうなんですか(審議を要請する)。オタク的に嬉しい!ってなる描写とオタク的にもう一声!ってなる描写に挟まれて忙しく、楽しい映画に間違いないのに褒め言葉を探すのにちょっとだけ時間がかかってしまう感じ(時間を少しでもかければバリバリ褒め言葉出るんですけど)。個人的には現実側の風景もメチャクチャ萌え燃えでした。オタク会議やりたいよね・・・。



アベンジャーズ インフィニティ・ウォー

 疲れる。映画的に良い疲れとかではなく純粋に体力的な意味で疲れる。あの大人数でちゃんとドラマ回ってるとか、サノスさんの正気ガイキチっぷりとか色々凄い&面白いところ満載な、そういう意味では間違いなく面白い映画なんですが、時間的にも内容密度的にもとにかく体力をドレインし過ぎる映画で困る。



タクシー運転手 約束は海を越えて

 今年韓国映画そこそこ上陸してたのに割と観逃してて悲しんでいるんですが、とりあえずこれと1987抑えられたのはよかった。いやいいですよこれ。ソン・ガンホ兄貴の親しみやすさ、緩急を適に極めた画、当時の(こう言っては失礼なのだけれど)異様な状況の数々(運動時のタクシーの立ち位置とか)、感情面でも技面でもバリバリ攻めてきて嬉しい。(結果的にifになってしまったことも含めて)最後も泣かせるじゃねぇか。2018年ベスト映画です。






機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星

 ガノタなので納税義務。ポスト艦これ時代では考えられないことですが、基本黒歴史の艦船ってネームドキャラ乗ってるかバイク戦艦以外は簡単にビシバシ沈むのが普通だったんで、宇宙世紀で「戦艦が簡単に沈むか!!」やられた時はビックリした。いやレビル捕縛考えるとこっちの方が自然ではあるんですけど。あとバズ持ちザクの描写が完全に雷撃機・艦攻なのと、艦船がCQSB(近接艦船戦闘)おっぱじめたせいで、戦術描写がかなり艦これになってるので吹いてしまいました。WW2じゃなくて艦これ。最後のキャラ紹介は微妙にGTM思い出しました。



孤狼の血

 基本的に洋画ばっかりで邦画観ないマンなんですが、話題なので観に行ったら想像以上の大傑作で嬉しい(嬉しい)。タクシー運転手に次ぐ2018年映画の雄。昭和末期の広島、暴力も捜査(笑)も容赦を無視して進む感覚、破天荒なガミさん。そして松坂桃李の顔演技、本当に良い・・・。あと俺ピエール瀧について全然詳しくないんですけど、なんかすっかりヤクザ・タイプキャスティングがピッタリ似合う感じになりましたね(昔からこうなんですっけ? アウトレイジが初出ですよね?)。「瀧です」で笑う。笑ってたらキムタクのゲームでもヤクザ役になったのかよ! 軍人が似合う感じ、はローレライ発なんですけど。



リズと青い鳥

 なんなんですか、あの希美=サンのじゃあくな・・・邪悪ポニテや邪悪ムーブは・・・お前みぞれ=サンの気持ちを・・・いやそうじゃないとかむしろそうだとかそういうのは分かるんですけど・・・うう・・・。そういうアレで序盤が一番苦しい映画な気もする。ドラマ動き出してからの方が気が楽ですよ、苦しくてもとにかく機動してるんだから・・・。
 壁になりたいって感想は分かるんですけど、俺は壁になったらラップ音バンバン鳴らして怪奇迷惑千万待った無しなので苦しいです。畜生なんか苦しい苦しいしか書いてねぇなこれ。



犬ヶ島

 忍殺とはまた違った日本3オリエンタリズム映画。ライカ系とはまた違うストップモーション芸で魅せてくれましたね。皮肉や批判としても良い物・・・と思いきや「あれこれよく考えたら民主主義もジャーナリズムもそこまで大して役に立ってなくねぇか?(血縁ぢから・・・」という微妙なツッコミ所が輝いてしまい困る。あとオノ・ヨーコで無駄に笑ってしまった。



ランペイジ 巨獣大乱闘

 いくらドウェイン“ザ・ロック”ジョンソンと言えども生身で巨獣に立ち向かえるのか? キングコングがレジェンダリーで元気にやってる横で、デカいゴリラを銀幕に映しちゃっていいのか?
 できる。できるのだ。
 戦艦(バロウシッ)と同じ「そのゲームをどうして映画化しようと思ったんだ」「あのゲームがこんな映画になるのか」枠の衝撃作。しかもしっかりと面白いし、各キャラも意外と濃いんですよねコレ。地味に特殊部隊全滅映画でもあるし、巨獣特にワニへの愛情やフェチズムが妙に熱い(「ビルに潜り泳ぐ」とかもうスタッフやりたかっただけでしょ)。ジュマンジがストレート快作ならこっちは変化球快作ですな。



ゲティ家の身代金

 ケヴィン・スペイシー代打プラマー様無双映画。リドスコ映画の「異種同士の対峙」が今作では「誘拐犯vs母vs常識外のケチ金持ちジジイ」という変則マッチに。ともすればダラけがちな超長期誘拐事件を「おいおいこれどーすんだ」ってドラマに仕立てられるあたり流石に上手いですよね。あと最後の警報シーンとか妙にエイリアン感ありましたな(なに)。




デッドプール2

 本家×男がどったんばったんするなか(いえローガンは傑作でしたけどよぉ)、こっちが下品に笑いながらも素直に真面目に人種差別とか家族とか描いてて笑ってしまう。何を笑い物にすべきか真面目に考えた映画ってヤツなんですかね。ケーブルがやり直した時に熊のぬいぐるみについてサッと説明してコイン押し付けるところ好き。あのサッって感じが、許すだ許さないだって問題を大上段に構えず、でも真面目にやってる感あっていいんですよ。でもエンディングのデップー無双でなにもかも押し流してズルいw



決戦機動増殖都市

 悲しい・・・。
 いや実を言うと最後のくだらねー痴話喧嘩、結構好きなんですよ俺。「人間しょうがねぇなガハハ!」って感じで。やはり人類は愚かなので、くだらない悲哀が、いくらくだらなくても悲哀として立ち上がってしまうというどうしようもなさが。あとビルサルドの皆さんの「感情などない(感情盛り沢山」とかタニ・ユウコ曹長の意外な巨乳とか、笑ったり楽しかったりする点が絶無でもないし、とにかくこの映画メカゴジラが動けば及第点にはなったと思うんですよ。
 だがそうはならなかった。ならなかったんだよロック。だからこの話はここでおしまいなんだ。
 ・・・しかしこの時、人類はまだ知らなかったのだ。次作「星を喰う者」がもっと酷いことになるとは・・・。





万引き家族

 また重量級映画です。これなぁ、そうするしかなかったひとびとの映画であると同時に、割と家族を「やれている」ひとびとの映画でもあるんですよね。最初のコロッケ買うシーン、いやコロッケ買う金あんなら万引きすんなよ/コロッケも万引きすりゃいいじゃんって言いそうになるけど、そうじゃないんですよ。海行く金あんのかよって言いそうになるけど、そうじゃないんですよ。ブレンパワードのジョナサンいはく「コロッケだよ!海水浴もだ!」というか。言っちゃうと、子供なんか育てなきゃあもう少しだけ、ほんの少しだけでも生活良くなるに決まってて、だから本当は「貧乏なのに子供助けてんじゃねぇよ、なんで”ちゃんと見殺しにしなかった“んだよ」って言うべきなんですよ、べき論で言えば。でもそうじゃねぇだろ、そうじゃねぇだろっていう話(そういう意味でいうとこの映画、実はspec ops the line ドバイと鏡合わせな気もする)。
あっでもやっぱ樹木希林さんはじゃあくな気がする(←



ニンジャバットマン

 バッツ・ミーツ・日本文化。ここで日本文化っていうときに「つまり合体ロボだな」って言い出すガイキチっぷりがたまんねぇぜ!! クレイジー!! こういう脳味噌してる一方でバットマンに対する理解や愛は深いそうで、トリガーのトリガーっぷりが良い方向に炸裂した感じで嬉しかったですね(いや言うても俺悪い方向のトリガーって見たことないんですよね、ダリフラ結局見てないだけとも言うが・・・)。ただキャットウーマンが異様にエロくて可愛いかったのはなんなんでしょう・・・青少年のなんかが危なすぎる・・・。




ブリグズビー・ベア

 オタクとしてはどうしても急所を突かれる格好となってしまい、どうしてもタクシー、孤狼と並ぶ2018ベスト映画候補になってしまう熊。最初に出会えた友達がアイツで本当に良かったし、周囲が本当に優しいから、世界と向き合うこともできて・・・。
 ただしこの傑作、「ルーム」「スイス・アーミー・マン」と同時接種すると本当に胃と脳に悪いのでマジ気をつけろ。



カメラを止めるな!

