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2011-10-25

ディズニーと「ロトスコープ」

アニメ監督佐倉大(北久保弘之)氏の「勝手に一人WEBアヌメスタイル」第二夜

に、次のようなツイートがありました。

@LawofGreen 佐倉 大 (北久保弘之)

今の呟きがターニングポイント。すいません、どなたか、御存知の方が居らっしゃいましたらお教え頂きたいんですけど、「何故、フライシャーはライバルのディズニーに「ロトスコープ」の使用許諾をしたのか?」普通に考えれば肝心要の大発明をライバル会社に使用権 売るとは思えない。 #KHWAS

10月11日 TwitRockerから

http://twitter.com/#!/LawofGreen/status/123728219592601600

ロトスコープに関しては以前から興味があったので検索してみました(以前の検索ではあまり収穫なし)。

まず見つかったのは、次の二つのページです。

http://www.fxguide.com/featured/the-art-of-roto-2011/

の「Disney」の項と、

http://www.animationshow.com/forums/lofiversion/index.php?t4572.html

のRay Pointer氏の「Jan 18 2010, 02:22 AM」の書き込みに、ディズニーロトスコープに関する記述があります。

ツイッターで簡単に内容紹介をしましたし、英語文献をたくさん読んでいるような人は、もっと詳しくて正確な情報をお持ちでしょうが、せっかく調べたので、もう少し詳しく紹介してみたいと思います(英語は苦手なので、あまりはっきりとしたことは書けませんが)。

最初のリンク先によれば、フライシャーディズニーを訴えようとしたそうです。

しかし、フライシャー以前にすでに同じような機械があることがわかりました。

法的には訴えることは可能だったが、訴える気がなくなってしまったというようなことが書いてあります。

次のリンク先には、特許ロトスコープという装置に対するもので、実写の動きを引き写すというやり方に対するものではないというようなことが書いてあります。

また、特許の期限に関しても触れています。

創造の狂気 ウォルト・ディズニー

創造の狂気 ウォルト・ディズニー

この本の248-249ページには、ウォルトがロトスコープに反対していたことが書かれています。

検索してみようと思ったのは、ウォルトが反対しているのに、わざわざお金を出して使用許諾を得るだろうか、という疑問があったからです。

反対していたのは、ウォルトだけではありません。

ウィキペディア日本語版の『白雪姫』の項では、ロトスコープに関して、

ディズニーは実写映画と対抗するために、まず俳優の動きを実写で撮影し、そのフィルムからロトスコープで1枚ごとに動画を起こす、ライヴァルのフライシャー・スタジオの古い手法を模倣し、実写的な画風を実現した。

白雪姫 (アニメ映画) - Wikipedia

とだけ書かれていますが、

英語版では、グリム・ナトウィックなどのスタッフがロトスコープに反対していたことなどに触れています。

Snow White and the Seven Dwarfs (1937 film) - Wikipedia, the free encyclopedia

ナトウィックの経歴に関しては、こちらをどうぞ。

Grim Natwickの仕事メモ:超円盤ゴミblog:So-netブログ

関連ページを三つ紹介しておきます。

http://www.animationartist.com/InsideAnimation/DavidJohnson/InterviewNatwick3.htm

http://mayersononanimation.blogspot.com/2007/06/six-authors-in-search-of-character-part_30.html

http://www.animatormag.com/archive/issue-21/issue-21-page-21/

Googleブックスで検索したところ、次の本に少し情報があるようです。

The Fleischer Story

The Fleischer Story

調べていて思ったことですが、「ロトスコープ」という言葉には、定義の問題があります。

フライシャーが開発したロトスコープ装置そのものを使っているかという点のほかにも、

実写映像を利用するに当たって、

 1.輪郭までそのままなぞる

 2.動きは使うが、形は変える

 3.動きのタイミングを利用する

 4.作画の参考にする程度

というような、レベルの違いが考えられます。

4はロトスコープとはいえないと思いますが、どこまでをロトスコープと呼ぶか人によって違い、それが情報を混乱させている面があるようです。

2010-11-04

歌詞の引用

iswebのページが消えたので、こちらに転載します

※ここで取り上げている

歌詞は部分的な掲載であれば引用にあたるのでしょうか」は、2006年6月15日現在、存在していないようです。


 著作権法上の引用は、要件を満たせば、著作権者に無断で行うことができる。

 しかし、歌詞の引用は無断では行えないとする人も多い。

 行えないとする根拠としてJASRAC日本音楽著作権協会)のFAQが挙げられることが多いので、ここでそれについて検討してみたい。

 『社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC』のFAQにある「歌詞は部分的な掲載であれば引用にあたるのでしょうか」には、次のような説明がある。

