「インディヴィジュアル・プロジェクション」 (阿部和重 / 新潮文庫) ISBN:4101377219
渋谷の映画館で映写技師をしているオヌマはスパイ養成塾に通っていたという過去がある。
ある日彼は昔の過去の仲間が交通事故死したという知らせを
やはり過去の仲間であるイノウエから知らされる。
様々な暴力事件に巻き込まれるうちに、彼は過去の亡霊と巡りあうことになる。
210ページ。
装丁でびっくりさせられる。
同じような装丁の作品だと赤坂真里氏の本を思い起こさせる。
変なノワール小説といった感じか。
内容は日記形式で進む、一人称視点のためか自己認識があいまいになっていくため
非常にたちどころがあやふやになっていくさまが分かりやすい。
やや、というかかなり主人公の考え方や行動にシンクロできなかったためか
あんまり楽しめなかったです。
ラストも唐突でちと微妙。
感想書くのが難しい作品かも。