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もんもん文句大臣

2017-07-17

ハルキは好きじゃないが

村上春樹は好きじゃないのだけど、「騎士団長殺し」は読んでみることにした。でも、ごめん、お金は出せない。出したくない。だから図書館で借りた。図書館で新刊書を貸し出すと作家さんにとっては死活問題だ!ということで、たとえば新刊書は発売されて一年間は貸出禁止にするとかそういう措置を取ってほしいと言っていた人がいたけど、そうなったとしても一年待つだけで、借りて読むことに変わりなし。誰よりも早く読みたい!という気持ちがわたしにはない。わたしはあまりミーハーじゃないので、新しい物好きで飛びつく派ではないので、誰よりも早く新作を読んだもんね、エッヘン!なんて気持ちがない。それに現代作家さんはあまり好きじゃない。近代あたりの文学が日本も西洋も楽しいし面白いし素晴らしい。古典なら中近東中国も楽しい。とにかく古いものの方が好きなので、新しいものがいいとか、えらいとか、かっこいいと思っていないので、一年後にハルキを読んでも何とも思わない。そんなわけでどんな措置を取られたって、ハルキに金は出さない。

で、その「騎士団長殺し」だけど、思ったより面白い。今はまだ上巻なので、イントロダクションというか、こっからどうなる?どうなる?というところなのでわくわく感が強い。でも口の悪い言い方をするとあらすじが流れているだけだが。わけありな感じの、え?どういうことかな?と気になるように話は進んでいる。途中でちょいちょい挟み込まれるセックスの描写が気持ち悪くて、ハルキってあんな顔して(あんなとはどんなだ!?)こんなこと書くんだーへー、やっぱりジジイってスケベだよねーと思ったり、あるいはエロを書かないと本を買わないスケベ野郎のためにサービスサービスで書いているのか、どっちにしろ字で書くエロが嫌いなわたしは、そこの箇所がうんざりで軽く読んで軽く飛ばす。こんなしょうもないことでページ数稼がなくていいのに。さりげない表記であとはお前の脳内で繰り広げろ!という慎み深さが現代作家さんにはないのが、わたしが近代、古典文学を愛する所以。あの頃は社会常識として、規範として露骨に書けないからか、そういうことですよねーそりゃそうでしょうー、野暮なことは聞かないでねーという感じで男女の営みをにおわせるだけなので好きなのである。もう、チンコしごいたとか、パンツ脱いだの腰を動かしただのって、はっきり書く奴はバカじゃねえのかと思うよ。人妻との電話セックスも、申し訳ないけど気でも狂ったのかっつーか、しょうもないことぶっこんでくるなあと呆れた。でもって、変な不思議ちゃんみたいな女の子と一夜限りのセックスもするし、なんかね、もう、ハルキの妄想ワールド。そりゃ小説なんて作家の脳内妄想話なんだけど、あまりセックスのことばかり書くと欲求不満のジジイみたいでみっともないけどな。

でも、それでも、今のところ思わせぶりだから面白い。ただ、このリアリティのない都合のいい話というか、展開というか、なんだろう、このご都合主義というか、何でもかんでも主人公に都合よく話が進むのは、ちょっと笑っちゃう。嫁ハンに逃げられたけど画家として仕事の依頼は来るそこそこ素晴らしいオレ、必死で働かなくてもいいオレ、運よく安く家を借りられちゃったオレ、金持ちの洒落男に破格の値段で絵の依頼を受けたラッキーなオレ、ちりんちりん(チュートリアルの漫才のネタではない)のためにお金を都合して掘り起こしてくれる篤志家がいるオレ、人妻とお金を使わずお手軽に、向こうからすりよってきてくれたから定期的にあとくされないセックスができちゃうオレ、こんなに何でもかんでもうまいこと都合よくやられると薄っぺらい話だな!と思ってしまう。で、ちっちゃいオッサン(妖精なのか?)が登場して、お話にファンタジーが加味されて、もうどうするつもりなんだよ?ヲイ!って感じになってきた。噂では下巻はしょうもなくてギブアップするらしいので、楽しく読めるのもここまでかな?と思ったりしている。

これだけぼろくそ言っているが、一応今のところ面白いんだぜ?面白いというか、思わせぶりだからどうなるのかなとか、どうするつもりかなとか、どうやってオチをつけるつもりかなとか、そういう意味で。下巻は来週借りられるので、さっさと上巻を読んで下巻にいきたい。この騎士団長殺し、思ったほど売れていないらしくて、新潮社はウハウハにならなかったとか。それでも普通の作家さんよりは初動がすごいのだから売れていることは売れている。不思議だ。そもそもなんでハルキがこんなに売れっ子になったのか、わたしが若い頃ノルウェイの森ベストセラーになったときから理解できなかった。ハルキの小説の魅力、わたしにはさっぱりわからない。それでもわたしはちっちゃいオッサンの出てくる騎士団長殺しを楽しく読んでいるのだからよくわからん。小説とは、一体何なんだろうか。途中が面白く、わーなんだろーどうなるんだろーと思ってページを繰るのであればそれで名作なんじゃないのか。それじゃだめか。オチも大事か?相対的にどうなんだなのか、絶対的なのか。文学とは何ぞや!などと考えてみても、結局よくわからん。こんなにいっぱい読んでも読んでもわからん。ただ、思わせぶりでひっぱっていくことと文学と、全体的な文学としての完成度は別のものだと思うので、騎士団長殺しも下巻を読み終えてみないとわからん。書きなれた作家なら、思わせぶりに引っ張っていくのは上手かもしれん。

副題の「顕れるイデア編」というのが、なんかね、ふふ、ちょっと難しい言葉を知って使いたがる中二男児って感じでダサい。そう、ハルキっておしゃれ気取りなんだけど、そこはかとなくダサい。そこが一般人にウケるところだと思う。あまりにキレッキレにおしゃれでは人はついてこない。あまりにも賢すぎる人の話はみんなが理解できない。そこそこオシャレっぽく、そこそこダサい、そこそこ賢そうな感じがするけど実際はバカでも理解できる程度で、みんなが持っている「俺って他の奴とは違っているから!エッヘン!俺は特別な人間だから!」気分を満たしてくれる程度の何となく賢さとか、かっこよさ、その辺をうまくついているのかなという気はする。アイドルでも、すごい美少女より、どっかチンチクリンなブス素材がちりばめられている方がウケる。すごいハンサムで長身の人より、顔がでかいとか足が短い方が人気があったりするのと同じ。みんなに受ける、みんなから愛されるって、そういうことなのかもしれない。ハルキの魅力がちょっとわかってきた気がする。で、下巻が「遷ろうメタファー」なんですって、奥さん、プゲラ。でも楽しみにしてます。

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