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物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2018-08-03

【プロジェクト物語三昧】『マインドマップで語る物語の物語(1)』 LD著 夏コミ3日目-東館ト‐58b   戦後日本のエンターテイメントを貫く「男の子の主人公(アニムス君)」の魂の苦闘とその縁歴の物語

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https://www.monozann.com/doujinnshi/


戦後日本のエンターテイメントの歴史の幹の一つが「男の子の主人公(アニムス君)」の魂の苦闘とその縁歴の物語------------物語の物語であることを示す


■2018年8月12日-夏コミ3日目-東館ト‐58b

2018年の夏コミで販売します。LDさんがこだわりぬいて、まぎぃさんとのやりとりによって作られた前9章分の絵巻物風のイラストには、この日本の戦後エンターテイメントがたどってきた、大きなマクロ、メタ視点での物語(コンテンツ)の物語(コンテキスト)がカバーされており、これを見ると僕らがたどってきたコンテキスト、文脈が一気にたどれるようになってきます。今回は、全4冊(予定)の1冊目で、1章と2章を扱います。売れなかったら、もう刷らない可能性もあるので、ぜひともお買い求めください。この絵巻物のシリーズの絵は、それぞれがすごい絵的に意味を持っていてつながっているので、素晴らしいです。


■豪華すぎる寄稿文

寄稿文を載せてくださっているのは、『マブラヴ オルタネイティヴ』の吉宗綱紀さんに、『やる気なし英雄譚』や『司書と王女の世界大戦 アイリス王国再興記』の津田彷徨さんという豪華なラインナップ。というか、豪華すぎる(笑)。今回は、前書きとあとがきだけですが、ペトロニウスと海燕さんももちろん書いています。もちろんメインは、我らがLDさんです。凄まじい背景知識を縦横無尽に使いこなし、一本のマインドマップ(コンテキストで分類した系統図ですね)に収斂していく凄みをぜひとも堪能ください。


■「男の子の主人公(アニムス君)」の魂の苦闘とその縁歴の物語とは?

男の子の物語を竜退治というアーキタイプで考えた時に、、、、言い換えれば、何か凄い敵を倒して、それでお姫様と結婚するというのが、人類の物語の原型として置いたときに、、、、早くも第2章で、これは挫折します。これが、戦後のエンターテイメントを語る上では、たとえようもなく熱く面白いところだと僕は思っています。ようは、僕らが10年前くらいに建てたテーマの問いで「ラスボスはだれか?」というものがあったのですが、ラスボスが究極の悪だとすると、、、、言い換えれば、凄い悪であればあるほど、物語の強度は上がるので、ラスボスのインフレという現象が起きていくことを、特に少年ジャンプなので観察してきました。けれども、そこで行きつく絶対悪、、、、もっとも究極の悪は何か?と問われるとき、日本のエンターテイメントは、天使を出してくるんですね。もっとも典型的なのが『デビルマン』や『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』などですね。けど、なんで天使なの?、天使は何をいっているのか?というと、それは「天使の問い」=「あなた自身(主人公)が悪ではないのか?」「人類自身が悪なんだ!」という問いです。なので、これにうまく答えられないと、圧倒的な善である天使が人類をきれいさっぱり消し去ってしまいます。この究極の問いに、どう答えるか?というのが、戦後日本のエンターテイメントを貫く大きな幹のコンテクストの一つだった、というのが、我々のマインドマップのごく一部(笑)からわかります。日本のエンタメが凄すぎるのは、この問いに即座に、答えを出し切った作品が、直ぐに2つもあることです。それは、本を読んでくださいね(笑)。また、冨野由悠季さんのイデオンの皆殺しや庵野秀明さんの新世紀エヴァゲリオンの主人公が世界を救いたくないと駄々をこねる理由が、この背景文脈で比較して見ると、すべてつながってよく理解できます。ぜひともその先が知りたい人は、次の本も買ってください(笑)。僕ら手弁当でかつかつでやっているので、買ってくれないと続きが出ないです。ちなみに、下記の絵が、天使と戦わなければいけなくなった、男の子の主人公、ヒーローのイメージです。みんな、たくさん物語を経験している人は、このイメージ一発で分かる!でしょう?。ちなみに、宣伝で書いたのでわかりやすくしていますが、男の子の物語や天使の問いは、物語マインドマップ全体の、一部の一部にすぎません(笑)。凄まじいテーマが様々に見れると思います。

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■このプロジェクトはなぜはじまったか?