 ええ、ワタクシこう見えてもミーハー野郎なので話題作はそれなりに観に行くですわよ。これで実際アタリ映画なんだから嬉しいことこの上ない。個人的に一番楽しかったの、前半と後半で登場人物に対する観客の感情が180度反転して、最後はもうグルグル回って回って笑顔になっちまうところですね。あとやっぱ撮影中のドタバタテクニックおもろい。





ハン・ソロ スターウォーズ・ストーリーズ

 不幸な映画だ・・・。いやあの、無頼漢のクライムアクション映画、一種の西部劇としてしっかり面白いんですよこれ。オールデン君も本当に頑張ってるし、地味に「ハンが先に撃った」についてネタを超えたストーリーに消化してる一方、ハンとチューイの出会い設定(これレジェンズ扱いじゃなかったんですか)をうまく料理したりもする。皮肉や冗談抜きにしてオススメできる一本です。でも・・・いや個人の感想文で、映画に向かってかわいそうだ不幸だっていうのは間違いなのかもですが、でもやっぱ不幸だろコレ・・・。あと続編どうすんですかね(ネトフリのヤツにするのか)。ダースじゃないモール、アニメ観てない人 include 俺マジでビックリしましたが。




銀魂2

 うーむ、1に比べるとやっぱ後半の段取りがやっぱ苦しすぎる。前半の壮絶なギャグ(勝地涼無双過ぎる)とか、中村勘九郎三浦春馬の演技とかかなり美事な部分も多いんですけど。あとスモーカー万斉が焦れば焦るほど万斉感出てくるの楽しかったです。でも最後の新撰組ビーム集中砲火はどうにかならんかったのか。




ペンギン・ハイウェイ

 傑作なんですが・・・ソラリスと巨乳と住宅街風景とシュルレアリスム住宅街風景ってお前の好きなもの盛り沢山でいいじゃねぇか!なんですが・・・未だにお姉さんがお姉さんであることに自分の中で整理がついていないのです。すみません作品の良し悪しと無関係なところで・・・。ハリーではないにしても、なんだろう、この(ペンギン号ぐるぐる)。世界の秘密や不思議が貴方にとって魅惑のかたちをとる時、まずもってその理由を疑いなさい、という宗派(レイシア教)なので・・・。




詩季織々

 20年前〜現在ぐらいのスパンで中国の風景(の一部)を切り取って魅せてくれる、というだけで個人的には大興奮でした。いや怠惰なオリエンタリズムだと分かっちゃいるんですけどね、でもやっぱ工場と悪魔合体した校舎で工業学校(ですよねアレ?)とか「うおっ元って本当にYENだし記号も¥なのか!!」とか「ケーキの横に中華料理・・・いや考えたら日本人も似たようなことやってんなガハハ!」とか萌えるでしょ(力説)。あと姉妹の話がかなりモダンかつ百合、っていうと語弊あるんですけど、ビーフン編とテープ編の間にこれスッと差し込んでくるバランス感覚も含めて好きです。





MEG ザ・モンスター

 いくらステイサムといえども生身でメガロドンに勝てるのか? 今やクソ映画〜Z級映画の代名詞と化したサメという「ジャンル」に莫大なチャイナマネーを注ぎ込んじゃって大丈夫なのか?
 できる。できるのだ。
 方々で言われてるように、サメとステイサムをどっちもアゲつつキチンとバトルさせてケリちゃんと着ける、って冷静に考えると凄いことしてますよねこれ。ちのうしすうを乱高下させながらも楽しませてくれる(興奮的な意味とネタ的な意味の両方で)アクション、やたら力(リキ)の入ったステイサムのセクシーシャワーシーン、短い時間vs多めの登場人物ながら各キャラをキッチリ描く基礎体力など、意外と加点法に強い部分が多い。ステイサムのシリアス過去を持ちながらも悩み過ぎずスパッと活躍に入る、でも悩みや人間味がないわけじゃないってバランス感覚もいい感じです。個人的には冒頭の嘘海底科学冒険描写やビークル類にも萌えた。



1987 ある闘いの真実

 タクシーに続く韓国大当たり映画第二弾です。渋い、熱い、そしてタクシー運転手から直結する問題にも関わらず、そこから数年かかってもまだ問題が重くのしかかり続けていたというのも結構際どい。と同時にわちゃわちゃする主体(悪役)が曖昧模糊な何かではなく、怒りと血肉とgdgdを持った梅宮辰夫(違)らおっさん達であり、方々とビシバシぶつかるのがまたゴツい。バランスに物凄く気を使った映画、というのもあるんでしょうけど、悪役が血肉を持ってダイナミックに「圧し」てくるのはやっぱいい映画ですよ(事象としてはよくない)。
 余談ですが、冒頭の「目撃者ができちまっただろうが、目撃者がぁ!」が日本語の「目撃者ができちまっただろうが、目撃者がぁ!」にそのまんま聞こえたのが不覚にもツボってしまいました。あと女子大生の方異様に可愛かったのなんなん・・・。




ザ・プレデター

 ううむ・・・ちょっと個人的な好みとは違った感じでした。「ダメ人間どもがわちゃわちゃ集まって地球の危機、宇宙の脅威プレデターに挑む!」ってのが楽しかったのは事実なんですけど、それってつまりフォーカスがプレデターよりは人間に寄っている気もして、わずかに乗り切れなかった感じです(そういう意味だと一作目はシュワちゃんプレデターを両方上手く立てるというMEG的な快挙を、2は割とプレデター寄りにして面白宇宙ディスカバリーチャンネルとしての威力をそれぞれ稼いでるんですよね)。子供ももうちょい活躍させてもよかったような。あとラストどうすんですかアレ・・・。




若おかみは小学生

 まさかアニメまで重量級で攻めてくるとは思わなんだ。これ原作やTV版があったことを考えると劇場版ガンダムみたいな感じなんですかね(違)。前半の登場人物紹介カット繋ぎのクラッチがっちがちに繋いでく(シフトロックしそう)感じはちょっと笑っちゃいました。でも笑ってられるのはそこまでというか、あとはもう丁寧にドスドスとリバーブロー入れてくるのでゴツい。一筋縄ではいかない、いかないことが大切(おばあちゃんの「普通というのはお客様を見ていない」ものすごい名言じゃないスか)だという話を丁寧ながらもテンポよく打ち込んできて、観客もおっこも楽しく慣れてノッてきたところにアレでしょ。運命とは・・・なぜあんな幼い子に・・・あれ誰も一切悪くない、誰もが優しいのがまたキッツいんですよね・・・。
 そこを乗り越えるドラマってやっぱ凄いんですけど、小学生にそんな凄さを背負わせていいのか、っていう動揺はもちろんあるんですよ。あるんですけど、事象が起きてしまった以上はもう進むしかなく、ならば少しでも良い道を進ませたいね・・・っていうのはどうしてもありますね。
 あと余談ですけど、水領様とおばあちゃんがバッキバキにカッコよく美しいのなんなんスか。ズルいぞ。おばあちゃんの髪の一房だけ染めてる(エクステ、ではないか)のとか。