質問

歌詞は部分的な掲載であれば引用にあたるのでしょうか

回答

部分的なご利用であってもその曲と特定できる形でのご掲載であれば、一般的には許諾が必要な利用となります。なお、著作権法上の「引用」に該当するかどうかは、これまでの判例に基づく要件などからケースごとの判断となります。論文、小説等著作物に、歌詞の一部分を使う必然性がある場合などは、直接お問い合わせください

 この説明は、どうもわかりにくい。回答だけを見るとそれほどわかりにくいわけではないが、質問とのつながりが変なのである。


 実は、JASRACのサイトには、以前、現在のものとは違ったFAQがあった。次はそちらを紹介してみよう。

 http://www.jasrac.or.jp/jhp/faq/a2.htmにあった

ホームページで音楽を利用する場合」(リンク先は

Internet Archive: Wayback Machine』によるアーカイブ

)というページには、

「Q1 インターネット上で音楽を使う場合、著作権上どんな法的根拠があるのですか?また楽曲の一部しか使用しませんが手続きは必要ですか?」

という質問があり、

「A 著作権法上の法的根拠について」では、次のように答えている。

また音楽を使用する時間の長短によって権利が制限されるわけではありません。

従ってインターネットでの著作物利用は、営利非営利を問わず、また全部のでも一部の場合でも著作権の管理(保護)の対象となり手続きが必要となります。

 ただ、歌詞の引用については、著作権法第32条に定められた引用の要件を満していれば、自由に使うことが出来ます。これについては別途説明をご参照ください

 さらに、「Q4 歌詞を引用したいのですが?」に対するAでは、次のように答えている。

しかし著作権法第32条等に定められた引用の要件を満たす場合は著作者権者に対して断りは不要ですし、使用料も不要です。歌詞の引用について具体的な争いとなった判例は出ておりませんが、文芸・学術の分野で具体的な判例が出ていると思われますので、それらを参考にして下さい。

 このように、旧FAQでは、「断りは不要」「使用料も不要」と断言している。新FAQにくらべ、実に明快である。

 新FAQの文章を、旧FAQと比較しながら、一文ずつ見ていこう。

歌詞は部分的な掲載であれば引用にあたるのでしょうか

 この質問は、旧FAQのQ1とQ4を一つにしたものである。それによって、質問の意味がわかりにくくなるだけでなく、回答までわかりにくくなってしまっている。

 世の中には、短い転載であれば引用だと誤解している人もいる。だから、このような質問のしかたをする人もいるであろう。


 しかし、FAQというものは、実際の個別の質問に対する回答ではないのだから、もっとわかりやすい質問を設定できたはずである。旧FAQのようにふたつに分けたほうがわかりやすいし、ひとつにまとめるのならば、「歌詞は部分的な掲載であれば無断で行えるのでしょうか」として、「引用」という言葉は質問には含めないほうがわかりやすかったのではないだろうか。

部分的なご利用であってもその曲と特定できる形でのご掲載であれば、一般的には許諾が必要な利用となります。

 「引用にあたるのでしょうか」に対する答えなので、引用に許諾が必要だといっているようにも見える。

 しかし、「一般的には」という部分は、引用などの例外を除いては、という意味であろうから、旧FAQと同じように、「全部のでも一部の場合でも著作権の管理(保護)の対象となり手続きが必要となります」ということを述べたものだと思われる。

 質問文には「引用」という言葉をはさみこみながらも、ここでは「引用」という言葉を避けているために、わかりにくくなっている。


なお、著作権法上の「引用」に該当するかどうかは、これまでの判例に基づく要件などからケースごとの判断となります。

 旧FAQは、判例を「参考にして下さい」と、判断を引用者にゆだねている。

 それに対し、次の文章に「お問い合わせください」とあることもあって、判断の主体がJASRACであるというニュアンスを感じないでもない。

 とはいえ、この文章だけを単独で見るならば、あたりまえの一般論が書いてあるに過ぎない。

 新旧のFAQで最も違う点は、旧FAQにあった「引用の要件を満たす場合は」「断りは不要」「使用料も不要」という重要な点に、新FAQでふれていない点である。

論文、小説等著作物に、歌詞の一部分を使う必然性がある場合などは、直接お問い合わせください

 この内容は旧FAQには存在しない。

 前の文章のつながりからは、引用に該当するかどうかをJASRACが判断するために、問い合わせの義務があるとも読める。


 それだと著作権法上問題があるが、言葉を補って読むならば、「FAQでは一般論しか述べられませんので、ケースごとの回答が欲しい方は、直接お問い合わせください」ということであろうか。