このプロジェクトがなぜはじまったか、何を意味していて、何がしたいのか、これは、僕があとがきで書いているので、ぜひとも本をお読みください。ただ、この次の週の8/18(土)に、2017年に引き続きLDさん、海燕さん、ペトロニウスの3名でオフ会をしますが、2017年のオフ会で講義されたLDさんのマインドマップがあまりに凄すぎて、これを本にして、形にしなければならない!と、それがプロデューサーとしての(いや違うから)おれの使命だ!と、ペトロニウスが天啓に打たれたのがはじまりです。ちなみに、ペトロニウスもLDも、海燕さんも、今回のコミケも売り子で参戦しますし、もちろんオフ会も講演します。ペトロニウスは、アメリカからわざわざ休暇とって駆けつけます(←アホですね)。


■関係者がみんな地理的にばらばらでも、なんでもやれるんだね!

ペトロニウスは、アメリカで、その他のメンバーも日本中に散らばっているので、ほとんどLINEやグーグルとかで仕事を進めたんですが、イヤーこんなことできるんですねぇ。驚きました。僕は、グローバルなアメリカ企業で働いているので、英語でこういうのは当たり前にやるんですが、なんというか、営利目的ではなく、遊びで、真剣に、日本語で、仲間たちとがっつり(金が稼げるわけでもなし、みんな手弁当)こんなことができるんだ!と、すげぇ新鮮な驚きに打たれました。ものすごく楽しかった!。って、まだ終わっていないけど。前回のオフ会から参加してくれたチャドさんや、これももっと前のオフ会から友達になった銀鷹さんが、凄い頑張ってくれました。敷居さん、冬の森さん、レスター伯爵、ハバネロP、まぎぃさん、何ちゅーか、凄い豪華なメンバーだよね。これに吉宗さんも、津田さんもいるわけだから。いやー趣味をこれだけ頑張れると、楽しいよねー。ちなみにすべての原稿が、2か月前に完成している!、4冊分の今後2年分の9章分もすべて講義録とpしてまとめ済み、というシゴトの凄まじい速さ。コミケとは思えない。こんなに安くできたのは、印刷がものすごい早くできているからなんです。ほんとはこんな値段は無理なんだけど。。。


■なぜマインドマップが必要か?、物語をより深く楽しむためには、何が必要か?

