グルメ漫画

 気仙沼を舞台にした寿司漫画で、現在、月刊「漫画大衆」に連載されている「花寿司の幸(はなずしのさち)」が12日に単行本として出版された。現在は20話まで連載が進んでいるが、今回は1話から8話までが第1巻、9話から16話までが第2巻にまとめられ。
 作者は気仙沼市出身の漫画家・村上茂雄さん(36)。実は、この人、気仙沼市の「あさひ鮨」社長の村上力男さんの長男。
 一世を風靡した「ふかひれ寿司」の考案者である村上社長の息子さんが、漫画家というのも面白い。
 物語は気仙沼にあるすし店「みなと鮨」が舞台。一人娘・幸(さち)が主人公。母親を早くに亡くし、一流のすし職人である父親と二人暮らしの幸が、父の跡取りを目指すストーリー。
 2004年の暮れから連載されており、フカヒレはもちろん、マグロ、カキ、ネウ、ホヤ、サンマなど三陸の旬の味が楽しめるとして、人気を集めている。
 「漫画大衆」は、かなりHな漫画も多いので、紳士淑女(笑)は購入しにくいのが難点だが、単行本はもちろん別。
 話のネタも豊富だし、スケベな書家とか脇役の配置もいい味だしているし、何せ、作者が地元出身で、オヤジさんが実際に寿司職人なのだから、話にリアリティーがある。気仙沼の描写も自然で、ご当地モノにありがちな、こそばゆさが少ない。これ結構、高ポイント。
 にしても、気仙沼は実に恵まれた地区だと思う。いい宣伝になっていると思う。
 できれば単行本10巻以上のヒット作品になってほしいぞ。気仙沼の書店では初日、売り切れした店もあった。みんなで応援したい。
 おれも買いました(笑)