 また、この文章には「引用」という言葉が無く、「使う」という表現がある。さらに、「必然性がある」の後に「など」という言葉も入っている。

 したがって、この文章は、引用だけでなく、転載全般について述べているとも読める。それであれば、問い合わせについて書いてあるのは当然ということになる。

 このように、新FAQは、旧FAQを、ひとまとめにして短くして極端にわかりにくくしたものといえる。

 なぜこのようになってしまったのかはわからない。引用が無断で行えることはわかっているが、なるべくその事をはっきりとは書きたくない、という気持ちがあったのかもしれない。

 世間には、引用と称した単なる無断転載が多い。引用は無断でできると書くことによって、単なる無断転載が増える危険性はある。JASRACとしては、そのような事態は避けたいであろう。

 しかし、このような、誤解を生む危険性の高い文章を公表するのは、フェアとはいえない。JASRACには、今一度のFAQ改訂を望みたい。

 上では二種類のFAQを比較したが、JASRACのサイトが1996年11月に開設されてからこれまでの間に、引用に関する説明は次の6ヶ所に存在した。内容によって四種類に分け、便宜上A、B、C、Pの記号をつけておく。Bのタイトルは「非商用配信に関するご質問への回答」、Pは

JASRAC PARK」の一部である。

A-1 [

archive]

http://www.jasrac.or.jp/jhp/faq/a2.htm
A-2 [

archive]

http://www.jasrac.or.jp/license/network/contents/faq/faqa.html
B-1 [

archive]

http://www.jasrac.or.jp/network/contents/hsfaq.htm
B-2 [

archive]

http://www.jasrac.or.jp/network/contents/hsfaq.html
C [リンク切れ]
P

http://www.jasrac.or.jp/park/whats/whats_4.html

 A-2はA-1に近いものであり、B-1とB-2は、htmからhtmlへの変更である。

 それぞれのFAQが存在した期間は、次の表のようになる。青は存在したと思われる時期。水色は間接的証拠により、存在したと推定される時期。黒は、そのファイルは存在したと思われるが、内容が違う時期である。

 見ていただけるとわかるように、新しいFAQができると古いものがすぐに削除されるのではなく、期間がダブっている所に特徴がある。

1996・1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004
A-1
A-2
B-1・2
C
PARK

 A-2は、基本的にはA-1と同じ内容なのだが、「使用料も不要です」の部分が削られるなど、微妙に内容が変わっている。


 Bの引用に関する説明は、次のようなものである。

Q どれくらいの長さまでだったら引用と認めてもらえますか?

A 著作権が働かなくなる引用(著作権法34条)に該当するかどうかは長さの問題ではありません。新たに創作された著作物の中に引用すべき著作物があって、そこにその著作物がある必然性があるかどうか等によって個別に判断されるものです。また公正な慣行に合致する必要もあります。

なお、判例がありますので、そちらの内容も書籍等でご確認ください。

 Bには、「なお、一部重複するところもありますが、F.A.Q.コーナーの内容もご覧ください。」とあり、A(F.A.Q.コーナー)の補足的な内容になっている。Aの補足としては妥当な内容であり、わかりにくくもない。

 しかし、Aが存在しなくなり、さらにCへと内容が変化することで、おかしなFAQが出来上がったわけである。BとCの質問は一見似ているが、Cの質問者が引用を明らかに誤解している設定になっている点に違いがある。

関連リンク

JASRACとの往復書簡

著作権コラム第六回 ルール無用の引用ルール

混沌の廃墟にて -247- この歌なんだっけ

歌詞投稿の問題点

『「歌詞の引用は著作権の侵害です」か?』

ドリーム小説関連サイト全般ヲチスレ その7

ドリーム小説関連サイト全般ヲチスレ その8

活動休止のお知らせ

ブロードバンドコンテンツの普及に向けた権利面の課題とは 「JASRACシンポジウム2005」でパネルディスカッション

メディアの節穴: これ、「引用」じゃないんですか…あれ?

benli: 時事の事件と歌詞の引用

歌詞の「引用」について、JASRACにメル凸した


意見は分かれるとはおもいますが、実は私もよくわからない

文化庁歌詞の引用は、一節であっても引用が認められないと聞きましたが、本当ですか。

ACCS(コンピュータソフトウェア著作権協会):

 ホームページで文芸評論をやりたいのですが?(※下記参照

 歌詞の引用について。

 一小節なら引用?

