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物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-09-12

皇帝ディオクレティアヌス〜間違ったものを目指してしまったかもしれないが、ではどうすればよかったんだろう?

ローマ人の物語〈35〉最後の努力〈上〉 (新潮文庫)

いま中巻まで読み終わる。田舎の貧農出身に生まれた青年が軍のたたき上げから、皇帝に成り上がり、自分と同じ境遇の仲間と300年にわたるローマ帝国の荒廃を食い止めた男。ディオクレティアヌス。彼は何を見ていたんだろう。なんの贅沢もない最前線でずっと戦い続け、、、ローマの男の最も高貴にして姿勢の義務である「国家の安全保障」を20年にわたり完遂した男。


自分が生まれた時から蛮族にほしいままに村が町が殺戮されるを見続けた青年は、軍隊を志し、、、そして何十年ものキャリアが彼を軍事のプロとして皇帝という役職まで到達した。彼が四頭政で目指したものによって、少なくとも彼の在位中の20年間劇的な安全を帝国にもたらした。


けど、中巻の最初に塩野七生さんが書いているが、何かを為すためには、「その本質」につながっていないと、どれほど偉大で優秀で頑張ってもだめなんだ・・・・・「ローマン・エンパイア」の本質を失っては、それは継続しないんだ・・・。


彼の晩年、、、コンスタンティヌス帝がキリスト教を公認して、世界を変えていく姿を見て、、、彼はどう思ったのだろう。妻も娘も殺された報告受けて・・・・。

2009-09-05

2008-12-17

『ローマ人の物語』 33巻 迷走する帝国 なぜあの偉大なローマが滅びたのだろうか?

ローマ人の物語 (33) (新潮文庫 (し-12-83))

この後半の部分を、まわりはあまり好きになれないという人が多い。たしかに、カエサルまでのあの血沸き肉踊るダイナミックな物語と、五賢帝までの静謐ながらも楽天的な意思に満ちた帝国の拡大期にはない、滅びの、斜陽の匂いが満ちてくる。あらゆることは後手に回り、ゆるやかにあの偉大だった帝国が滅亡していく様を見るのは、あまり気持ちが良くないことなのかもしれない。

正直、僕も物語として楽しむという意味では、少し意欲が失せているかもしれない。けれども、同時に、この時代が、のちの中世ヨーロッパとをつなぐ「接続」部分なわけで、この次の巻ではついにキリスト教が全面に登場してくることになる。そういう意味では、知的好奇心はとてもくすぐるものです。

いや、、、逆にここがもっとも面白いところなのかもしれない?。それは、中世やその後の、終末論に彩られたヨーロッパ中世の世界の物語や宗教を見ていると、わかる。過去何百年も前に、自分たちよりはるかに優れて偉大な文明があった・・・という事実が、どういった感覚ののちの人の時間感覚に与えたか、というのは想像すると興味深い。何を言っているかというと、つまり、「進歩」を信じられなくなるはずなんですよ。なのに、最終的に、ヨーロッパは極限の進歩を示す予定説のプレディスティネイションの時間感覚を持つにいたります・・・17世紀以前の中世には、その片鱗すら感じないのに・・・その謎を解くキーが、ここにあるのかもしれない。

ちなみに、最近の具体例だと、この終末的な世界のイメージは、『ヴィンランドサガ』のアシェラッドとトルケルのラグナロク(北欧神話の世界の終りの日のこと)の感覚のことが念頭にある。



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幸村 誠

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