オペレーション:レッド・シー

 紅海行動。戦狼2に続く中国産戦争アクションにして、あっちがコマンドーならこっちはランボー(違)。もう情け容赦なく避難民も中国軍兵士も死んでいく過酷な戦場と、それを打ち破らんとする中国軍の精鋭を極める練度&装備のガッチガチ殴り合いでお腹いっぱいです。場面転換とそれに関連するアクションが割とCoD:MW脳で、それはネタとして笑ってもいいんですけど、要するにあらゆる場面・シチュエーションで死闘を何度もやるぜ!っていうボリューム&バリエーションの凄さにも直結しており、パクリというより褒め文脈で触れたいところ。あとリアルなのかそうでないのかよくわからない最新装備も萌え燃えです。手のひらドローン爆弾は嘘っぽいけど、ゲーム脳グラップルガンとか駆逐艦からサッとローンチできるUAVとかぐらいは今の中国マジでできる(もうやってる)んじゃね?って気がするんですよね。007のQ発明品的というか。
 あと余談というには大事なことなんですけど、なぜか戦狼2に引き続き戦車道してるのが不思議。いやまぁCOD:MW脳なんだから車輌もあるでしょっていうだけかもですけど、中国戦争映画の「文脈」として「やっぱ戦車は入れるべきだろ」みたいなのあるんでしょうか。



イコライザー2

 マッコールさん血風録第二幕は、一作目よりもググッとマッコールさんの生き方に寄せてきた感じでしたね。まぁ身内の報復だし相手も身内だしな。ほとんど忍殺級の「災害」とさえ言えるマッコールさん、冒頭で前作のおさらいのようなタスクを決めて観客に自己紹介したあと、若者を助けたり仲間を殺されたりしながら上述したように本人の話に進んでいく。自宅訪問とかもう怖すぎやろ。結果、彼を一切舐めていない手練、でもバシバシ死んでいくという地獄絵図と、故郷で安らぎを得たマッコールさんの図が出てきてそらもう大満足ですよ。美術の兄ちゃんも人生のいっときをこんな大災害と過ごせていい経験になっただろう(嘘ではない)。ただ生きるのではなく良く生きること、というおはなしがこうもバイオレンスになるという、一種の痛快さが迸っていた次第です。



スカイライン ー奪還ー

 前日に前作観てから観に行ったんですけど、マジであそこから「シラットでスカイライン星人と戦う続編」作りやがった・・・いやあの、サイバー会内でマジでちゃんとやれてるよって前評判は聞いてたんですけど、いや聞いても信じられないでしょ観るまでこれは(小並感)。上がった予算をドスドスアクションに注ぎ込んだ挙句NGシーンまでブチ混みやがって「ははっ、これがやりたかったんだなぁ!?」って楽しくてしょうがない。方々で言われてたヤヤンさんの強引な参戦ぶりも瑕疵というより笑いどころですしね。話の筋もなんだかんだ言って通ってるし(ここもサ会内で評価されてましたな)、いやイイもん観れましたねコレは。




ヴェノム

 ど根性ガエル「最悪。」ってキャッチコピーで何が最悪かと思ったら特にトム・ハーディコンプライアンス意識が最悪(それ以外は大して悪くない・・・いやトム・ハーディはちょっとダメ人間だけど・・・)(なおヴェノムはいい奴)とか観る前に想像できるわけないでしょ(迫真)。「(ほぼ自業自得で俺の人生が)最悪」。「この力は(割とダメ人間な俺のことも見捨てず親切に助けてくれるので)病みつきになる」。ドタバタバディx異能アクション映画として間違いなく面白い一本でしたけど、ジャンルが割とマジでコメディだったのは素でビックリしましたよ。





(Netflix)人狼(韓国版)

 ネタツッコミ的にもガチ的にも楽しめるある意味贅沢な一本になりましたね。俺実はあの雑ドローン割とネタだけでなく素でも好きなんですよ(それを主題としないアクション映画としてはあんなもんだろ感の丁度良さというか・・・)。メタルマンUIは流石に笑っちゃうけど、とにかくプロテクトギアが暴れ回る実写を今再び観れたことだけでも嬉しいですし、タワーを降りた後の「車越しに携帯電話でやり取り」演出の妙とかめっちゃすこ。
 にしても俺、ケルベロスサーガでまさか「犬の皮を被った人間の」話をするとは思わなかったんで割とビックリしましたし、そういう意味では逆に(外伝的な立ち位置として)アリだよなとも思ったんですよね。タクシー運転手と1987の後にこれでめちゃくちゃ気まずかったし、実際本作の背景にもその辺の気配と現代世相がミックスされてはいるっぽいですけど、そういうバックボーンがあるから「犬になりきるわけにはいかない」という結論にはなるんでしょうね。にしても最後父殺し(死んでない)までやるとはビックリしましたが。
 なお個人的な激推し強火担はもちろん韓国版辺見ことハンさん(ムヨルさん)です。名セリフを言わなかった点だけ減点ですが後はもう最高。頑張れハンさん!



ボヘミアン・ラプソディ

 すんません、Queenはジュエルズの1、2ぐらいしか聴いていなかった怠惰度マキシマムミーハー勢で本当に申し訳ないんですけど、伝記ならぬ伝説・娯楽作としてバッキバキに楽しんでしまいましたし、やっぱり最後のライブ・エイドはどうしようもなく嬉しくなってしまいました。もうこれはどれだけ怠惰と言われようともしょうがねぇ。最高なもんは最高というしかねぇ。
 あ、でも途中のライブ会場地名がギュイーン!!って飛んでくる演出はちょっと笑っちゃいました。あれやっぱ70年代ってあんな感じなんスかね。



星を喰う者

 人類は知らなかったのだ。決戦機動増殖都市以上の惨劇がやってくるとは・・・。
 「金モール」「ゴジラちょっと浮いただけじゃねぇか」「杉田のプロレス実況」「DMM改めFanzaで売ってる催眠音声」など散々な言われようの本作、個人的に一番衝撃的だったのは

俺「途中おしっこ我慢できなくて中座しちゃったんだけど、その間なんか重要な話とかあった? あの、ingressしてるところのアレで、B-29とか黒板とか櫻井が宇宙港で手を引っ張ってる前ぐらいの」
友達「お前の言ってる櫻井宇宙港は2回目で、中座中に流れてたのが1回目」
俺「・・・わざわざ同じようなシーンを? 2回も櫻井がショタの手を引っ張っていたので?」
友達「うん」


 余談ですがこの友、嫁さんにアニゴジ興味ないって同伴断られたそうですが、嫁さんの判断が正し過ぎて俺たちは悲しんだ。
 いやあの、テーマ的な部分とかギドラの超時空ディレイアタック(のアイデアだけ)とかは割と悪くなかったんですけど、映画としてもうそういう問題じゃなくなってますからね。助けてドハディ。医官殿、ガイガンはどうなりましたか。あと俺30歳童貞なんで双子のどっちとヤるかの判断基準がなんなのかさっぱりわかりませんでした(そもそもどっちがどっちだかも途中から完全に分からなくなっている)。




ボーダーライン ソルジャーズデイ

 シカリオ兵士日。前作がメキシコとアメリカから生まれた汚泥にヒロインをズブズブ沈めていく話だとすれば、こちらはメキシコとアメリカ(比較的アメリカ重点)から生まれたgdgdにおっさんどもが沈められていく話。ヨハン・ヨハンソンを喪ってもなお鳴動するBGMを背景にして繰り広げられるgdgdブラック労働が本当に辛い・・・んですが、一方でベニチオの夢女小説登場人物感なんなんですかね。割と笑っちゃうのと、ある意味ではこの重苦しい映画に対するバランサーにもなっているような。あと個人的にはやっぱ「今は麻薬より難民」時代の国境越えのディテールが嬉しかったです。もう難民視点だけでスピンオフ作ってもいいんじゃねぇか、21世紀の大脱走というか。
 しかしベニチオがまさかハインケル状態で普通に生き残るとは思わなんだ。いやあの撃たれた瞬間から「えっもしかしてハインケル?」とは思ったんですけどマジとは。ここまでブラック労働の話してそこで奇跡起きちゃう?っていうのちょっとだけ気になりましたし、そのせいでブラックじゃなくてミルク入ってるコーヒーだよねって感想にスライドしてしまうのが辛い。と思ったら三作目やるのか・・・。
あとボスの娘が異様に可愛いのなんなんでせう。