これ、オフ会の講義のネタにしようと思うのですが、物語を楽しむための技術、スキル、、、ベイシックスキルって何だろう?と最近思うのです。僕らは良く、クンフー(際限のない積み重ね)という言い方をします。これはちょっとマイ用語ジャーゴンでかつ詩的な?言い方なので(笑)、一言でいうと、量を消費しよう、ということです。圧倒的な量による積み重ねだけが、質的な向上を望める。でもこれって身も蓋もないんですよね、アドバイスとしては。僕らがたくさんの量を、飽きずにこなすことができるのは、なぜかというと、背景知識として、ここで語られているようなマインドマップ(系統図)のような構造を持っているので、その背景知識の「どこに位置づけられるだろうか?」「同じような類型の作品はないか?」「過去や現在に群としての共通性や際立った差異はないか?」という、メタ的な問いを常に発しながら作品を、純粋に楽しむだけではない、もう少しレイヤーの違う次元から観察しているからなんです。だから、自分としては、感情的には好きではないとか、心が動かない作品も、群としての観察対象として、分析しながら見るということができるんです。つまり飽きない。また、そうした構造の幹があるので、だらだら際限なく量をこなしていても、自然とそれが頭の中で構造化しているんです。毎週の物語三昧ラジオやブログをなぜ10年近くもやっているか、20年?近く漫研のチャットがなされているのは、最前線を少しづつ消費しながら、これらの背景構造と比較して、どう連関しているのか?をああでもないこうでもないと話しているからなんです。普段は、うーん、なんでこれ、『よりもい』って、日常系なのに遠くに物理的に行くんだろう?とか言っていると、、、、そうかエウレカ!と、日常系における絆というものが、時間も空間を移動しても、変化がないことを称揚する形になっているんじゃないか?ということは、空間が変化しない学園モノの『けいおん』とか、そういうのが質的に前に進んだんじゃないのか???ということが、思いつくんですね。おっと、そうすると、、、、とか、そういう風に、大きな系統図の中で、行き止まりになっていた作品のブレイクスルーが、とんでもないところとつながっているする。そして、僕は政治や経済、歴史が好きなんですが、そういうこととも、これが見事にリンクしていくんですね。これって、世界を感受するめちゃくちゃ楽しい方法じゃないか!!!と、楽しさが乗数的に拡大していくんですよ。そのためのスタート地点、もしくは、僕らが10年以上かけて積み上げてきたコンテンツ(物語)の連環であるコンテクスト(物語)の大きなマップ、ぜひとも参考にしてみてください、ということなんです。そうすれば、もっともっと物語が面白くなると思います。


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■Project Azukiarai Academia

ちなみに、今回は、思わず【プロジェクト物語三昧】としましたが(時間がなかった)、LDさん、海燕さん、ペトロニウスなどなど集団なので、どっかで、なんか名前変える予定です(笑)。我々みんなでやるには、新しいブランド名がいるなーと思っているので。まだ未定ですが。Project Azukiarai Academiaというのが多分最大候補ですが、まだなんも考えていません。ほんと、めちゃくちゃ素人の手作りなんで。とはいえ、楽しく遊ぼう!、とにかくやってみよう!なんでも行動しようという気持ちは大事なので、頑張ってみています。まぁ、このブログ界隈の人は、あずき洗いの話は知っていますよね(笑)。


■告知動画!

告知動画は、ハバネロPが素晴らしいものを作ってくれました!。

http://www.nicovideo.jp/tag/%E3%83%8F%E3%83%90%E3%83%8D%E3%83%ADP


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2018-07-27

物語三昧_2018年8月18日(土)オフ会やります。

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物語三昧_2018年8月オフイベント

2018/08/18(土)10:00 〜 18:00 定員40名

https://eventon.jp/14132/


おお、定員に到達していますね!。キャンセル待ちは、対応できるかどうか、キャパの関係があるので、なるべく早く検討しますねー。




【プログラム(予定)】

■海燕さん講義(1H)

・タイトル:ディオゲネスの返答 ダメ人間(おまえら)はいかに社会の規範からはみ出すか

・詳細:「人間失格」、「しあわせは子猫のかたち」、「アイの物語」、「僕は友達が少ない」、「万引き家族」、「架空の森」などについて語ります

■LDさん講義(?H)

■ペトロニウスさん講義(?H)

■物語三昧ラジオ(?H)



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2018-07-25

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(原題: Edge of Tomorrow)2014 ダグ・リーマン監督  日本で培われた死に戻りのループもの系列の脚本のハイリウッド化

オール・ユー・ニード・イズ・キル [Blu-ray]

客観評価:★★★★☆4つ半

(僕的主観:★★★★★5つ)


