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武蔵工業大学

二日目の23日(土)の午後は、武蔵工業大学環境情報学環境情報学科小池情報デザイン研究室 LOQUACISー活動からのデザインーを観に行きます。

●小池情報デザイン研究室 LOQUACIS(ロクアキス)〜活動からのデザイン〜

一路、渋谷から東急バスで西へ進みます。
国道246号線三宿で左折した途端、辺りを強風が吹き荒れだしました。
バス停を降りて世田谷公園沿いに少し北上している間も、砂埃の混じった風が強く吹き、目や口が気持ち悪い。まるで、西遊記に出てくる黄風嶺のようです。知らない街。知らない風景。知らない風の味。


会場は、IKEJIRI INSTITUTE OF DESIGN (世田谷ものづくり学校)といって、廃校になった施設を、地域に根ざした創業支援スペースとして利用しているそうです。入るまでは、半分はまだ学校として機能しているかと思ったのですが、完全に廃校になってしまったのですね。
こういう官から民への古い施設の委譲はぼく自身もいくつか覚えがあります。大阪扇町mebicは確か大阪市水道局の古い建物を再生し、地域のインキュベーションの場とされていたし、我が町竹の台でも、竹の台小学校の少子化を背景に、いくつかの教室を竹の台地域の活動の拠点として市民に委託開放しています。ここは竹の台総合新聞の制作拠点にもなっていてぼくもよく行くのです。

○関連過去エントリーmebic扇町「心地よい没入感」
○関連過去エントリー「竹の台総合新聞」

中は、お菓子作りの工房や、デザイン事務所、気のきいたカフェなどがあり、入り口のポストが小学校のお道具箱だったり、とてもいい感じ。以前、大阪の西区に大正期か昭和初期に建てられた石造りの建物に、イラストレーターやデザイナーの事務所があったのを思い出しました。神戸の海岸ビルヂングとか、ああいう場所は本当に憧れます。空調とか設備はたいへんだと思うけど、不便を押して余るものが絶対にある気がする。スモールカンパニーの真骨頂だよな。


さて、話は世田谷に戻り、LOQUACISです。ラテン語でおしゃべりの意とのこと。がんばって学生の皆さんとおしゃべりしてきました。こちらの研究室は、必ず制作者が「プレゼンテーションさせていただいてよろしいでしょうか?」と声をかけてくるし、ほとんどの方が名刺をきちんと準備されているのは、良く指導されているんだなぁと思いました。


研究のテーマは音楽*1・地域コミュニティ・コンピュータ教育・光学機器と、ぼくにとって、かなり身近に感じるものばかりで、コメントもとても出しやすかった。さらに、おなじ建物の別の部屋で、3年生後期展が開催されていたのでこちらもじっくり見学。ただ、本会場にその案内がちょっと見当たらなかったのは少し残念。(あったのなら見落としていました。)
特に4年生の発表で、自信にあふれた感じの方が多かったのが印象的。インタフェースデザイナーとして希望の職種につけた話をお伺いすると、こちらまで嬉しくなります。皆さん就職後もぜひがんばってください。インタフェースデザイナーはやりがいのあるいい仕事です。


こちらの研究室では工業系のバックボーンにもかかわらず、実働するモックアップがほとんどなかったのが印象的。しかしそうしたアウトプットよりは、前段階のリサーチに重点をおいている様子です。
まずは自分の行動を起点に、研究テーマを探して行くという手法は、とても丁寧で好感が持てました。若いうちに、自分の欲望を一心に見つめなおした経験を持つということは、仕事で他人の欲望を見つめる際に、大きなアドバンテージになると思います。
企業に入ると、とかくアウトプットを求められてしまうので、アカデミックな場では、こうした余裕は大切だなと再認。実際すごく新鮮で、心を洗われた気分です。


NECのPaPeRoを研究の材料に使用していたり、OLPCの$100パソコンXOを見たりと、発表以外にも単純に嬉しい驚きがありました。


こちらも思いのほか長居をしてしまい、気がつくと帰りの新幹線が何だかギリギリな具合。あわてて山手線で品川へ向い、駅内のショッピングセンターecuteでお土産を物色。関西では販売していないことを確認*2したうえで、Topsの胡桃入りチョコケーキに決定。


帰って、土産をカミさんに手渡すと、
「二日間、趣味に楽しかったわね。」と言われ、
おもわず「うん」と答そうになり、「それ言っちゃあ、怒るわよ。」と軽く睨まれる。
いやいや、かなりまじめに仕事をしてましたよ。留守ばかりでスイマセン。

*1:本業が音楽ゲーム制作だし。

*2:カミさんがネットで調べたところ、実際は関西でも多数の有名百貨店で入手は可能。社員教育って難しいな。おいしかったけど。