西尾維新『零崎双識の人間試験』(講談社ノベルス)(ISBN:4061823590)

読了。まあ、普通に今の西尾維新っぽい。それはつまり、(狭義の)ミステリでは全然ないのですが。
特に今回は、人はバタバタ死ぬけれども、ミステリ的解決というよりはバトル漫画の世界なわけで……最後は人外同士の殺し合いに落ち着いてしまうので、ミステリ的カタルシスは全然ないです。むしろジャンプか何かのパロディっぽい。小ネタの多くがジャンプから取っているのも、わざとだろうし。
物語的には、序盤の一般人と人外さんとの鬩ぎ合いが見られるあたりが面白くて、あとは小ネタと内輪ネタに引っ張られて読み進めていくのが吉ですか。
どうせなら伊織ちゃんが零崎一賊に入らない結末にしておけば面白かったのに。ん? そっちでもやっぱり予定調和っぽいですか。
あと、CD−ROMが付いていても\1,300は高いです(『彩紋家』後編よりも高いんですよ!)。CD−ROMの中身も、使いまわされてるし……。