『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(原題: Edge of Tomorrow)ダグ・リーマン監督作品。桜坂洋による日本のライトノベル『All You Need Is Kill』のハリウッド映画化。評価は、ダントツの星5。素晴らしく面白かった。絶対に原作も読む!と思った。最初からいきなり引き込まれた。テンポの良さは見事。まだこの記事を書いている時点で原作を読んでいないのだが、映画化のコアの部分に特化したテンポの良さは、素晴らしかった。死に戻りによる、繰り返しによって、主人公が強くなっていたったり、チート的に先読みで困難を解決していくというループものの類型の、成長物語と英雄物語の典型的な視点で切り取ると、まさにこうなるという感じ。成長物語の観点で脚本を切り取れば、主人公が、テンポよくどんどん強くなっていく部分が、重要なカタルシスポイント。だとすると、まさに、「そこ」だけにフォーカスした作品で、細かい謎解きとか、そういう話のミステリー的な部分ではなく、僕としては、どんどん繰り返しで、主人公が困難を克服していく、そのスピードと疾走感にこの作品の見事さを求めたい。逆に言うと、疾走感とテンポがよすぎて、主人公のケイジ少佐(トムクルーズ)の内面がどのように変化しているか、というような部分が少なくとも僕には一回目では読み取れなかった。が、それは、正直どうでもいいように思えるほどのテンポの良さだった。


とはいえ、内面の心理がわかりにくいのは、逆に言うと、余りの面白かったので、そこを見たかった、という気にさせてしまう。後から考えるとね。というのは、ケイジ少佐というのは、若者のを前線に送るのに何の躊躇もない広告屋で、明らかな人間のくず的なダメな人間として登場してい来る。その最低ラインは、要は自分が前線に行かず逃げてばかりいる覚悟のなさからくるものなのだが、何度も何度も脱走しようとするところから、心底性根が腐っていることがわかる。けれども、もう逃げられず、何度も死んで、同じ時間を繰り返す中で、彼は屈強な戦士に変わっていく。けど、この落差の心理的な理由がないと、なぜ?という気になってしまう。こんなくずな男ならば、途中で心が折れてしまうほうが、普通じゃないかな、と。でも、「そこ」はテーマじゃないのでしょうね。


英雄、主人公をハリウッドがどうとらえているのか、と日本のサブカルチャーがどうとらえているのか、というのが興味深い。漫画の小畑健さん(デスノート)を使用しているところも、興味深い。ここで分析していると、記事を書かなくなってしまうのでやめますが、小説、映画、漫画、それに日米と、様々な差異で、「何が選ばれているか」と「何を重視して描いているか」を見ると、非常に比較として面白いです。ちなみに、ライトノベルと漫画は、とても丁寧に内面の変化が描かれているが、アメリカの映画は内面はほぼゼロ。けれども、それがゆえにハリウッド的にフィットとしているし、疾走感のある映画になっている。この差は、日米というだけではなく、媒体の違いで「何を選択すか」の潔さが、脚本に現れていて、とても興味深い。比べてみると、とても感興がわくので、おすすめです。主人公のケイジ少佐(トムクルーズ)は、もともと日本人のケイジという青年だった模様。名前に名残が残っている。このヘタレからヒーローになっていく様の成長ロマンは、とてもライトノベル的だな、と思う。トムクルーズというのが、微妙にあっていないようで、あっていていい感じがする。この辺の選択も、興味深い。そしてなによりも、ループものの基本的な脚本構造がしっかり骨格にあって、ああ、日本から出た物語だな、と感心する。この系統が、他のルートで世の中に出たことは、とてもうれしい。本当にコアのコアのみを、抽出してアクション映画にした感じ。世の中の評価はわからないが、素晴らしく個人的には面白かった。

ノラネコの呑んで観るシネマ

オール・ユー・ニード・イズ・キル・・・・・評価額1650円

http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-756.html

All You Need Is Kill 1-2巻 セット


この監督は、『フェア・ゲーム Fair Game 』を2010に公開している。先日見たばっかりで、いい映画を撮る監督は連続しているんだな、と感心。

フェア・ゲーム [Blu-ray]


