「廃墟の歌声」 (ジェラルド・カーシュ 訳:西崎憲ほか / 晶文社) ISBN:4794927398

奇想、という言葉がぴったりの読んでいて楽しい短編集でした。
こちらの本よりも、第一短編集である「壜の中の手記」 ISBN:4794927320 の評判がいいですね。
読んでみたくなりました。
13編収録、285ページ。


正直中味はバラつきがあってコメントには悩みます。
抜粋して書いていきたいと思います。


なんといっても面白いのは中盤に4編収録されているカームジンシリーズ。
完全犯罪を計画し、実行することのできる天才的策略者であるカームジンの
完全じゃないその結末がなんともツメが甘くておかしいです。
銀行から預金を引き出す方法などのように
現在では全く使えないのが残念なところですが。


あとはちょっとレタバレになってしまうので
タイトルまでは明かせませんが、
最後がホラー風味に反転する話が面白かったです。


最終的に見直してみると、やはりややばらつきのある作品集で、
すごく楽しめる作品と全く楽しめない作品の落差が大きかったかなという印象。