機動戦士ガンダムNT

 結局、新訳Zで語られた新富野NT論というのは「あるべき理想」の論であって、方法論ではなかった。からだを持って対話をやめない、というのは、からだや生活や生命を傷つけられたらどうするのか、という揚げ足取りに全く、全く意味も抵抗力も持たない。富野御大自身はそのことに自覚的だろうし、だからGレコで本格的にそこへ取り組んでいるわけだけど、当然そこには他のアプローチも存在する。
 だからナラティブは健全なからだと生活を奪われたひとびとの物語だったと言える。手遅れの季節、もはや助けられない人たちをそれでも見放さない話。
 また同時に、奇跡に名前をつけて解析し再現しようとする野蛮さの話でもある。どんな奇跡も現実にあらわれた以上、「当然」人間の解釈と研究から逃れることはできない。その「当然」とそこから生じる弊害を(まぁUCからそうですが)真正面から描いた意義ある一本、ある意味で長谷川クロボン系列と対になるガンダムでした。
 またなんかポエミーな書き方になりましたが、観に行ったら想像以上にツボってしまった次第でござい。ゾルタンとかマジでいい役じゃねぇか。一方で「D装備」「フェネクスはヒロイン」「ヨナもヒロイン」「聞こえているならやめろバナージ君!腕がもったいない!」などのネタ要素にはもちろん笑っちゃいまいしたが。バナージ君割とマグナム厨なんじゃないか。しかしミシェルの作画崩壊は何とかして欲しいところ。




斬、

 ずいぶん剣呑な映画であった。起承転結やハレ・ケを嫌うというか、MGS2的、というと語弊があるでしょうけど、要は「動いたら負け」という話を徹底的に、本当に徹底的にやっているのでとにかく息苦しい。これに比べれば野火はまだ主人公が何かしら動くぶん(そして日本そのものの醜いgdgdな「動き」があるぶん)普通の映画な気がする。その上で「動いたら負け」という結論を死守するためにこそ、「動かないとそれはそれで」という描写も徹底してやっており、ツカシンって本当に真摯で生真面目な人なんだっていうのと、ぶっちゃけ今回本人辛かったんじゃね的な勘ぐりもしてしまう。やってることは普通に鉄男プラス野火そのものなんですけど、進み具合としてここまで来ちまうのかっていう。
 あと演出的には「めっちゃ鳴る刀」の恐ろしさ、最後のみんなスゲー体調gdgdになって山林の中を右往左往する息苦しさなど凄かったですが、後半で雨降り出したときに80年代シンセみたいなのがベンベン鳴り始めたのだけはちょっと笑っちゃいました。なんでやねん。



エヴォリューション

 ドゥカブニーじゃない方。去年映画観逃しのNetflix枠ですが特別に。ってなんですかこの「物凄く嫌な2001年ブラッドボーンSIRENコヴェナントの旅(おねショタ風味」は。個人的には「漂流教室」もちょっと思い出しました(未来人類が8mmフィルムで過去人類の行いを学ぶ場面があるので)。
 この映画、説明不足抽象映画・・・と見せかけて実際は画で割とバキバキ直喩〜直写しており(いやそらしてない部分もありますけどよぉ)、思ったよりぐぇえ〜ってなるタイプでしたね。双子の場面とか生理的に結構キツかったッス・・・。これねぇ、雑瓶詰めな雑コヴェナント(というか雑エイリアン4?)とか、双子にしたってブツが直接水面に出てくるのは逆に大丈夫なんスよ。そうじゃなくてあのお腹に・・・のカットがねぇ、あの瞬間風速が辛い。善のおねショタvs悪のおねショタなどと言っている場合ではない。ホラー映画やグロ映画というとまた違うんですけど、嫌なものを観たい人にはオススメです(?)。



ウィンド・リバー

 いやぁこれも重苦しくてキツかったですね。あの地域に押し込まれてれば荒みもするでしょってのはあるけど、でもそれが犯罪者になっていい理由には(当然)ならんよなともいう。それで銃撃起きるときはぐっちゃぐちゃのgdgdんなりますからね。お前らそんなに気楽に警官撃つんかいって一瞬ビビりましたけど、ある意味それぐらい荒んでんだよ!!ってことの証左でもあるんでしょうねアレ。救いはないんですか?お前が自分で自分を救うんだよ!(救えないこともあります)って、そらそうだけどキツいやろ・・・。あとラストの「知るか。私だって教わっていないんだ」も背景とか考えるとなかなか息苦しい話です。
 余談ですけどこれまた終盤、ジェレミーが病院で言うセリフって、要するに人類が都市を必要とした理由そのものなんですよね。これはこれでまた作中の土地問題と、って話題がグルグルしちまうな。




ドラゴンボール超 ブロリー

 まさかブロリーでこういう話になると思わなかったぜ。かつて絶対悪の象徴だった男が、実際はほんのわずかなボタンの掛け違いで・・・という新解釈。実を言うとこれ新というかドラゴンボール本来解釈みたいな感じで、要するに鳥山明としては「闘争本能それ単体は残虐さと直結しない」という考えがあるんだろうなってのと「戦うこと、インフレすること、もっと強ぇヤツに出会うこと自体が冒険である」という神神理論の直系なんですよね(一方で邪悪さの存在そのものを排除してるわけではなく、フリーザはめっちゃ邪悪でしたな)。結果として現れた新ブロリー と仲間たちはかなり魅力的で、めっちゃ嬉しいと同時に動揺もある映画でした。あとやっぱりアクションはスゲェ。派手なカメラ使いから細かい技・戦法の流れまでガッツリ楽しませてくれます。しかし女性陣が異様に可愛いのはなんなのだ。

薄暗闇で十分ですよ

ブレードランナー2049 ネタバレ感想というか個人的な感情

 体調を万全として観てきましたよ、ブレラン2049。いやなんだろ、観る前俺「ブレードランナーの感動ポインツはですね、レプリカントが命の重さを云々とかじゃなくって、やっぱ画力(えぢから)なんですよ、映像のディテールがフガフガ」ってイキってたんですけど、2049のエンディングを観た瞬間「ぐぬぬ」ってなってしまい、自分でしょーもなくショックを受けています。映像だけでは十分ではなかった。結局自分は物語というか、ブレランのディレ〜ファイナルの真エンディングに漂う、どんよりとした「薄暗闇の予感」が好きだったのだ、と分かって動揺しておる。どうしたのか俺。それとも、どうしていたのか俺。
 映画そのものは間違いなく傑作であり、ブレランの続編としてもこれ以上の物は無いでしょう。また表向き()観たかった画力(えぢから)や未来アイディア、俳優陣の熱演怪演も素晴らしかった。加点法で考えれば徹頭徹尾プラスが連打連撃倍プッシュされるアレです。それゆえにあのエンディング、過酷の極みを通り越したあとで妙に幸福な——過酷でビターで複雑でも、結局あのラストのKは、なんとか満足そうで安らかな顔をしていた——エンディング、に対する自分のスタンスと感情が全く制御出来ず、わりかし苦しんでおります。これディレクターズカット2049とかファイナルカット2049とかでエンディング変わりませんかね、って渇望するぐらい混乱している。ううむ。


その他ネタバレというか強火推しポインツ

・映画としては間違いなくブレランの続編にして強火リスペクターなのに、「言うてもやっぱ『あなたの人生の物語a.k.aメッセージ』から連なるヴィルヌーヴ映画だな」って感じがするの、ある意味凄い。やっぱ作劇テンポがリドスコと違うからですかね。下手すると押井映画よりノンビリしているよなドゥニ。しかも押井映画やブレランって、ノンビリまどろんでいるように見えて話の筋は割とスムーズに進んでるのに対し、こっちは「話の筋は割とスムーズに進んでるけど、その筋が妙に長い」という印象でガッツリ3時間キメてくる。別に長くて苦痛とかそういうのはないんですが(逆説的に3時間保たせられているという意味では凄い)、なんか物理的な意味でのびのびやったなドゥニって感じはする。


