2016年がはじまりました。

SpaceX’s Vertically Landed Rocket In Shape to Fly Again
January 2, 2016 // 04:00 PM EST

2016年は、世界的な原油安の構造が続きそうです。ちきりんさんの年末のお薦めで、『フェルドマン博士の 日本経済最新講義』読みました。

2015-12-26 この一冊 2015年から2016年へ
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20151226

フェルドマンさんが、書いてあるように、原油安は、日本にとって、かなりたくさんの日本の輸出型の企業にとって、短期的にはプラスです。でもこれに安心して慢心して、構造転換が遅れるという意味では長期的にマイナスです。そういう意味では、短期と長期を常に見据えないといえないな、という自戒を込めて、思うところがありました。僕の人生訓というか、自分で常に意識している人生の戦略の一つに、余裕がある時ほど、へとへとになってボロボロになるまで走れ!です。余裕がなくなったときは、環境の制限によって、やることは決められてしまいます。なので、余裕がある時ほど、フリーハンドの戦略自由度を手に入れられるように頑張る、というものです。これは、企業経営でも、自分の趣味でもすべて同じです。そして、こういう逆張りが、人間はなかなかできないというのもまた事実です。

フェルドマン博士の 日本経済最新講義


さて、もっと大きな視点でものを見てみましょう。僕の興味としては、現実というよりも、物語的というか、人類という超長期の視点で、常に宇宙開発が気になっています。SFが少し好きなのと、大きな視点って、エネルギー供給がポイントなので、宇宙開発のブレイクスルーによって、世界の在り方が一気に変わってしまうと思うからです。


フェルドマン博士は、この本の冒頭で、経済学の本質を以下のようにあらわしています。

経済学とは何かと訊ねられれば、「希少資源の最適な利用の学問」と答えます。


さらにその目的は「希少性からくる争いを減らし、世界を平和にすること」と言えるでしょう。


国や人間が争ってきた歴史を振り返り、世界の現状を見れば、争いが希少な物や足りない物が原点になっている場合が多いことが分かります。


水や石油、食べ物や環境など、希少資源や希少商品をどうやって公正配分し、どうやって希少性を解消するか、それを考えるのが経済学です。

いいかえれば、人類の営みというのは、資源の希少性によって、その姿を変えるのです。僕はエネルギーが豊富な時代と、エネルギーが不足する時代で、物事の価値観が逆転すると思っていますし、世界のシステム、制度は、エネルギー供給の豊富さによって変わると思っています。そういう意味で、現代社会というのは、基本的にエネルギーが不足することが意識されるパラダイムだと思われます。宇宙船地球号ですし、ローマクラブの成長の限界ですね。常に、供給に対して制限、有限性があるからです。石油の話ですね。なので、石油の供給制限に対するゲームの前提が、世界の中長期の在り方を支配すると思っています。ということで、2013-2014年ぐらいまで石油の高価格が続いていたため、代替開発の一環としてシェールガスの開発、普及が進んでしまい、ゲームの中期の前提がひっくり返ったんですね。でも、これは常にひっくり返される可能性があります。資源国と非資源国のゲームのルール書き換え合戦なので。とはいえ、ここ数年は、まだ原油安が続くので、日本やアメリカ、欧州などの先進国とっては、一息つけるタームです。


そういう意味で、宇宙開発のブレイクスルーは、この石油をめぐる資源の希少性にかかわるゲームそのものの意味を失わせるほどの大きなものです。風力や原子力などの代替エネルギーは、かなり有望でこれからも進みますが、開発のスピードやエネルギーの潜在性からいって、現在のゲームルールにインヴォルブする形で以上は進まないと思います。ということは、たぶん、本当は、火力発電、石炭の有効利用やエネルギーロスをなくす方法の開発のほうが、はるかに実は有用だと僕は思います。しかし、そういった遅々とした歩みを、一気にゲームの構造ごと根こそぎ変えてしまう可能性が、宇宙開発にはあります。ちなみに、海底、海洋開発にもあると思うのですが、こっちの方は、宇宙開発よりも技術的ハードルが高い気がします。


ということで、SpaceXのFalcon 9が安全に戻り、その安全性、再利用が確認された話は、おおっと思いました。まぁ、ぼくもなんちゃってウォチャーなので、おお、と思っただけですが(笑)。


