うあーー!
最後の最後でとんでもないもの読んでしまった気分だ。
「美女」 (連城三紀彦 / 集英社文庫ISBN:4087472132 収録の「喜劇女優」がそれ。
しかし、この連城マジック(あえてマジックと言っちゃう)はすさまじいものがあります。
アクロバチックすぎてなにがおきているんだか把握できないのが欠点か。
この作品だけでも読む価値あるんじゃないの?


元旦からBOOKOFFでは1,000円買うごとにブックカバーかトートバッグがもらえるという
キャンペーンを五日間にわたって行われますが
このブックカバーが意外といいもので、なんというかデザインが妙にお気に入りです。
2・3個もらっちゃおうかな。


CDデッキが戻ってきたのでちょっとうれしい年越しになりました。


数にはこだわらず今年のベスト作品を挙げていきたいと思いますね。

「ワイド版 風雲児たち 20巻」 (みなもと太郎 / リイド社 SPコミックス) ISBN:4845801876

一応最新刊を挙げてありますが
これはこの作品を再発売してくれたことに対して感謝の意がこもっています。
ワイド版はこの巻で完結になりましたが、
物語はまだまだ終わっていなくて「幕末編」に続いています。


なんといってもこの作品の魅力は
歴史というものが、ある事件にはその要因となるものがあって
それが連綿と連鎖し続けているということが実感できるということでしょう。
それが息つくひまもないテンポで繰り出されるギャグにも助けられ
いきいきと人物が描かれているおかげで、
実際の歴史にも興味を抱かせるきっかけにもなっていると思います。


潮出版社から出ていた時は本当に探すのに苦労していたので
メジャー出版社からの発売は本当にうれしかった。
店頭にはまだまだ残っているので今からでも、じっくり買っていけるはずですよ。

「ぴたテン 全8巻」 (コゲどんぼ / メディアワークス DengekiComics)

初期はドタバタコメディという側面を見せながら
中盤から後半にかけてはどんどんミステリアスな話になっていって
最後はビシっと締めてくれました。


漫画としてはまだまだなのかもしれませんが
物語として楽しめたというところに感動させられました。
http://d.hatena.ne.jp/G_CAR_STK/20030927#p3

「ブレイブ・ストーリー 上・下」 (宮部みゆき / 角川書店) ISBN:4048734431 ISBN:404873444X

読む前は圧倒される上下巻それぞれ650ページですが
読み始めればそんなこと考えているひまはありませんでした。
幻界の表現に不安を感じたのもつかのま、
あっという間に真っ直ぐなキ・キーマやしっかりとしたミーナという仲間に恵まれ、
ふらふらとしながらも進むワタルに声援を送りたくなりますね。


そして真っ当な大団円には感動したものです。
まさにRPGのエンディングを思わせるラストと言えると思います。
「ハルネラがおわっていく」
このセリフに正直さみしさを感じたものです。
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=113539&start=11&log=200304&maxcount=30#03-04-20

「黄色い目の魚」 (佐藤多佳子 / 新潮社) ISBN:4104190039

連作短編というものはやはり読みやすいのですが
主人公の二人がそれぞれへの好意を認識していくさまがなんとも微笑ましく、
そしてそれぞれの考え方や社会への見かたもが変わっていくのが
こちらのほうも心地よくなってきましたね。
そして本当にドラマチックなラストにもまた感動ですね。


あとはやっぱり連城ミステリを一作。

「白光」 (連城三紀彦 / 朝日新聞社) ISBN:4022577215

あれ? 発売は昨年だったのか…
連城ミステリは実際におきていることが単純なんですが
それを複数の視点から見せることによって複雑化してしまっています。


読むのにやや苦労させられますが
最後に明らかになる真相と結末には驚愕とさみしさを禁じえません。
なにか家族というものの意味を考えさせられます。


うーん、文庫についても少々書きたいのですが
なんかパッと浮かんでくる作品がないんですよね。
ここはなしにしとこうかな。


ゲームに関しては今年は不作だったかもしれません。
家庭用の作品を遊んだ本数がガクッと減ってしまっているのも
原因なのですが、それが理由の全てではないと思います。


今年最後の更新でした。
来年もよろしくお願いします。
よいお年をお迎え下さい。