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2008-03-28

カミナの価値は?

いま、いずみのさんと話していて、自分の中で出てきた話を抜粋。あとでまとめる。

1)カミナの価値は?


カミナは、イグニッション。ゼロから…無から有を作り出したこと、そのことに価値がある。


基本的に、僕は、限りなく彼にシンパシーを感じていて、彼の価値及び描きかたに全肯定を感じている。

たぶん、死後、成長がなかったこと、、、成長の機会がないことで、ある種のシンボルになってしまったカミナという存在に対して、否定的な意見はあるだろう?というか多いかもしれないが、それをぶっとばして、ほぼ僕は彼を全肯定しているのがわかった。

詳細は別途(笑)。

いずみのさんも、まぁその通りであろう、とのこと。



2)ヨーコが、キタンに惚れた理由

これは僕の意見というよりは、いずみのさんが気づいたこと。

ここで重要なポイントは、大グレン団の中でヨーコだけは「シンボル化したカミナ」を見ず、自分の愛した「等身大のカミナ」だけを見ていた。ヨーコの女性らしさが感じ取れる部分だ。

一方、カミナの死後も生き続けたキタンは、現実との妥協をしながら生き続け、革命政権の事実上のNo2として生き続けることを選んだ。

政治を嫌ったヨーコは、あっさり「等身大のカミナ」の遺言に従うようにして、「次世代の子供たちを育む」という生き方を選んだ。

が、、、それは、正しくもあり、ある意味逃げでもあるのではないか。

そしてヨーコは、もしカミナが生きていたら、あの人は自分の隣にいたのではないだろうか? と考えていたような気がする。つまりヨーコのイメージする「等身大のカミナ」なら、たぶん英雄であることを嫌って政治の世界から逃げていただろう、という想像もできるのだ。

そうすると、カミナが火をつけた「大グレン団という理想」を、最後まで現実の汚物にまみれながら、守り抜いて支え抜いたのは、実質キタンだったのではないか? カミナ同様、政治が必ずしも好きではなく、向いてもいないキタンだが、彼は事実として最後まで逃げない生き方をしていたのだ。

25話で、キタンがクローズアップされた時に、ヨーコがキタンに惚れたのは、「だから」だったのではないか?。

ちなみになぜ「惚れた」と言いきれるかというと、26話の多元可能世界で、ヨーコの心は自分の結婚シーンを作りだすのだが、その時の相手がキタンだから。

つまり、ヨーコの中で「故人であるカミナ」と「故人であるキタン」(どちらもすでに現実世界では結婚もできなくなった相手だ)を比較した場合は、漢(おとこ)として、キタンを上だ、と認識していたのではないだろうか?

もちろん、カミナは、若すぎる死によって、「成長する機会」や「進化する機会」を奪われたキャラクターであって、たらればでしかその漢(おとこ)の器を計れない、というのは仕方がない面もあるのだが、実際にヨーコの心を奪った、キタンの現実にまみれたカッコよさは、「たらればのカミナ」より上だったということなのでは?


3)ロシウ編が、尺不足だったため、ライブ感が失われた?


基本的に、第三部のロシウ編が、あきらかに尺が足りなく、ロシウのテーマを、消化不良にしすぎている。

僕が、24話に、かなりのライブ感を失っているのは、この第三部の消化不良部分が、かなり後を引いたからだ。

ロシウ話は、あまりに素晴らしいテーマであっただけに、尻切れトンボになってしまっている部分が、そうとう自分的には物足りなかったのが、いずみのさんと話していてよくわかった。これはかなりの、体感感覚を僕から奪ったと思う。

脚本家もここの部分はもっともっとテーマを膨らませて、丁寧に描きたかったはずだ。

というのは、ヨマコ先生のストーリーも、素晴らしいのだが、いきなりポツンとあるような感じがして、この大きな革命政権後の政権というテーマの大きな物語をうまく消化できていない気がするのだ。



4)24話の特攻についての演出について


基本的に、その後の25話や以前の話(ダヤッカとキヨウの別れのシーンとか)を全体的に振り返ると、この演出は十分納得的であったと思う。双子の兄弟が死ぬ時に笑っていることや、「好きでやっている」とちゃんと説明していること・・・・・この話の包括は、キタンのギミーとダリーへの返答に十分表れているので、この24話の演出ミスというのは、基本的になくなると思う。