・あとどうでもいいことですが、ドゥニってツカシンっぽい顔だよね。


・架空嫁としてのジョイたんは確かに素晴らしいんですが、いかんせん「ぐーぐるはあくまのてさき」「アドビのCCとか死んでも許さねぇ気に入らねぇ。PSnet、お前もだ」「電電公社dアニメストアに金払うの本当辛い」「プライバシーをクラウドに売り渡して便利を受ける現代、頭にアルミホイルは必須だ」というタイプの老害宅としてはどうしても萌えきれぬ。と思ったら劇中でもフツーにそういうオチだったので安心して笑ってしまいました。とはいえ、笑いながらやっぱり「ヒロインの死」として胸に来るあの場面のパワーは流石。


・遺伝子組み換えイモムシ!!天井ホログラムにエマネーター!!自販機!!安直に流行に乗ったといえばそれまでだけどそれなりに真摯に演出されているドローン!!タスケンレイダー(違)の雷電誘導攻撃!!こき使われる孤児!!やっぱSF映画はこうでなくては・・・。


ソーラーパネル畑!!安っぽい遺伝子組み換え作物農場!!カメラが近づくほどにディテールを魅せつけにくるより寂れたLA!!膨大なジャンク山と船の死骸と焼却場(川崎工業地帯でのイベント上映なんかあったそうですが正解過ぎワロタ)!!急にドゥニドゥニとヘプタボットなアトモスフィアのウォレスさん部屋!!核汚染ラスベガス!!やっぱSF映画はry


・あとよく言われるように、やっぱ音響は今作のハイライトですね。ブルク13の常時爆音上映×IMAXでよかった。映画自体は2Dシネスコを意識して撮ったという話もあるため3DIMAXでいいかというと微妙なんですが、まぁ音のためにIMAXで間違いないです。2DのIMAXってやってないんですかね。


・「オンリーゴッドに引き続きボコボコにされる」「子犬のような顔」などと散々な言われようのライアン・ゴズリング(褒め言葉です)。言われてみると繊細なのにハードボイルド(いや、ハードボイルドを滞りなくやれるのにどこか子供のように繊細、というべきか)な俳優を、というと確かに”タクシードライバー”ゴズというのは適役だったのか。あとハリソン(老若問わず)と比べると掘りが浅くてスッキリしてて、妙な新鮮味があるんですよね・・・。


ハリソン・フォードの嫁は特撮で復活するという謎のジンクスが発生した(ローグワンのレイア姫を思い出しつつ)。


ハリソン・フォード、見るからに老いているのにバリバリとレプリをブン殴る壮健ぶりでちょっと笑った。いや前作より腕力上がってませんか最早。ベガスでのKとの対決は「えっ俺違う映画観てた?」ってなるぐらい気合い入れて爆発させてますね。


・今気がついたがこの映画のメインキャスト、人間よりレプリカントの方が多い・・・?


・監督はリドスコではなくドゥニなのに、妙にコヴナントネタ?が多くて動揺する。いえね、タイレル社とウェイランド社が仲良いとか、実際にリドスコブレランとエイリアンをくっつけようとしてるとか、そういう話は事前に知ってましたけどね、音声メディアとその保管がコヴナント胚なのは流石に爆笑するからやめれ。っていうか話の大ネタも何故かコヴナントと鏡合わせで、これは製作総指揮のリドスコがやっぱり昨今のマイブームとして推してきたのだろうか。


・留乃助ブラスター(ちゃんとクレジットされてたのか確認し忘れました・・・)というかデッカードブラスターがあんなにゴリゴリと推されるとは思わなかった。やっぱドゥニもそこはオタクなのだろうか。


・あと序盤でKが喰おうとしていたトコロテンヌードル?なんでしょうね。いや遺伝子組み換え作物ベースの合成食品なのは分かるんですけど。「二つで十分ですよ!」に続く謎メシとして映画史にその名を刻もうとしているのか。試写会では中身が確認できたというのか。


・あとどうでもいいことですが、ドゥニってツカシンっぽい顔だよね。

スイス・アーミー・マンのネタバレ感想

優しさと真摯さについて

 バットマン・リターンズのラスト。死んだペンギン(人間の方)にペンギン達(鳥類の方)が寄り添い、彼の亡骸をどこへともなく葬送していく。ペンギン(人間の方)はその直前、バットマンの命を道連れにしようとしたものの、武器の傘を間違えるという痛恨とシュールに苛まれて死んでいた。ペンギン達(鳥類の方)が人間の遺体を運ぶ姿は、笑うにはあまりにも寂しく、異様な真剣さと真摯さがあった。


 自分がスイス・アーミー・マンのラストに感じたのはそれに近い感覚だった。あるいはもっと先かもしれない。


 スイス・アーミー・マンは異常者の映画だ。ということを包み隠そうとしない。序盤から異常な映像のオンパレードであり、観客は笑いと恐怖と困惑に翻弄され続ける。流石に時が経てば経つほどダノ×ラドに感情移入するようにはなっているが、彼らが中盤やっていたことを冷静に振り返ってみると、まぁまぁアレがアレでアレな、ストーカーというかアレなアレであることは自明だ。終盤はまさにそのことを突きつける展開であるし、その際の画と演出は、ほとんどホラー映画かネット怪談のありさまである(メキシコの人形島か、ハーンの「ジゴク・プリフェクチュア」かと思ったぞ)。ハンクという人物像に関しても、単にそれらしい単語を使わず暗示に留めているというだけで、実際は相当辛い話をしている。母親のくだりや「低脳」ということばの扱いは、本当にオブラートに包めていると言えるだろうか。
 けれどもそういう容赦のなさは、裏返しでさえなく、この映画の真摯さと真剣さの顕れなのだろうと感じられる。もはやマイノリティでさえない、フリークスという立ち位置の扱い。周囲に理解がないだけ、貴方はそのままでいい、と言えないし言いようがない臨界点。そこでは「現実」という手垢のついた言葉は、実はあまり意味を成さない。「現実は厳しい」? そうではない、「貴方の脳内が厳しい」だけ。それだけである。現実は何も厳しくないし間違ってなんかいない。この世で本当に辛いのは、救いがもたらされないことではなく、ぶっちゃけこれ救わない方がいいよね・・・という事案が実在してしまうことにある。「どこでも自由にオナラすればいい」? おい頭冷やせ。オナラだぞ、オナラ。
 この映画の凄まじいところは、そこで頭を限界まで冷却した上でオナラしてくることである。下手な比喩や言い訳はしない。ストレートにオナラぶっ放す。救わない方がよさそうな事案を、しれっと映してしまう。それは映さないこと、デフォルメして映すことよりもよっぽど真摯だ。いやギャグとしてデフォルメはしてるんですけど、なんというか、スイス・アーミー・マンの下ネタは「レスリー・ニールセン2001年宇宙への旅」やオースティン・パワーズとは意味合いが全く違う気がする(比較対象が変ですみません)。なんというんだろう、こう、介護現場だとどうしても排泄や勃起を見なきゃダメだよね、というような切迫感というか。