 小説の中で歌詞を引用する場合。

 歌詞を全文引用したい。

日本広報協会依頼した原稿の中に、ヒット曲の歌詞が引用されていました。このまま広報紙やホームページに掲載してもかまわないのでしょうか?

YAMAHA

 ケーススタディ>#6 リンク切れ

 Q&A>#9 リンク切れ

関連資料

クリエイター・編集者のための引用ハンドブック』 太田出版 1998年

 谷井精之助 豊田きいち 北村行夫 原田文夫 宮田昇

 「短詩と歌詞の引用をめぐるいくつかのケース」 豊田きいち 69-74p

 「歌詞の引用の判断基準」 谷井精之助 原田文夫 219-220p


『Q&A引用・転載の実務と著作権法』 北村行夫 雪丸真吾 編 中央経済社 2005年

 ※歌詞の引用に関する解説はありません


「音楽著作権と出版 歌詞の引用をめぐって」 藤本由香里 (『言語生活』1987年11月号)


注意事項

引用の指針を必要としているかたへ

このページはJASRACFAQの分析が中心です。実際に歌詞の引用をする場合の指針が必要なかたは、別の資料をお探しください。

引用は無断で行える行為ですが、そのためには引用の要件を満たしている必要があります。要件を満たしていなければ、著作権侵害となってしまいますので、注意が必要です。

要件の判断にはグレーゾーンがあります。引用する側が要件を満たしていると判断しても、著作権者が同じ判断をするとは限りません。著作権者の判断が常に正しいとは限りませんが、引用を行う場合、クレームがつく可能性は覚悟しておかなくてはいけません。

引用の要件の解説に関しては、書籍だと、『Q&A引用・転載の実務と著作権法』や『クリエイター・編集者のための引用ハンドブック』がよいのではないかと思います。

歌詞の引用について、小説などのフィクションにおける引用が議論されることがよくあります。

歌詞ではなく詩ですが、小説での掲載が引用と認められなかった『XO醤男と杏仁女』事件を紹介しておきます。

最近の著作権判例について[PDF] 22-24p

(『コピライト』 2005年2月号 23-25p)

東京地裁判決文[PDF]


東京高裁判決文[PDF]



日記

2004年12月

■今月の歌詞の引用

日記の中に、紹介したいミュージシャンの歌詞を引用したいときは、必ずその著作権をもつ事務所(?)等に承諾してもらわなければならないのでしょうか?それとも引用の量によっては不要なのでしょうか?

はてなでの上記の質問の回答で、二名の方に、わたしの

歌詞の引用を紹介して頂いていました。

歌詞の引用に関する著作権問題に興味を持って色々と調べたのは割と最近のことで、次の場所での議論がきっかけです。


Wikipedia:削除依頼

2004年7月 (2004年10月18日

(月) 23:36の版) *金本知憲 ノート

歌詞の引用と著作権法(上の続き。2005年までで公開停止)

議論自体は、なかなか話がかみ合わず、議論というのは難しいものだと思いましたが、歌詞の引用について調べるきっかけとしては有意義だったかなと思います。

Symantec@OKWeb歌詞は、著作権法上特別な地位を与えられているのですか?というページが、「この質問は削除されたかみつかりません」ということで見れなくなっていました。

OKWeb禁止事項には、歌詞の掲載について、「※質問は20文字以内までであれば許容範囲として認めらる可能性はありますが、著作権法上は一切禁止とされております。」とあります。上記ページは、「20文字以内」などの謎の部分にツッコミを入れたものでした。

ツッコミといっても、穏健で建設的なものと思えたので、削除されたとすれば残念です。

2005年1月

■今月の歌詞の引用

ASK ACCSが3年前に本になっているというのを今ごろ知って、少し読んでみました。

『知っておきたい情報モラルQ&A』(久保田裕・佐藤英雄 岩波アクティブ新書 岩波書店 2002年)という本です。

以下、歌詞の引用に関する部分の、サイトと本の内容を比較してみます。

ASK ACCS

Q ホームページで文芸評論をやりたいのですが?