ただし、ロシウ編での消化不良を相当抱えたままここにきているためにライブ感をかなり喪失していたことなどを考慮するうと、グレンラガンという全体的な熱量を持った作品でなかったら、ここまで丁寧には見ないで、「安易な特攻」と悪く解釈される可能性も十分あるので、このあたりの演出は、非常に危ういというか、難しいものであると思った。

僕にとって、「安易な特攻」という演出は、それまでの文脈や細かい演出を無視して、それそのものだけを見て脊髄反射で、「ダメなもの」と感じてしまう可能性が強いので、ここは、その僕ですら納得できる高みを見せてほしかった…というのは、少し贅沢な望みであったかもしれない。



などなど、メモ抜粋。このテーマは、別に時間があれば書きます。

GiGirGiGir 2008/03/29 09:12 ああ。もうこのまとめだけでいろいろ腑に落ちまくりです。私はカミナが生理的に受け付けなくて、何もそこまで嫌わなくてもなあと自分で思うくらいだったんですが、そうか、ヨーコが見たカミナと同じものを見てたんだ。そして等身大のカミナと偶像としてのカミナを橋渡しして具現化してしまったキタンはやはり鮮烈なほどに格好良いですね。イグニッション0としてのカミナの価値というのも言われてみればなるほどと納得します。

ロシウ編の不足は、ボディブローですよね。気にならない人は気にならないんでしょうけれども。記事楽しみにしています。

Gaius_PetroniusGaius_Petronius 2008/03/29 09:55 あー(笑)、GiGiさんを仮想敵に、挑発しまくったつもりなんですが、、、、、なーんか、最初から白旗を上げられると、すげー残念です(苦笑)。GiGiさんの意見をきlきたかったなー。ちなみに、このあたりの話、物凄いいずみのさんとしたので、「厚い」ので、うーんできれば、反論してほしかった(笑)。

GiGirGiGir 2008/03/29 12:54 後段はおそらく見解が一致しているので…第3部は聞きかじった話で非常に期待していただけに…ああ、このていなのかと。ロシウの「あの人の死から何もまなばなかったのか」というセリフがとても印象に残っていて…もっと掘り下げて欲しかったなぁと。

一つ反論を挙げるならば、カミナは成長の機会がなかったのではなくて、最初から成長の余地のないキャラクターとして描かれていて、それは最初から継承を目的に設計されているというのもあるんですが、魂の願望がないんですよね。地上に出て父親の死体を発見した時点でカミナの物語は終わってしまって、後の言葉はとても空虚に感じてしまう。

やはりキタンですね。キタンはカミナっいう人格を読み誤る事でカミナでは絶対に届かなかった世界に道を通してしまった。だからこそキタンの死は輝かしいんですね。うん、反論にならない(笑)

skerenmiskerenmi 2008/03/29 13:45 こちらへの書き込みは初めてですね。改めてよろしくお願いします。
カミナって喪失したまま閉ざされてしまったキャラに思うのですよね。周りに祭り上げられて、次の道を探せずに前へ進むしかなくなってしまった、そんな位置づけに思います。生きていたら新政府に残らなかっただろう、と僕も思います。多分、ヨーコと一緒に自分の道を探す旅にでも出ていたんじゃないかな? と。カミナってまさに「革命家」なんだと思います。
ヨーコに関しては、「故人のカミナ」「故人でないキタン」が並んでいるのではないでしょうか。カミナの方が、花火っぽくて散るのがわかりやすいですし。
「特攻」周りの話って「喪失」した大人たちが、自分の命を引き換えに世界を後代に託していくって事ではないのかと思うのです。カミナがつけた火が、最後に燃え尽きていって、それが残された人たちに飛び火していく。カミナ→シモンという継承のテーマ反復だったと思うのです。カミナを直接に知らない子供たちは、大人の行動をいまいち理解できないわけですし。どうでしょうか?

みたままよみたままよ 2008/03/30 09:58 カミナの価値は死んだこと。生きていたら理想を妥協しなければいけなくなってシモンにも格好悪い面を見せなければならなかった事が多くなっていただろう。早期に死んだことにより、助平ではあったけれども、格好いい漢として皆の中に残った。ヨーコがカミナ、キタンのどちらをより好きだったかといえばやっぱりカミナであろうと。確かにアナザーでキタンとの結婚式の場面はあったが、そのテレビを持っていたカミナの方が、現実のヨーコの意志に近かったんじゃないかな。