でも、わかると思いますが、ナルシシズムの檻に閉じ込められて、都市社会の「何者でもない自分」におびえて生きる我々は、構造的にこのシステムの奴隷であることから抜け出ることができません。現実に流動性を意識して、最底辺から最上階まで想定しても、帝国化した超グローバル企業での官僚的テクノクラートになるのが、最上級の生き方であり、最底辺の最高の自由を手に入れられる永遠の日常を自然と共に生きる生き方は、それはマネーや最先端医療から遠く生きるかなり過酷な人生です。両方に行き来できるためには、凄まじい教育と上昇志向、絶えざる競争にマーケットを意識した生き方が要求されます。まぁ、戦えるのならば、市場を意識した生き方で、絶えざる変化に抗して、それを喜びにしていく生き方がベストだとは思います。

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とはいえ、エネルギーの供給に制限があるような現在の石油資源のゲームのシステムで生きる限り、大幅なブレイクスルーで流動性がひっくり返るような、フロンティアやゴールドラッシュはもう訪れません。中規模のものは、がんがん起きるところが、このグローバリズム資本主義の時代の、凄いところですが・・・・。昔はゲームを白紙に戻すために、蕩尽的に、大戦争が起こり既得権益を破壊しつくしたりしました。日本やドイツのように、完膚なまでに破壊された国の方が、経済成長が激しかったことからも、流動性が停滞すると人々は白紙に戻すことを望むものですが、核戦争が現実的になった現代では、そのような大戦争は許容されないし、たぶん起きにくいでしょう。


大変化がもし起きるとしたら、宇宙開発によるエネルギー供給のゲームがひっくり返る時です。とか、僕は夢想しています。ほんとか、どうかは知りません(笑)。


物語としては、ガンダムサーガでもファイトクラブでも村上春樹でもフィッツジェラルド、なんでもいいのですが、この抜け出ることができないシステム奴隷の感覚からの解放を希求する時、その解放には、ゲームそのもの(=システム)からの脱出が要求されています。できない場合は、僕がいつも言う、デジタル新中世的な、内面に沈殿していくような、世界になっていくと思われます。永遠の日常を生きるすべというのは、内面に豊穣な森を見出す生き方だからです。80-90年代の日本のサブカルチャーの物語類型が、その閉塞感から、パラレルワールドの中に閉じ込められて、そこからの脱出を目指す物語になったことも、構造が変わらなければ、そうなるしか方法がないからだと思います。


さて、宇宙開発は、僕が生きているうちにどうなることでしょうか。ちなみに、オキュラスソフトなどインターネットの世界に埋没していくような方向性は、資源の希少性に囚われない、、、デジタルデータは、唯一共産主義が成立するような、フリーライドを許容するものなので、こちらの方向は新デジタル中世を進めて行く技術ですね。


あと気になっているのは、メルケルさんとドイツの今後です。


これは、明らかに現代の先進国の中産階級市民感情と逆のことを目指しています。アメリカでも、トランプさんが根強く人気を維持するのも、世界は構造的に難民と移民を拒否する、セキュリティー(安全保障)側にシフトしていく傾向があります。それに対して、理念的に、真っ向から本気で戦っているメルケルさんはどこに行くのか、それを受けて、ドイツはどこに行くのか。それはまさに、EUがどこに行くのか、の方向性であり、国境を低くしていくことを理念とした欧州統合の超国家原理が、試されていることでアあるからです。それはすなわち人類の未来の試金石。


とかとか、年初に考えました。


あっと、今年の目標としては、ゲームオブスローンを、最新作まで追うことです。最近のアメリカは、不思議なことに、テレビこそが熱くて、ドラマの方が素晴らしいものが多いような気がします。しかしながら、それって、日本では、たぶん好まれる物語類型の方が違うことや、文脈がアメリカ的であって理解しにくかったりして、あまり見られていません。僕のブログの理念は、なるべく境界を超える、ジャンルを超えて、いろいろなものを見て、それをつなげて考えることなので、このあたりは、頑張ってみないとなと思う今日この頃なのです。

というか、アメリカ人の友人や部下と話して、若い人ほど、この作品への熱狂的なといえるほど、見ていて当たり前!感覚が強くて。これは見ておかないとなーと。


まぁ、抱負はいろいろありますが、まずはこれですかねー。あとは、一月に一本は、最低映画を見ようと思います。忙しすぎて、全然見れていなかったのです。仮に記事をかけなくても。

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