ちなみに、ループもので、面白いのをいかに列挙しておきますので、ぜひともトライを。すべてがめちゃくちゃおもしろいです。


オール・ユー・ニード・イズ・吉良〜死に戻りの忠臣蔵〜



All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)


紫色のクオリア (電撃文庫)



Re:ゼロから始める異世界生活 1 (MF文庫J)



マブラヴ オルタネイティヴ(全年齢版)

2018-07-23

異なる国の歴史は面白い。プーチン大統領の視点は、とてもアメリカ中心の世界観の相対化に役に立つ。

ヨーロッパの闇 おいでませユーゴスラビア

http://poodays.com/?p=1058

ロシアンボンバ

プーチン大統領を主人公に、ロシアのニュースを面白おかしく漫画にしたサイトです。日曜から金曜まで毎日更新。


先日、偶然上記のロシアンボンバというサイトを見つけて、むさぼるように見ている。これ、おもしろいー。プーチンさんの視点で、ロシアからの視点で世界を眺めているのですが、これがめっぽう面白い。歴史書をたくさん読んでいると、というか歴史に限らないんですが、新しい視点を自分の中に入れていくと、世界の見方がアップデートされてとても面白いのですが、人間には癖というか偏りがどうしてもあるもんだと僕は思うのです。たとえば、僕は、日本人ですし、アメリカに住んでいるし、かつこの両国が特別に好きでよく歴史もニュースを見ているので、「アメリカもしくは日本」の視点で、世界w眺める癖がついているし、かつ情報もここを中心に取り入れることになります。僕は、日本人でかつどちらかというと保守的というか右寄りなので、なるべく左の情報を仕入れようとか、日本以外のどこかの国(この場合はアメリカになりましたね、僕は仕事で住むようになったので)の視点を一生懸命学ぼうと努力してきました。何かを学ぶときには、軸がいるので、特に理由はなく、僕は日本人で、かつルーツに会津があるので賊軍というか反薩長の視点で日本の歴史を眺めて、アイデンティティを持とうと決めました。高校生のころかなぁ?いや、正直なんでもいいと思うんですよ(笑)(ファンタジーでもどうでもいい)、でも軸がないと、人は膨大な相対化の情報の海に埋もれてしまうので、そういう「決めつけ」は重要だと僕は思っています。成熟先進国の中産階級では、常に、ナショナリティーや自分の軸が希薄になりやすいので、そういう「決めつけのアイディンティティ」は、何もない人ならば、悪くないと僕は思っています。「しかしながら」、同時に、そうであれば、その主軸の相対化作業は、常になされていないと健全ではないと思うんですよね。なので、日本人だ!!!と自分をアイデンティファイするならば、「共感をもって中国や韓国やアメリカ」など、周辺国の視点を誠実に知ろうとするするのが大事なのではないか、と僕は思っています。共感がないと、ただナショナリズムにあおられる、悲しいマインドセットになってしまうので、それはご注意を。まぁ僕がいつも言っていることですね。主軸はあるべきだが、それを常にアップデートするために相対的な視点を知ろうとする努力が重要だって。それでね、だいぶですね、アメリカや中国、韓国など東アジア、東南アジアは、行きなれているんで、わかってきたのですが、、、、そうすると、というか、アメリカに住んでいるからでしょうが、アメリカの視点だと、アジアよりもむしろ南米やヨーロッパなんですよね、重要な周辺国は。アメリカの歴史やアメリカ人の平均的な意識を知ろうとすればするほど、そういう視点がないと話にならなくなってきた。というようなことを感じる今日この頃なのですが、、、、