LDLD 2008/03/31 00:44 こんにちは。
第26話を観られたんですよね?ね?そこからちょっと違う角度のお話をしてみようと思います。
いや、僕はあそこでアンチスパイラルが仕掛けた「たられば宇宙」から脱出する下りに、もの凄く感動して、胸を熱くしたんですね。

> ちなみになぜ「惚れた」と言いきれるかというと、26話の多元可能世界で、
> ヨーコの心は自分の結婚シーンを作りだすのだが、その時の相手がキタンだから。

僕はあそこの宇宙は純粋に確率の世界だと思うんでキタンに惚れるヨーコも確率の一つに過ぎないと解釈しているんですが、今、ちょっと敢えてその話に乗りますと、それは、シモンが多元可能世界の宇宙で見ていたあの卑屈でいい加減なカミナは「シモンが知っているカミナ」って事になりますよね?つまり、シモンはカミナがああいう男だと知っていたと。

これは、僕が見ていたカミナの感覚とかなり近いです。カミナってのは基本的に「無謀」な男だと思っています。カッコつける、粋がる、我を通す、それに何かの「謀」を持っているわけじゃない。でも、カッコつけられないなら死んだ方がましだとさえ思っている。そんな男で、でも唯一の救いは穴ぐらの中で閉じこめられてしまった時に、自分がつくづくそういう男である事を思い知った事です。だから、自分の「カッコつけ」を通させてくれたシモンを信奉しているんですね。本来ならシモンをカミナが「兄貴!」と呼ばなければならないはずです…にもかかわらずシモンを上座に置かないのは「カッコつけられないなら死んだ方がまし」だから。だからシモンに甘える。カミナってのはそういう男だと思っています。

だから、もし、大グレン団がチミルフとの戦いに敗れてしまったら(もっと局所的に言うとカミナが土壇場でカッコつけられないよりも、死ぬのを恐れてしまったら)…多分、大グレン団は全滅で、カミナとシモンだけ妙な悪運の強さで生き残ってしまい、皮肉にもそれでもテッペリンまで二人は辿り着いて、そこの下層で、敗残したカミナは「まるでカッコをつけているかのような」振る舞いをしながら、卑屈にみっともなく生きて行く……その「たられば」の世界を僕はすごく納得して見ています。


でも、だからこそ、第26話の「たられば宇宙」からの脱出はそれを粉砕突破するから感動するんですね。


カミナが生きてい「たら」とかじゃないんですよ。それはアンチスパイラルの仕掛けた罠から抜け出せない話で。シモンの信じたカミナは「あのカミナ」しかいないんです。シモンの胸に生きているのは「あそこで死んだカミナ」なんです。決して「死んだはずのカミナが実は生きているという設定」でバーチャルにシモンの胸に生きているワケじゃないんです(んんん、ややこしい)
生き残っていても、英雄/指導者たる功績を残せたと、その裏付けが無ければ「本物」ではないと……そうじゃないw「本物」かどうかは問題じゃない。シモンの胸を叩きつづけるカミナの物語は「あのカミナの物語」(そのカミナはシモンが見たとおり、生き残ってしまったら「カッコつける抜け殻」になってしまったであろうカミナ。そして現実はそうならずカッコつけて死んだカミナだ)しかなく、それは唯一無二の物語だと、だからこそ俺(シモン)はここに居るんだと。その無二の物語への確信が「アンチスパイラルを倒す」という唯一の未来に対して大穴を穿つんです…と思っていますw

ちなみに僕はシモンもあやしいと思っています。彼も新政府の頂点で何かを成したわけではない。(ところでニアは凄い人)だから二人でようやく一人前なんでしょう。だからカミナは死んでからもシモンの胸を叩き続けた。ずっとずっと叩き続けた。そこには「生きていたら」とかない。これしかない。その二人でようやく一人前の物語を「俺たちの物語はこれしかない!」と強く謳うから、26話に本当に感動します。

井汲 景太井汲 景太 2008/03/31 04:07 > 「好きでやっている」とちゃんと説明している
そこは私はちょっと厳しく見ているかな。もちろんキタン(や、キタンに代弁させたジョー&バリなど)が「好きでやっている」のはそれでいいんですが、それは24話の時点で(特に言及されなくても)もともとわかっていること。で、25話のギミー&ダリーは、そう諭される「前」では、「シモン遠征」についてきた意義を自分でもわかっていなかった(「後」になって初めて、ギミー&ダリーも「好きでやっていること」という答を見つけることができた)。そこはやっぱり、「ちょっとなー」と思う部分です。

