次の総理大臣になる(らしい)菅直人ってどんな人

新聞各紙を見る限り、次の総理大臣は菅直人に決まったそうです。政治部記者という名のチンピラさんたちが集めた情報を元に作った記事なので確実なのでしょう。ただ、対抗馬とされる「樽床」というお名前は初耳でした。結果は素人でもわかる話でありました。ガチンコなどと言っていたのは池田信夫氏くらいです。


では、総理大臣になる菅直人という人はどういう人なのでしょうか。ちょっと調べてみました。



生まれ
生まれは、山口県宇部市で63歳だそうです。日本国憲法下で就任した総理大臣の平均年齢は61歳なのでほぼ平均といって良いでしょう。宇部市は瀬戸内海側の市で人口は17万人ほど。宇部市は江戸時代は長州藩でした。自称菅原道真の末裔らしいですが、証拠などがあるわけではないようです。
父親は菅寿雄、宇部曹達工業(現在のセントラル硝子)の工場長などの要職についていた人だそうで、比較的恵まれた環境で育ったようですが、世襲ではありません。
宇部市で育ち、山口県宇部高等学校に入学し、父の転勤に伴ない東京都立小山台高等学校編入学したそうです。大学は東京工業大学理学部応用物理学科を卒業。二代続けて理系の総理ということになります。弁理士資格も保有していますので、最低限の法律的思考ができる方なんだろうと思います。


市川房枝
政界に入るきっかけは市川房枝選挙参謀をしたことだそうです。市川房枝は戦前戦後に活躍したの婦人運動家です。一般には女性の権利拡大を推進した人という評価ですが、大政翼賛会に関係し公職追放になったり、右翼の田中清玄や山口組の田岡一雄などと共に活動するなど、清濁併せ呑む古いタイプの人だったようです。


3回の落選
菅直人は選挙に弱く、なかなか国会議員になれませんでした。最初に選挙に出たのは1976年の衆院選で、落選しています。その後、江田三郎江田五月の父親)の目にとまり、社会市民連合(後の社会民主連合)に所属し、1977年の参議選と1979年の衆院選に出馬するも共に落選しています。選挙で3回落選した経験を持つ人が総理大臣になるのははじめてです。(村山富市大分市議選と衆議院選挙でそれぞれ1回落選しています。)


テレビ大好き
初当選は1980年、以後10期連続で当選しています。現在の選挙区は東京都第18区です。社民連の幹部として活動し、細川政権の崩壊後は新党さきがけの幹部となります。政界で菅直人が有名になったのはころころでしょうか。世間一般に菅直人が有名になったのは、1996年に橋本内閣で厚生大臣になってからでしょう。薬害エイズ問題の解決ではテレビの前で関係者に土下座をして謝罪したことがメディアに大きく取り上げられました。また、O-157事件の際には、テレビの前でかいわれ大根を食べていました。テレビを意識した政治家で、テレビに大きくしてもらった政治家といえるでしょう。


野党時代の成果なし
その後、いろいろありましたが、野党時代には特筆すべき成果はありません。旧民主党の共同代表(3期目は単独で代表)、現在の民主党でも2回代表を務めています。二回目の代表の時は、年金未納問題を追求していたところ自分にも未納期間があることがわかって辞任しました。真相は役人のミスで、気の毒な話だったようですが、当時はだれも信じてくれませんでした。


お遍路さんに活路を
代表を辞任してからは、頭を丸めてお遍路を歩いていました。池田勇人の例に習ったのかもしれません。弘法大使には会えたのでしょうか。お遍路さんの後、岡田克也の後継代表に立候補するも前原誠司に敗北しました。このときは2票差でした。でも、負けて良かったのではないかと思います。相手は小泉純一郎、何をやっても負けていたでしょう。
偽メール問題によって前原誠司が辞任した後の代表選挙にも立候補していますが、小沢一郎に44票差で負けています。この人は本当に選挙に弱い人です。人望がない、面倒見が悪い、などという人もいるようです。参議院選挙を菅直人に任せて大丈夫なのでしょうか。