 そういう真摯さと優しさ(a.k.a野蛮さ)の頂点として、ラストにマスコミが出てくるし、登場人物が何故か一堂に会するのだ。
 最初、それらはフリークスが晒し者にされるという悲劇、見ているのが辛くなる恥の場面として描かれる(ように見える)。今までの異常友情物語に圧倒されて忘れてたけど、そっかダノたんどうしようもなくヤベー奴ですよね・・・そうですよね・・・と気付かされる。どうしようもなく辛く苦しい場面。
 かと思いきや、突如としてラドクリフはオナラをする。そしてあのラストになる。あのラストを、登場人物が全員目撃して、さらにご丁寧にもマスコミのビデオカメラが映してしまう。それがどういう意味か、考えただけで身震いがする。
 あのオナラが無ければ、この映画は、ハタから(周囲登場人物から)見れば単に精神異常者の謎犯罪にしか見えなかっただろう。でも現実は違う。そう、「現実」は違う。あのラストシーンは全ての登場人物から、誤解というか解釈するチャンスを一瞬とはいえ奪ってしまう。えっこれダノたんの脳内妄想じゃないの?これ・・・現実なの???という、ほとんど暴力。現実は何も厳しくないし間違ってなんかいない。「貴方達の脳内が理解できない怪現象が発生してしまった」だけ。それだけである。マスコミのビデオカメラという「物的証拠」が残ることにより、この惨劇はその強度をいや増す。


 ハンクは一人じゃない。ひとりじゃなかったという現実が、登場人物達全員に押しつけられてしまう。彼らに逃げ場はない。ただそこにある(あった)という現実を理解させてしまう暴行。
 それはただの相互理解(フリークスと一般人も共存できますよ〜)や、誤解(フリークスは脳内ヤバいですね〜)よりも、はるかに優しくて理性的だと思う。ただそこにフリークスがいて、ひとりではなく、彼らが生きて生活できる時と場所が実在した、ということ。ただ傍に実在できるということは、ある意味分かり合うことよりも真摯で真面目なのだ。

キングコング髑髏島の巨神ネタバレ感想

「どうして原題がKingKongではなくKongかだって? King候補が他にもいるからだよ!! ギでラなアイツとか!!」

 大傑作なSPL2/殺破狼2差し置いてサルの感想書くの?って言われるとまぁ迷うものはあるんですが、さておき観てきましたキングコング。ワタクシまずいことにオリジンもギラーミン版もピージャック版(a.k.aそのままの君で死ねコング〜赤外線ミサイルのシーカーのようにナオミ・ワッツの前歯を追いかけろ〜)も、それどころか地獄の黙示録さえ未観のまま挑戦してしまったんですが、当然そんな状態でも楽しめる映画ではありました。


 ってか、楽しめるどころかど偉いことになってますねコレ。元の広告が地獄の黙示録っぽいのに日本版広告が南海で大怪獣大決戦でいいの?って言われてましたが、なんかどっちの広告もほぼ大正解で大変です。「この島で、人類は、虫ケラに過ぎない!!!(立木文彦ボイス」確かに。
 ではCMだけ観てれば見所ぜんぶお終いじゃん、っていうとそんなことはなく、広告で描かれなかったのが実はまさに虫ケラな人間共のドラマだったりする。意外とこの映画キャラ萌え映画な感じでして、結構キャラ数多いのに一人一人キチンと描かれていてビックリした。いや構成的に考えると凄くないかこの映画。2時間前後で、虫ケラ10人前後全員ストーリー持たせつつ、当然怪獣達の大暴れも見せつつ、ましてやコングなんか日常生活に優しい性格に激しい凶器(どーぐ)ありのプロレスまで大盛り。これで全然話が破綻していない。時間効率が圧倒的に上手い気がする。戦う時はキッチリとハリウッドらしいアイデアバトル&「これこれ、この画スゴイでしょ!」ってパンチある画で殴りかかってくるし。ギャレゴジがムートーと人間を映してゴジラをあまり映さないという大胆な(結論としてはそれで大勝利しているけど、異論もなくはなかった)構成だったのに対し、実質「二作目」であるコングはそれと違う毛色で攻めてきましたね。それは単にコングを早く出して延々映すというアンチテーゼでなく、それ以外もバリバリやるぜ、という本当に攻めの姿勢でしょう。パンフレットでも触れられていましたが、人間共を2チームに分けたのが構成的に勝利の鍵だったのかもしれない。


 なんか人間のことばっかり書いてますが、当然主役のコングや怪獣共も美事美事。南の島!!秘境!!なら怪獣がいるのは当然だろ!!!ってゴリゴリ押してくる感じいいっすね。生活感のあるコングに何故かワロタ。なんというか、怪我を気にしつつ水を飲もう→としたら大ダコと死闘!→はい勝ったので今日のお昼ご飯です、のテンション上下が妙に微笑ましい。そういえばここの場面、冷静に考えると「2時間の映画内に仕込まれる日常描写=映画の時間感覚を引き延ばし、映画の緊迫感を調整する、いわゆる肉体感覚フガフガ」であると同時に「怪獣の、自然の驚異の前に、人間は虫ケラに過ぎない」でもあるという、グロテスクで皮肉な画なんですよね。フード理論?暖かい食事のある映画は傑作?うんそうだね!(コングの食事)ってなんだよ。最高かよ。しかもよりによって新鮮なタコの刺身かよ。
 あと個人的に感動したのがコングの戦い方で、考えたらこの人ヒト型動物なんでプロレス技ができるんだよな。先述したように「すわパシリムか!?」というような凶器(どーぐ)攻撃もします。しますってかあの大木引っこ抜いて鞘抜きするの卑怯でしょ。なんでお前サルのくせに剣豪アトモスフィア出してんだよ。プログナイフ構えるエヴァかよ。それで「おおっ突きか!?」と思ったら彼岸島打撃じゃねーかクソックソッ(笑顔で)。
 あとその抜刀モーションもそうなんですが、ギャレゴジに続くレジェンダリー怪獣映画ということで「時々ハッとするような、信じられないぐらい美しい怪獣の画がスクリーンに出現する」んですよね。夕日を背景にたたずむコング。炎熱と月光のコントラストの基にたたずむコング。CMで散々見たなどと言わず、ぜひ劇場でこそ観て頂きたい。あの沼に住む牛さんみたいなのが出てくる場面もやっぱりいいですよ。


 あとこれはビッグ主語向けな話題で申し訳ないんですが、近過去映画としてもやっぱり熱いです。70年代の最新科学(ランドサットだ!いや本当は当時あの衛星はランドサットって名前じゃないって話も聞きましたが)とベトナム戦争の残滓が、南の島の秘境に接続されていく。そういう微妙な偽史っぽさは身内界隈では結構好感触かと思われます。OPもギャレゴジに引き続きブラックオプス(いやWaWか)っぽい。
 しかし話題沸騰の、スタッフロール後の映像・・・アレいいんでしょうか。完全に次回作の「ネタバレ」なので「ええっいいのかよ!?!?」ってスゲービビったんですがアレ。だってお前あれぞ、モスラキングギドラ出しちゃったぞ。いいのかよおい。あとゴジラ→?→モスラ→ギドラ、の二番目の怪獣なんだか分からなかったんですがなんでしょうか。ラドンアンギラス? ラドンじゃ無さそうな希ガス希土類だったんですが、アンギラスだとしたら昭和以降冷遇されていた彼がまさかの復権ということなのか。

その他王猿の細かいネタ・好みポイント(ネタバレ継続中)

・大ダコ、パンフ読んだんですがこれマジで日本コングオマージュなんですか。オリジナルのコングにはタコいなかったの?


・70年代!ナム戦!美しい画!!って散々書いておいてなんですが、「ヘリコプター搭乗員のミラーシェードのサングラスに、爆撃で燃え上がるジャングルが映り込む。ほくそ笑む搭乗員」の画は流石にギャグかという勢いで爆笑した(俺だけ?)