ただ25話でだいぶ持ち直したというのは間違いなくて、あのキタンは単なる「特攻バンザイ」ではないですよね。「螺旋族最強兵器の一つ」であるラガンもなしに、ただのガンメンだけで自らの螺旋力を絞り出してついにはギガドリルブレイクまでも発動させるに至ったのは、キタンに与えられた勲章だと思います。

先日私は「25話を多少削ってでも、24話の充実を…」と書きましたが、その逆もありだと思います。24話で伝えなきゃいけないことは、その大部分は25話で描けている。だとしたら24話で大勢殺したりせず、ほぼ直に25話でもいいんじゃない?ってのが私の感覚ですね。

んでは恒例のスタッフコメントを。まずは、カミナの退場について。カミナの価値について直接語っているわけではないですが、それを考える上での材料のひとつにはなると思います。

中島“僕ははじめ(カミナの死は)20話くらいかと思っていたし、自分の(カミナの)殺し方も見えていたので、提案をしてみたんですが「それは違う。8話で殺すんだ」と。それを受けてストーリー構成を組んでみたところ、「それはそうだ。8話で死なないと駄目だ」という結論に落ち着きました。確かに僕らが求めているドラマの終着点にたどり着くまでを考えると、8話でもたっぷり描きすぎな位ですね。「あしたのジョー」の原作全20巻で言うと、力石が死ぬのは8巻くらいじゃないですか?それと同じバランスなんですよね(笑)”“まあ彼は言うなれば坂本龍馬であり、芹沢鴨でもあったかな、と思うんですけどね”アニメージュ2007年10月号付録より

中島“(カミナの死を最終回間際まで引っ張ってしまうと:引用者補足)結局、カミナの話になってしまって、シモンの成長が描けないんです”オトナアニメ Vol.5 より

そして26話の脱出劇は、BGM ともあいまって、実に感動的です。個人的には、ここが全27話中の頂点。サブタイトルが、8話の「あばよ、ダチ公」を受けて「行くぜ、ダチ公」になってるのがまた!

今石“カミナは、一回死んだ以上、二度と出さないと誓っていたので。でも、中島さんはもう一度出すことにこだわっていたんです。(中略)で、中島さんが書いた脚本を読んだら……もう、見事でしたね(笑)。カミナが成長したシモンを見て『いつの間にか、背ぇ抜いちまったな』と言う。あのセリフ。あのセリフを読んだら、僕も『この脚本で行きましょう!』ってなりますよ(笑)。カミナを再登場させることは、シモンの成長を描くうえで、ある意味最後の締めなんですよね。彼がカミナを超えたということを、カミナ自身と対話させることによって、絵としても見せることができたと思います”オトナアニメ Vol.6 より

そして上川隆也のキャスティングについての裏話。

中島“アンチスパイラルの声をやった上川さんが、(26話の:引用者注)ヘタれてるカミナを見て、「これ、『さらば愛しきルパンよ』ですよね?」って言ったんですよ。つまり、『ルパン三世』第2シリーズの最終回で、偽ルパンが本物に名乗りを告げられたときに、崩れた顔になっていく。僕たちはそのイメージで書いたんですけど、それを一瞬で見抜くくらい上川さんもわかってるんですよ(笑)”“上川さんは『ローレライ』で樋口真嗣さんと海外ロケに行ったとき、そこで延々『トップをねらえ』の素晴らしさについて語っていたって聞きましたしね(笑)。ガイナックスの作品がお好きだって知ってたから、「アンチスパイラルの声を誰にするか」ってときに「上川隆也さんがいいと思うよ」って言ったんですよ。最初はガイナックスやアニプレックスの人たちも「それは無理でしょ!」って反応でしたけど「騙されたと思って、やってみてくださいよ!」と頼んだんです”“最初に僕と上川さんで話し合ったことは「『さよなら銀河鉄道999』の江守徹を抜こうね!」って(笑)”オトナアニメ Vol.6 より

いずみのいずみの 2008/03/31 10:41 やっぱり、GiGiさんがまるで理解していない(笑)。

Gaius_PetroniusGaius_Petronius 2008/03/31 20:57 あっ、ほんとだ!(苦笑)。GiGiさーん(涙)。・・・うまく伝わらないなー。

Gaius_PetroniusGaius_Petronius 2008/03/31 21:59 LDさん、、、、そのコメントなみだです。。。。今度記事を書きます。なんか、泣けます。いやまじで。。。二人で一つなんだ、、、というのは、本当に同感です。

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