(80)さて難解に見えた第1章の冒頭の文章に戻ってみましょう

――前回から続き―――

村上春樹版:p.10 後ろから 2行目から〜
原書:p.2 8行目から

”とまあ、自分の忍耐心についてこのように偉そうに講釈をたれたあとで、
それでもやはり限度があることを、進んで認めなくてはならない。
人の営為は堅固な岩塊の上に築かれているかもしれないし、あるいは軟弱な
泥地に載っているかもしれない。
しかしあるポイントを過ぎれば、正直なところ何の上にあろうが、僕としてはとくに
どうでもよくなってしまう。

リリー先生
 「 ニックのもともとの性格は、人をすぐ決めつけてしまわない性格でしたね。
  でも ”ギャツビーとのひと夏の出来事”のあと、
  (but after a certain point しかしあるポイントを過ぎれば)
  ニックは変わりました。 
  決めつけてしまってもいい人たちもいるんだ、 Some peole are just bad.
と思うようになったわけですね。
  Some people というのは、誰のことか、今となってはわかりますね?」