・サイズミックチャージ、「えっアレってスターウォーズの架空兵器じゃなくって、ナム戦時に元ネタになる兵器があったんだ」と感動してたら、どうもマジでスターウォーズネタだったらしく爆笑している。


・冷静に考えると話の大筋は「善の怪獣と愚かな人間達。冷静な主人公や学者クラスタは善怪獣との共存を説くが、頑強な軍人は耳を貸さず善怪獣との決戦に挑む」という、怪獣映画としての王道になってますね。


・トム"ロキ"ヒドルストンが元SAS、というのに何となく戸惑う。いや実際の劇中ではちゃんとした筋肉とちゃんとした動きや判断力でちゃんと演技できてる(といってもSASらしい大活躍をするわけじゃないが)。でもこの人やっぱハイ・ライズに住むお医者さんかロキじゃんっていうイメージがあり、どうにも不思議。あーでも「SASってお前リキッドだけじゃなくってキートン先生もいただろ」って言われると納得できなくもない・・・かな。これがマイケル・ファスベンダーだったら(あの辺の年齢とイケメン分類でSASでしたって言われも違和感のない白人男性として)「クッソ分かる」なのだが、それはそれでどうかって気もしてきた(←混乱


・どうでもいいが、サミュエル・L・"フューリー"ジャクソンがトム"ロキ"ヒドルストンに向かって、「お前はどっちの味方だ、Captain?」って言うのはシビル・ウォーネタなんだろうか(いや英語で「Whose Side Are You On, Captain?」って本当に言ってたかどうか聞き取りそびれましたが)


・ヒロインのブリー・ラーソン可愛いですね・・・と思ったらこの人「ルーム」のあの人かよ!!? 嘘だろおい・・・なんか微妙に信じられない。いや自分でも何故信じられないのかさっぱり分からんが。あともう一人のヒロインのジン・ティエンもやたらめったに可愛い。なんかこの映画ヒドルストンはイケメンだしサルはクソカッコイイしブリー&ジンが超絶可愛い美女でズルくねぇか。顔の良い人間(と怪獣)がいるとそれだけで映画の画って保っちゃうんだぞプンプン。


・おっ、今気がついたがジン・ティエンさんは今度の怪映画「グレートウォール」にも出るのか。予告編でチラっと映ったあの美女か。


ジョン・グッドマンは10フィールドクロフィの怪演が生理的に大変辛かった(このときのジョン・グッドマン本当にスゴイのでみんな観て)ので、いつ人間共を地獄に突き落とすクソ迷惑親父になるかとハラハラしていましたが、そんなことは結局なかったので安心したやら物足りないやら。そういえばこの映画、キャーキャー騒いで人間共を窮地に追いやる無能キャラいないんですよね。最近の怪獣映画はみんなそうなのかしらん。


ジョン・グッドマンが死んだ後の「チクタクワニ」にはその手があったか!ってビックリ感動しましたよ俺。あの煙い空間の中であの怪獣の恐怖をいかに演出するか、その発想は無かった。美事です。ハリウッドのアクション映画は時々こういうアイデア攻撃してくるからたまんねぇんだよな。


・あとこの映画の死亡判定、正直オルフェンズより変なシビアさというか「えっそこで死ぬの?」「えっこの死ってクッソ無駄死ににさせられるの? Vガンのジュンコさんかよ」っていう嫌なアレはありますね。前者(翼竜die)は「じゃあなんで他の人無事なんだよ!」ってツッコミしてもいいんじゃないかなぁ。この映画の数少ない欠点だと思うのだが。


・長めの日本刀とモーゼルを装備した零戦パイロット、というギリギリ日本その3に片足突っ込んでるけど超カッコいい日本兵サン、顔が美妖で困ったのは俺だけでしょうか(お前だけだよ)。ちなみに日米パイロットの話は冒頭のバトルと劇中説明セリフだけにも関わらず、本当に仲間だったんだな・・・おっさん、日本人のぶんも生きて帰らなきゃな・・・ってなる良い話でしたね。しかしその上で、日本刀への妙な高性能評価には笑えばいいのか感動すればいいのか分からない。アレ映画内の武器威力判定だと連装機銃>日本刀>(ATフィールド)>単装M2>M16とAKぐらいに設定されてるでしょ。わざわざトムが日本刀イークイップして無双するシーン入ってるのも、観てるときは熱かったけど、冷静に後から考えると笑う場面に見えなくもないような。


・この映画微妙にゲーム脳な部分があって、何かというと実はFPS画面だけでなく、「米兵の個人装備上限がよく分からない」という点だったりする。ヘリが落ちて重装備の過半を喪失!してそうかと思ったら、割といつのまにかM2設置してたり火炎放射器取り出したり。お前らそれさっきまでどこにしまってたの・・・?(いや、画面よく見たらちゃんと運搬してるの見えたのかもしれませんが) 弾も意外と豊富そうなんだよな。個人的にはそういうの逆に好きなのだが。


・原住民の微妙なカーゴカルト感に萌え燃え。パイロットおっさんと日本兵サンが手作りした創作模型(違)にもかなり燃える。アレ見てるとワクワクしませんか。「これで出る直前に彼は殺された」うおおおおお、おっさん日本兵のぶんまで生きて帰ってくれ・・・!!ってなりませんか。


・米兵ズのなかでは、AK持ってたシェー・ウィガムの皮肉屋というか変な哲学屋ぽい所がすこ。わざわざAK持ってる理由を説明しに来るぞい。

クイーンチハヤ〜アイドル島の巨神〜

 はいそれではキングコング感想ここまでにして今週のアケマス情報です(何)。詳しくはとぅぎゃで。中野以外にどこか拠点はないか、と思ったらあるじゃないですか、秋葉原のHey。
 初回プレイはオーディション連勝で「けっこうイケるんじゃないか」とどこか慢心していたんですが、美事にそれを撃ち砕かれての連敗で死ぬ程焦りました。いやもうやめてくれよ、ルーキーズ13週目限定なのに13週目ピッタリにドタキャンしないで千早さん・・・いや俺が全て悪いんだけど・・・。微妙に千早スパイラルらしき状態になって死ぬかと思いましたが、なんとかチマチマと勝利を再回収してなんとかE→Dランクに命を繋げました。ランクアップリミット残2〜1週ぐらいの超ギリギリで。うわー心臓に悪ぃよこのアーケードゲーム・・・。
 あと勝利するとき、結局また偶然発生するジェノサイド戦法に頼ってしまったんですが、よりによって「その日の有効がボーカルで、千早さんはボーカルが凄いアイドルで、それなのにボーカル虐殺で勝ってしまった」というのを2回ぐらいやってしまい、自分が本当に情けなくなりました・・・そのあと普通に不殺勝利できたのでちょっと気分も持ち直しましたが、マジで千早さんに申し訳ないことをしてしまっていますね。うーん。クラヴィス君はもっと罪の意識を持った方が良いと思うな(錯乱)。
 そういやオーディション後のライブ映像、あーTV中継ってことなんですかアレ、アレで今まで千早さんやたらズッコケまくったり歌詞飛ばしたりしていたたまれなかったんですが、Dランクになったら急にそういうミスが激減し、最後までキッチリ歌ってくれたのでちょっと感じ入ってしまいました。アレなんスか。偶然判定なのか成長判定なのか。ときどきサイコフレームみたいに発光するのもやってくれて嬉しかったです。

2017年、少しアケマスやってみました

時代遅れには慣れておる

 今日は『哭声/コクソン』観て國村隼の怪演にビビったり(ってかこの映画役者さん全員メチャクチャ上手いっすね)、少し時を遡るとサバイバルファミリーと(偶然のぶながさんと一緒になった)『ドラゴン×マッハ!(SPL2/殺破狼2)』が地獄のような傑作だったり、アサシンクリードが完璧に俺向き映画だったり色々あったんですが、


 ちょっと今回は気分的に映画の感想ではなくアーケードのアイドルマスターの話をします。


 これはあなたのパソコン画面やタブレット画面の故障ではありません。デレマスやデレステ、ミリマスやMマスの話でもありません。初代アイマス、それも初代の初代ことアケマスです。アーケードです。
 なぜ??? いま2017年だよ??? アケマス可動10周年で、しかもお前アイマスコンテンツほとんど触ってないだろ(アニメのシンデレラガールズを観ただけです)? ordinaly346に影響されたにしても初代アケ??? 皆さんそう思われるでしょう。しかしワタクシは3/19、徹夜明けの中野ブロードウェイアイマス筐体に出会った、それ以上以外の理由がいるのでしょうか。いや実際は暇つぶし&興味本位で始めただけなんですが・・・。詳細はツイッターというかとぅぎゃの方をご覧ください。
 まっっっっっっったくの余談ですが、俺は「大昔のコンテンツに今更触れたがる」という謎のクセがありまして、例えばlainのアニメを初めて観たのはゼロ年代末期になってから(小学生のころホビージャパンでチラっと記事になってた、って記憶を急に思い出してDVD買った)ですし、ウテナを観たのもテン年代に入ってからです。社会人になって初めて観たアニメなんかアレだぜ、アレクサンダー戦記だぜ俺(謎のミサワ顔)。