政策のない人
菅直人の政策ですが、キャッチコピーは「最小不幸社会」の実現だそうです。これでは何をやるつもりなのか一切わかりません。たぶん、その時に良いと思えば何でもやるのでしょう。極めて予測可能性が低い人です。
普通なら総理大臣になる前に一通りの政策をまとめた本を出版するのが常ですが、それさえもありません。アマゾンで検索してもほとんど絶版で、買えるのは「大臣」という岩波新書くらいです。もっとも新しい本としては、五百旗頭真伊藤元重薬師寺克行が共同編集した「菅直人 市民運動から政治闘争へ 90年代の証言」という回顧録のような本がありますが、政策はよく分かりません。
菅直人は、一見すると新しいタイプのように見えるかもしれませんが、中身は古いタイプの政治家でしょう。政策はほとんど役人任せになるでしょう。役人はやりやすいかもしれません。


立ち位置は左寄り
政治的立ち位置は、最初のころは反自民だったようですが、自民党政権の大臣になったり、自由党と合併するなど、あまりこだわりはないようです。なるほど、市川房枝の弟子という感じがします。かなり権力志向が強い人のように感じます。
アメリカとの関係はよくわかりませんが、70年安保やベ平連などには参加していたようです。さすがに表立って嫌いだとは言わないでしょうが、あまり好ましく思っていないのではないかと思います。
菅直人は、北朝鮮との関係でシンガンス工作員の釈放嘆願署名にサインしています。もともと社会主義国にシンパシーを感じるタイプの人なのでしょう。
もともと左寄りの人ですし、鳩山政権の政策をほぼ踏襲するようなので、政策は社会主義的、大きな政府的な色彩が強いものになるでしょう。また、もともとベ平連の人ですからアメリカとの関係改善もかなり難しいでしょう。


記者クラブの守護神
菅直人は記者会見の開放については全く消極的です。財務大臣時代は一度も開放しませんでした。6月3日の夜に行われた代表選出馬の記者会見ではフリーランスの記者は質問できませんでした。この様子はUstreamで生中継されツイッターなどで批判されています。菅直人は愚民思想の持ち主のようですし、テレビが大好きなので、時代に逆行したことをすると思います。


良くも悪くも人間臭い
菅直人のパーソナリティは、あだ名の「イラ菅」が象徴しています。イライラして怒鳴るタイプのようです。部下にはなりたくないタイプです。こういうタイプの人の周りにはイエスマンしか残らないものです。大丈夫でしょうか。
スピーチは下手です。発音が曖昧なので何を言っているのか聞きとるのが大変です。やたらに言葉を選ぶ割に話すと長いので、何を言っているのかわからなくなります。話の内容も考えながら話しているにもかかわらず矛盾します。「子どもの生産性」発言など失言も多いようです。テレビ向けのパフォーマンスが好きなようですが、本人はテレビ向きではありません。
趣味はスキューバダイビングと囲碁小沢一郎とも囲碁友達だそうです。小沢一郎囲碁友達が多いですね。
これまでに戸野本優子という人との不倫疑惑があります。週刊文春に書かれたようです。本人曰く「一夜は共にしたが男女関係はない」そうです。
酒と猫が好き。毎日欠かさず酒を飲み、捨て猫を拾って来て、自宅で飼っているらしいです。
最近、よく居眠りを指摘されています。睡眠時無呼吸症候群を疑った方が良いかもしれません。それとも、毎日、深夜まで酒を飲んでいるからでしょうか。健康状態が気になるところです。


ズバリ、短命でしょう
まとめると、菅直人は、酒と猫とテレビが好きで、人望がなく、選挙に弱く、これといった政策もない人です。リーダーとしての資質に欠けています。新しい政策を実行しようという気概が全く感じられないのは困ったものです。
菅直人は、選挙管理内閣として鳩山内閣の閣僚をほぼ引き継ぐでしょう。7月の参院選は、菅直人自身が選挙に弱い人なのでまず勝てないでしょう。万が一参院選に勝ったとしても党内の多数派を抑えられないので「菅おろし」が起きるでしょう。長期政権は期待できないと思います。