カンタベリー大主教ローワン・ウィリアムズ氏は、アメリカとカナダのアングリカン・チャーチ(聖公会)が、「同性愛問題」によって、アングリカン・コミュニオンから分離せざるを得ない状況であることを認めた。
Williams admits church 'fracture' [BBC NEWS]
アメリカの教会においては、ゲイであることをオープンにしているジーン・ロンビンソン主教の叙任の「問題」があり、カナダの場合は、同性カップルへの「祝福」(blessing same-sex relationships)という「問題」がある。
国教会の保守派は、これらの「問題」に対し、当然「否」を投げかける。カンタベリー大主教も「その意向」を米加のブランチに伝え「悔い改める」よう求めた。
が、北アメリカ側(US Episcopal Church, Anglican Church of Canada)は、これを拒否した。
ジーン・ロビンソンの主教就任は「正当かつ適正である」とアメリカ教会はBBCに応えた。またカナダは、周知のとおり、同性結婚を認めている。
そして、これら北米の教会は、2008年までに Anglican Consultative Council (ACC) からの脱退を勧告された。
ただし、ウィリアムズ大主教は、こうも述べている。
the church was "more in marriage counselling than in the divorce courts"
しかし、カンタベリー大主教の発言は、「同性愛(者)に責がある」という理解をされないだろうか? という意見が当然ゲイ側から出てくる。
BBCでは、『OutRage』という──ここのところ元気良い(ちょっと過激な)、メディア露出の多い──ゲイの権利団体のリーダー、ピーター・タッシェル氏(Peter Tatchell)のコメントを載せている。
ウィリアムズ氏は、なによりも教会の統一の維持を目指した。しかしそれは、ゲイの人々とリベラルでヒューマニズムな価値への背信によって、だ。
また、Gay.com UK の記事には、「Gay Christian Movement (LGCM)」の意見も寄せられている。
分裂の本当の責任の所在は、(北アメリカ以外の)他の教会が、30年にも渡って、ゲイとレズビアンのクリスチャンの「声」を無視してことにあるのではないか。
Archbishop admits Anglican "fractures" as gay groups hit back(http://uk.gay.com/headlines/7565)
関連記事
Church faces schism today [Guardian]
Anglican split 'a matter of time' [BBC NEWS]