sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

トーベ・ヤンソン 『たのしいムーミン一家』

たまには妻が読んでいた本を読んでみよう、ということでムーミンを読んでみる。今日までトーベ・ヤンソンのことを男性だと思っていたぐらい何も知らなかったのだが、大変面白かった。先日『くまのプーさん』を原著で読んでいたときも思ったのだが、どうして児童文学は大人が読んでも面白いのか、というのはなかなか不思議なことである。マーク・トウェインは『トム・ソーヤーの冒険』の序文において「この本は主に子どもの楽しみのために書いたけど、だからと言って大人の皆さんも敬遠しないでよね。だって、君ら大人だって昔は子どもだったんだし、バカげた冒険に一生懸命だったりしたじゃんか」というようなことを書いている。これを受ければ、児童文学のなかに、かつての自分を見いだすから面白いのだ、とも言えるだろうけど、それだけじゃない、と思う。