 ツイッターでもダラダラアレコレつぶやいているので、当ブログではプレイ後の感想や感情(?)をメモ的に書くだけとします。まずは前提から。


・俺は本当に、ゲームとしてのアイマスに本格的に触れるのはこれが初めてです。ゼロ年代黎明期の老害ニコ厨として最低限の二次創作的知識は持っていますが、アイドル達の本質については一切の知識がありません。「72cm」とか「MtGに於いてはタルモゴイフというカードが強く、またブラックロータスというのが禁断」とか「格ゲー界にはウメハラエアガイツ仮面というスゴイ人がいる」とかそういうレベルです。

765プロのアイドル達の顔と名前はギリギリ分かりますが、誰をどう選べばいいのか分かりません。ふつうゲームのキャラはまず胸囲で選ぶんですが、アイドルはそういうんじゃない気がするため、あずささんや律っちゃんを選べばいい、という感じでもなかったです。とりあえず千早さんを選んでみました。難しいキャラだとか千早スパイラルとかいう話は聞いていましたが、どうせ試しにプレイするだけなので、かえって高難易度キャラの方が過酷な戦場の空気感が分かる気がしたのでこのチョイスです。あと声優さんがシュタゲの助手などで聞き慣れていて親しみがあったというのも、無意識レベルではあったと思います。言われてみると助手はやや貧乳だけど俺けっこう好きなんだよな、前述した胸囲選定基準の例外キャラとして何か縁があるのかもしれません。

・かつてのアケマスはオンライン対戦?のような機能が付いており、猛者P達がまるでメキシコの麻薬戦争、あるいはヤーナムでフレンズではない獣や互いを狩り殺すかの如く熾烈な戦いを繰り広げていたと聞き及んでいます(←ここ雑知識)。しかし現在のアーケードはオンライン機能が終了したとあり、恐らくは往年ほどの難易度を発揮していないものと認識しています。過去の栄光に触れる事の出来ない、喪失感を抱えての、まがい物的なアケPがここに誕生することとなりました。


以下、前提を踏まえた上でプレイしての感想です。


・無理。絶対無理。ゲーム内容の難易度が高すぎる。

・とりあえず初回3週+5コイン6週で9週(かぞえ週的なカウントなんスかね、ゲーム内だと千早さんが「10週ですね」って言ってた気がする)やりました。過酷過ぎます。俺リズムゲー苦手なんだよ!!!!!

アイマスシリーズで初のリズムゲーはデレステである、という(恐らくは誤った雑)知識を持っていたため、自己責任・自分ミスに於いて奇襲を受ける格好となっています。

・オーディションの適切なボタン押し方が分かりません。アレどっか「このタイミングで押すべし」みたいな表示あるんでしょうか。それどころじゃなくって確認する暇がありませんでした。あと思い出ボム使うと確実にbadを引き当てる程度のスタンド能力使いなので辛いです。

・オーディションは3回やって3回とも受かりましたので、心のどこかで自分の顔がドヤァとしたミサワ顔になっています。ですがこれは序盤プレイとビギナーズラックが重なった偶然に過ぎず、今のままだと今後確実に千早スパイラるんだろうなっていう嫌な予感がします。現在のテンション?上の♡マーク的なヤツ?は黄色〜オレンジを維持できていますが、どうせこれすぐ落ちるんだと思います。

・そもそもこの3回の勝利、必ず審査員が1人〜2人帰っており、いわば偶発的焦土作戦によって相手を潰して生き延びているだけです。これはどうやら専門用語でジェノサイド戦法というそうです。虐殺の文法です。アニメ劇場版と同じぐらい悪いことを私はしています。キルヒアイスの顔が脳裏をよぎって辛いです。違う、俺は悪くない、オーベルシュタインが悪いんだ。マイッツァー・ロナから人類の9/10も抹殺しろと命じられればこうもなろう!

・千早さんは気むずかしい娘だ、と聞いていましたが、コミュニケーションしているとあまりそういう感じはしませんでした。いえ、朝のアイサツとかは辛いんですが、基本的には歌うこと、前に進むことに対して攻撃的な(千早さんに八つ当たれという意味ではなく、歌の頂点に向かってオフェンシブな、という意味)回答をすれば大体イケる気がしています。とはいえ序盤プレイなので、今後爆死する可能性は大ですね・・・。

・そういえばオーディション後の、なんか歌ってる映像はなんでしょうか。スキップできないんですか。え、あれテレビ放送っていうことなの。千早さんが何度もアクシデントするのが辛い。もちろんそれは俺の責任なんですが、アレ操作一切できないんですよね。いや操作する必要もないほどのレベルまでアイドルを育てろということなのでしょうし、だから俺の責任だという話ではあるんでしょうけど。

・今回分かったことは、俺はゲームとしてのアイドルマスターというコンテンツの、最大のキモが感覚として分かっていなかったことです。それは自分の担当アイドルの成否に責任を持つという構造。自分のせいで他人が、ポテンシャルのある他人が輝かないという恐怖はちょっとスゴイ。帰ってから千早さんの歌をいくつか聴いてみたんですが、この歌声をダメにしてしまうかもしれんのか、と思うとなかなかキツいものがあります。

・俺もともとゲーム下手な方なんですが、一応これでも生身でタイタンに飛びかかってバッテリー抜いたり味方タイタン(ローニン一択。ローニン以外あり得ない)召喚して相手を処刑したりとか、くそったれのヤーナムを何度も何度も死にながら彷徨いついにゴースJr.を討ち取ったり(※一週目しかやってませんが)とか、重力嵐を呼ぶネヴィだかアンジェだか光るねーちゃんだかをキックでブチのめしたりとかぐらいはできてきました(昔はよく潜入任務もやった。これが過去形なのが悲しいな)。ANUBISもノーマルジェフティでなんとかEXTREAMクリアしたことあります(ダメージドは勘弁)。でもここまでやってきたゲーム、全部死ぬのは自分なんですよね。世界の命運とか街の命運とか掛かってますが、それは背景であって「最前線の状況」ではない。ギレンの野望なんかアレぞ、自分独裁者なんだからトリアーエズパイロットの人命なんか知るかよ。ゲームというのは基本的に、自分の技量と自分の責任に於いて自分が殺し自分が死ぬ、それが基本です。アケマスは基本じゃない。いや艦これも基本とは違いますし、船を沈めてしまったときは辛かったんですが、こっちはまだ沈めないことそれ自体の難易度は相当優しいです。
しかしアイマスは、それもアーケードは状況が違い過ぎる。テレビのCMで「ビームも撃てる、世界も救える」「成りたい自分になろう」的なこと言ってますが、「お前のせいでアイドルが成りたいアイドルになれないぞ」と圧してくるアーケードゲームは心底恐ろしいものがありますね・・・。

・ところで後先考えずに中野でプレイしてしまったんですが、東京都内〜横浜(許容値:川崎)内で残存している筐体ってほとんど無いんですね・・・。今後は資金的・時間的にどうやって継続プレイするかそれ自体が大きな課題になります。中野にはそこそこ低コストで行ける環境状態なんで、最悪それでゴリ押しすればいいんですが、でも俺横浜市内のどっかで筐体見かけた希ガス希土類なんだよなぁ・・・?(いや、大昔のアメリカングラフィティの記憶と混同しているかもしれない。アメグラは怒首領蜂オラタンも置いてある決戦拠点だったのだが、閉店してしまってな・・・)


以上、今後のアケマスプレイがそもそも続くのかどうかから分かりませんが、とりあえず現状メモということで。ツイッター内容をまとめたとぅぎゃはこちら(上のリンクと同じです)。