そんで、世界史を語る上では、ソ連とロシアは外せないんですよ。RT(Russian Television International.)を時々眺めているのですが、やっぱり基礎知識がないといまいちなんですよね。歴史的背景や、視点の偏りの物語などが、わかっていないと、眺めるだけになってしまう。けど、プーチンさんの視点は、強い反アメリカ、反西ヨーロッパの視点の一貫性があって、とても自分の視点を相対化してくれていいなーと思うのです。なので、この辺の情報はおすすめなのです。

https://www.rt.com/news/

ちなみに、北野幸伯さんの下記の本も、わかりやすかったー。何かを発信するときに自分を差別化とか特異性を持たせようとすると、これはいい方法だなと僕は思います。彼は、ロシアに留学してロシアに住んでいて、ロシアの視点の背景を、深くまで知っているので、そこから世界を眺めると、その際からいろいろなことがわかるので、面白い意見が発信できるのだろうと思います。

プーチン 最後の聖戦 ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは?

2018-07-20

米最高裁でのBrett Kavanaugh氏の指名が意味するところ

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トランプ大統領は、2018年7月9日に、連邦最高裁判事に、Brett Kavanaugh氏を指名した。米国の最高裁判事指名は、むしろ大統領が誰であるかよりも、この国の根本の市民生活を変える可能性があるので、かなり皆さん興味津々。特に、この数十年リベラル派の重要な判決が、覆っていないのですが、それが変わる可能性がある。たとえば、Roe v. Wade, 410 U.S. 113 (1973)/ロー対ウェイド事件、アメリカ合衆国憲法修正第14条で女性の堕胎の権利を認めていることを示した判例で、これによって女性の権利がかなり前に進んだ判決でした。こうした憲法の解釈が決まることなので、トランプ政権中の指名は、大注目なのです。カバノーさんが上院で承認されればリベラル派4人、保守派5人の構成になります。なので、ここ数十年で、最も保守派寄りになります。ちなみに、今回退任するアンソニー・ケネディ氏よりもはるかに高齢のリベラル派の筆頭であるルース・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)、現在83歳かな?は、次の大統領選挙で民主党が勝つことを期待して、なかなか退任できない状況に追い込まれています。ちなみに、トランプ大統領が大嫌いで「トランプ氏は詐欺師。一貫性は全くなく、思いついたことをそのまま口に出す。どうしようもないうぬぼれ屋だ。」CNNでいって、謝罪している人です(笑)。

民主党のKamala Harrisさんが上記のように主張するのは、このカバノー氏の指名が、リベラルが基礎としてきた様々な60−70年代の遺産が、これによってどんどんひっくり返る可能性が出てきたからです。特にここでは、Roe v. Wadeがまずやり玉にあがる可能性が高いことを、指摘しています。民主党としては、トランプ大統領、共和党の大統領を選ぶことは、女性の権利がはく奪される可能性があるのですよ、それでも女性は彼に投票しますか?(今回の場合は中間選挙ですが)ということが言いたいわけです。日本では、最高裁の影響力が市民生活の奥底までひっくり返ると感じる人は、あまりいないかもしれないのですが、アメリカの諸権利は、こうした憲法をめぐる戦いで一歩一歩獲得されてきているので、アメリカにおける市民運動は、ロー対ウェイド事件のような戦略目標を据えて行われることが多いように僕は思います。これこそが、人工的な国家における社会改良の手段。自分たちの手で運動で、法を通して社会を改良していく伝統は、さすがだなーとしみじみ思います。

2018-07-18

『明治維新とは何だったのか 世界史から考える』 半藤一利 出口治明著  一言でいうと半藤一利さんが幕末史で描いている反薩長史観

明治維新とは何だったのか 世界史から考える

客観評価:★★★★☆4つ半

(僕的主観:★★★★★5つ)

■異なる極と極を公平に見るとき世界は立体的に見える

この辺は予備知識もあるので、さらっとすぐ読める。どちらも大ファンかつ、歴史観が自分の見解と同じなので、読みやすかった。しかし充実の一冊。この二人の相性はとてもいいですね。どちらとも、薩長などのメインストリームの出身ではないし、ビジネスマンとして人生成功してからの転身?というか、なので、とても議論や視点が地に足がついている。あと、年上の(笑)半藤さんが、経済のこと世界史からの視点がよくわかっている出口さん委、尊敬を払っている姿勢が、とてもいい感じ。そしてそれは、そのまま、彼らの歴史評価の姿勢とつながるので、いやはやこの二人の対談は、読む価値ありです。


