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2014年03月17日

セブンズストーリー終了に寄せて

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あるソーシャルゲームのサービス終了が決まった。

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日々是遊戯:Mobage「セブンズストーリー」終了発表でソシャゲクラスタに衝撃 ま、まだ今からでも間に合うぞ! - ねとらぼ

継続的なアクティブユーザーが数十人しかいない小規模なゲームの終了をニュースとして伝えてくれたねとらぼさん、ありがとう。

セブンズストーリー。ラクガキのようなイラストと、眼を見張るような先進的なゲームデザインが組み合わさったこのタイトルにはm昨年10月に出会って以来、本当に驚かされっぱなしだった。

プロダクトとしては完全に失敗しているこのタイトルに、何故これほどの称賛が集まっているのか。

その一端を伝えるために、昨年の冬コミ(C85)のサークルそれいゆさんの新刊に寄稿した記事を転載したい。

※サークルそれいゆさんの本はこちらで通販受付しています。転載ご快諾ありがとうございます。

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セブンズストーリーがモバゲーの歴史を変える(モバクソゲー・イヴ寄稿)


モバクソゲー部の活動がなければこのゲームに出会うことはなかったかもしれない。まずそのことに感謝したい。

10月某日、いつものように隣人さんから愉快なスクリーンショットが送られてくる。モバゲーの新着「セブンズストーリー」。MSX時代のフリーソフトを思わせる味のあるな画風が否が応でもモバクソ魂を刺激し、実際始めてみれば課金ガチャでノーマルガチャと同じキャラが出てくるソシャゲなのに本格的なタクティカルバトル何故かステータス画面でウサギを育てる等、独特すぎるシステムが目に飛び込んでくる。

これは久しぶりの大型案件だあ!と小躍りして楽しんでいたのだが、この時点ではまだ、いつものよくあるシステムは斬新だけれども中身は残念なモバクソゲーのひとつ程度の認識だった。それが遊び続けるうちに実はこれ、普通に面白いんじゃないかということがわかってくる。

まず最初に引きこまれたのが、メインストーリーの大胆な展開。一般にソーシャルゲームでは骨太のストーリーは語りづらいと言われ、ストーリーと称しつつも当たり障りのないエピソードの積み重ねでしかないものがほとんどなのだが、セブンズストーリーでは5話目で主要登場人物が非業の死を迎えるという急展開をし、更に9話目まで進んだところでゲームタイトルの意味が明かされ、そこから急転直下の大冒険の幕が開ける。目指すべき目的が明確に表明されたソーシャルゲームの常識を覆すこの展開は、よし、この物語の結末を見るまではゲームを続けるぞと決意させるに十分のものだった。

意を決したのちに改めてゲーム全体を見回してみると、それまで風変わりに思っていたゲームシステムも実は非常に考えぬかれた設計であることが見えてくる。考えてみると、ここまで独自の仕様ながら、ゲームを進行するにあたってストレスらしいストレスを感じないという時点で凡庸ならざるものがある。特に風変わりに過ぎるウサギの育成がこのゲームにおいて重要な役割を果たしていることに気づく。

ウサギは、主人公たちと共に戦ってくれるパートナーでもあり、育成してアクセサリー等で着飾ることが出来るペットアバターでもあるというもの。他のキャラクターは実のところ素人の落書きレベルなのだが、ウサギだけは、一見してヘタウマなセンスのキャラクターではあるものの、デザインとして完成度が高い。また多彩な仕草でアニメーションをし、見ているだけで楽しいものになっている。

このウサギで特筆すべき点のひとつは、戦闘中AIによるオート行動を取り、ゲーム序盤でプレイヤーが操作に慣れていない間はパーティの最大戦力として活躍するが、プレイヤーキャラクターが育ってくると脇役へと回りあくまで副戦力程度に収まっていくというところ。このモバゲータイトルとしては斬新なシステムにストレスなくプレイヤーを慣らすためのナビゲーターの役割を自然にこなしている。個人的に今まで数百本のモバゲータイトルに触れてきたが、このチュートリアルアプローチは前代未聞で、意図した設計としたら驚愕すべき先進性ということになる。

更に遊び手を驚嘆させたのが、リリース1週間後の大型アップデートで導入されたギルドガーデンシステム。これはギルドみんなで農場を管理し、ウサギに与えるニンジンを生産するというシステムなのだが、農作業をするウサギアニメーションがとてもかわいらしく、また収穫されるニンジンの奇抜さからセブスト愛好者を急増させることとなる。

カブのように丸々と太ったデカにんじん序の口で、ナスそっくりの形をしたナスにんじん、食欲増進効果のある唐辛子にんじん(もちろん見た目は唐辛子)、滋養たっぷりの仙人にんじん(見た目は高麗人蔘)、果てはチョコバナナのようにチョコがかかったチョコにんじんまでが畑で取れるというオモシロ具合に一日中畑を耕すセブスト中毒者が続出。ここまで来るとこのゲームが本当に面白いということを疑うものはもはや誰もいなくなる。

セブンズストーリーのシステムの個別の要素の良さについて語り続けると紙面がいくらあっても足りないので割愛するとして、もう一つ特筆すべきは運営のレスポンスの驚異的な速さだ。細かなチューニングや機能追加がほぼ毎日行われ、Twitter上で上がった改善案を「ご意見BOX」に投稿すると、ものによっては数時間と待たずに対応が完了しているという神速ぶりは、ソシャゲ関係者であれば驚愕を超えて畏敬の念を覚えずにいられない。

セブンズストーリーがどうしてこのイラストでリリースすることになったのかは知る由もないが、推測を重ねれば、リリース直前で中止になったプロジェクトを開発者が引き取って、独立してリリースしたのではないかと思われる。

システム全体の整合性の高さ、またこの改善対応の的確さから考えても、これが個人の趣味レベルで作られたものではなく、紛れもない歴戦のプロによる作品であることは間違いがない。もしこの人材とタイトルを手放した会社は後悔をしたほうが良いとは思うが、独立してなければこれほどまでの改善のレスポンスはなかったかもしれないと考えると、人間万事塞翁が馬である。

セブンズストーリーがモバゲー衰退期の徒花になるのか、それとも新しい時代を切り開く嚆矢となるのかはまだわからない。しかしこれだけははっきり言える。セブンズストーリーは間違いなくゲームの歴史の1ページに刻まれるべき革新的なタイトルであると。

その歴史の生き証人になりたければ、今からでも遅くない。さあ、モバゲーに登録してセブンズストーリーをはじめよう!!


我ながら、なかなか大げさに書いたものだとは思いつつも、今も基本的には思うところは変わっていない。

もちろん終了してしまうことは残念ではあるのだけれども、提供元の株式会社Withさんはお知らせにて次回作への意欲を見せており、この経験を生かしてどのようなタイトルが出てくるか今から楽しみで仕方なかったりもします。

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セブンズストーリーのサービスは5月30日までということで、残すところ2ヶ月ちょっとですが、今からでも全コンテンツを味わうには十分な期間があります。ほんのちょっとでも興味がわいたなら、今からでも遅くない。一緒に、歴史の証人になりましょう!

Mobage(モバゲー)by DeNA

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