この本は、一言でいうと半藤一利さんが幕末史で描いている反薩長史観。ただこう言う言い方は、出口治明さんは、余りお気に召さないかも。僕も、そうした特定のイデオロギーのように言うのではなく、薩摩長州の暴力革命を否定的に見る視点は、既に歴史の事実認識からは、正しいと思います。


では、薩長土肥革命をどうとらえるか?という設問に、暴力革命で、単に徳川への恨みを晴らしたかっただけ、ときっぱり、いいきります。


これは多分に感情的というか反薩長的なイデオロギーに見えるでしょうが、日本の近代国家の基本路線をだれが設計したのかと考えると、グランドデザインを描き、徳川の鎖国体制を自ら終わらせた第一の功労者は、阿部正弘とお二人は考えます。彼の設定した、開国、富国、強兵のグランドデザインを、第二の功労者である大久保利通が現実化した。路線は定まっていたので、暴力革命を起こす必然性はなかったはず。日本近代国家の基本を描いた「五箇条のご誓文」も、そのほとんどは幕府の官吏によってベースが作成されており、あそこで暴力革命をする必要性はなかった。近代国家の路線は、ほとんど幕府がやっていることは、最近の歴史学の本では、明らかにされている。その感覚から、こうきっぱり言い切られると、とても納得感があった。この辺りは歴史の事実がどんどん明らかにされている部分なので、いろいろ読んでみてぜひ事実を確認してみてください。少なくとも、戦前の薩長史観、それに続く皇国史観において、かなりイデオロギー的な世界観の修正が多分になされており、このストーリーからすると、江戸幕府は暗黒の専制君主でなければならないので、正当に評価されてこなかったのは間違いないです。実際は、江川太郎左衛門など、様々な信じられなりくらい有能な近代化のテクノクラートが幕府側にいて、基盤を作り上げているのです。あまり難しい本はちょっと、と思う方は、みなもと太郎さんの『風雲児たち』をお勧めします。これを読むと、日本の近代化が、単純に革命(明治維新)でなしとげられたものではなく、長い長い積み上げがあって成し遂げられていることがよくわかります。イデオロギーによるゆがみを取り除くためにも、一度は極端に振って、薩長がすべて悪かった(笑)ぐらいに半藤さん的に考えてみるのは、とてもいい思考実験になると思います。


さらにもう一歩言えば、僕もLDさんという私の友人の問題意識が、ずっと残っているのですが、それは、これほど幕府側がほとんどの近代化の基盤を準備して、しかも阿部正弘がトップとして、強いリーダーシップで、幕府の鎖国を終わらせて、その先を見据えて政治を進めている「にもかかわらず」やはり、暴力革命は、必要であったのではないか?という視点です。私は、立場としては明らかに薩摩長州の暴力的なふるまいにはネガティヴですが、それでも「何かのきっかけ」がなければ、世界は本質的に変わらなかったのではないか、という視点は、まだ悩ましく考えるところです。保守主義的な立場から言うと、革命行為はほとんどなににも資さない最悪の行為ですが、しかし、何かの祝祭的なものがなければ、社会は変われないのではないか、という視点は、とても興味深いものがあります。これは、フランス革命が必要だったか否か、という視点につながる考え方なのだと思います。日本の明治維新、薩摩長州による暴力革命を、どう評価するかは、この視点が重要なので、今後も考えていきたいところです。ただ、歴史のイフはありませんが、もし、若くして過労死してしまった阿部正弘が生きていたら、というのはとても興味深いです。

風雲児たち 幕末編 30 (SPコミックス)

とはいえ、これだけこき下ろしているのに、巨大な人物だった大久保利通と西後隆盛の二人を、お二人は高く評価しています。薩摩藩というよりは、「この二人」が、人間として凄かった、という感じですね。ということは、軒並み長州の評価がすべてにわたって低いということになりますね。この二人の早すぎる死により、小物感漂う伊藤博文と山縣有朋が、「明治維新」などという神話を作り、自分の権力の正当化をした、と喝破します。明治維新というような神話は、大久保利通が暗殺されて、後ろ盾を失ってしまったので、特に大したこともしていない吉田松陰を大人物にして、正統性を確保しようとした。要は「明治維新」という神話の捏造ですね。権力の正当化には、前政権の問題点をあげつらい、自信の期限についての神話を捏造するのは、権力が行う基本です。


また大久保利通の死が早すぎた。それにより、山縣有朋が軍事国家の路線を進むことになる。当時本当に優秀な人間は、みな岩倉使節団に選ばれており、それに選ばれなかった山縣が、日本の国の国の創造を担ったのは皮肉。西南戦争においてはっきり効いていたシビリアンコントロールで、それによって大本営にいちいち連絡しなければいけないので苦労をした参謀長の山縣が、統帥権の独立(帷幄奏上権)などという、先進国でまともな国ではないものをつくってしまった。韓国併合時に、朝鮮総督府における軍事指揮権を、伊藤博文が獲得しており(この時、二人は天皇を巻き込んで大ゲンカしている)、この時にきちっとシビリアンコントロールを制度化すれば、日本はもう少しまともな国になれたはず。しかし、なあなで、伊藤と山縣の人間関係で沈めてしまったのは、とても残念。松下村塾門下生。。。。というか、お二人とも、吉田松陰と松下村塾門下生にかなりきつい。


などなど、日本の近代化を導いたと自信満々の薩摩や長州出身の人には、非常に痛い話ですが、こういった視点が、極論やイデオロギーに染まったものの相対化になり、立体的な歴史を考えるきっかけになれば、と思います。ちなみに、この後の日本の国家戦略は、山縣有朋の路線が大きな影響を及ぼしていくので、この視点をベースに、川田稔さんの議論につなげていくと、さらに連続性が見れて面白いと思います。僕は、川田さんがこの本で、いくつかの日本の指導者たちの国家戦略の路線の違いの戦いを描いているのですが、そこで、アメリカとの同盟を考えていた原敬と、アメリカと同盟を組むと奴隷になり下がって従属国になってしまうと恐れたその他の指導者たち、特に軍事的な独立性を強く意識した山縣有朋が、多極的な政治同盟の中で、アメリカとの対等性を確保しようとあがく姿は、今日につながる重要な認識だと思っているんです。僕が本を読む時の大きなテーマで、


アメリカと付き合うことはいいことなのか?、また地政学的に隣国なので逃げられないとしたらどう付き合っていけばいいのか?


という視点が常にあります。ちなみに、この大きな流れを描いているのは、下記3冊が僕はとても心に残った本で、おすすめします。まだまだ不勉強なので、これとは言えないですが、日本が置かれている、置かれていた環境の構造がこれらを読むとうっすら浮かび上がってきます。


戦前日本の安全保障 (講談社現代新書)

日本の「運命」について語ろう (幻冬舎文庫)

永続敗戦論 戦後日本の核心 (講談社+α文庫)


ちなみに、半藤一利さんの言葉。大日本帝国は、薩長が作り、薩長が滅ぼした。最終的に、大戦争を収めたのは、鈴木貫太郎、米内光正、井上成美など、賊軍出身の人々。薩長の連中が、軍国主義の下地を作り、日清、日露の大戦争を何とか勝ち、さらに勝手な神話つ捏造して、その後の日本をリードして、昭和の軍隊をあの無謀な戦争に導いた。


仁義なき幕末維新 われら賊軍の子孫 (文春文庫)


賊軍の昭和史


世界史としての日本史 (小学館新書)