という項があります(2000年3月)。

回答末尾の「相談室から一言」という部分は次のようになっています。

 歌詞を引用するにあたっては、(社)日本音楽著作権協会と(社)日本文芸家協会で、「1節以内」とする取り決めがあり、慣行となっているようです。このように「公正な慣行」については、法の規定だけを読んでもわかりませんので、著作権団体へ問い合わせるとよいでしょう。

この記述だと第三者もこの取り決めに拘束されるような誤解を生みます。

この件に関しては、加戸守行著『著作権法逐条講義』に、

「実務的な処理に関する両当事者間の合意であって、本項の解釈を左右するものではありません」

という説明があります。加戸氏は、現行著作権法の起草メンバーで、元JASRAC理事長です。

同じ部分が、二年後の『知っておきたい情報モラルQ&A』では、次のようになっています。

 歌詞を引用するにあたっては、日本音楽著作権協会日本文芸家協会で、「一節以内」とする取り決めがあり、慣行となっているようです。著作権法には引用の分量について明示はなく、日本文芸家協会の会員外は、この取り決めに縛られることはありませんが、参考にはなるでしょう。

問題のある部分がちゃんと修正されています。

にもかかわらず、サイトの方はその後三年ほどたつ現在も修正されずにそのままなのは不思議です。

2006年2月

「権利」と「自由」


JASRACからの回答が途切れているため、すでに古い話題になりつつありますが、昨年11月、『牧歌組合〜耳コピとエロジャケ〜』における歌詞の引用が問題となりました。


わたしが興味を引かれたのは、「JASRACから返事が来た(2)」で紹介されているJASRACの返事にある、「「引用」はご利用になる方の権利ではなく」という部分です。このフレーズは、『「歌詞の引用は著作権の侵害です」か?』で紹介されているJASRACの回答にも、まったく同じものがあります。

JASRACは、歌詞の引用について旧FAQ

(アーカイブ)で、「引用の要件を満していれば、自由に使うことが出来ます」と述べています。では、「権利ではなく」というのは何を意味するのでしょうか?

「権利」という言葉の定義がポイントのような気がしたので、いろいろと調べてみると、平凡社の大百科と学研百科事典にわかりやすい説明が載っていました。

法律用語の「権利」は日常用語の「権利」より意味が狭く、「自由」とは区別すべき概念のようです。したがって、「引用する権利がある」というのと「引用する自由がある」というのは、一見同じことを言っているようだけれど法律的には意味が違い、「権利」でないからといって「自由」がないとは限らないといえます。

JASRACのいう「権利ではなく」という表現は、法律的には間違っていないのかもしれませんが、「自由がない」と誤読されかねない点は問題だと思います。

『「歌詞の引用は著作権の侵害です」か?』で紹介されているJASRACの回答は大変興味深い内容なので、また別の機会に分析してみたいと思います。

2006年5月

歌詞の引用は、一節であっても引用が認められないと聞きましたが、本当ですか。

文化庁の「著作権なるほど質問箱」に上のようなQがありました。

回答では、この質問内容を肯定してはいないので、その点はよかったのですが、質問と回答の内容がずれているような気がします。

2006年6月

[B面]犬にかぶらせろ!乃風 - 歌詞の「引用」は無断でやるのが当たり前

からリンクしていただいていました。

内容を読んではじめて知ったのですが、問題のFAQはすでになくなっていました。

『「歌詞の引用は著作権の侵害です」か?』」で「某大型掲示板のとあるスレ」と書かれていたスレッドのログを、先日やっと発見できたので、リンクしておきます。

ドリーム小説関連サイト全般ヲチスレ その7

ドリーム小説関連サイト全般ヲチスレ その8

2008年5月

メディアの節穴: 記事が「ストリーミング配信」? 著作権使用許諾の怪

メディアの節穴: これ、「引用」じゃないんですか…あれ?

すでに元ページがないので、webarchiveをリンクしておきます。

この議論では残念ながら、形式的にはJASRACの側が正しいことを言っていると思います。今後の更なる取材に期待します。


歌詞の「引用」について、JASRACにメル凸した


意見は分かれるとはおもいますが、実は私もよくわからない

記事中に、「また、記事掲載前に、JASRACに検閲させたのかというお叱りがでるかもしれません。」とありますが、むしろ、JASRACにチェックを頼んだ点がこの記事のすばらしさだと思います。

歌詞の引用に関しては、JASRACFAQが意図がわかりにくいものだったため混乱がありました。したがって、JASRACの公式見解をはっきりさせることに重要な意義があったわけです。

くうざん本を見るで知った「音楽著作権と出版 歌詞の引用をめぐって」を関連資料に追加しました。

2004年 9月29日

2008年 5月30日

最終更新:2012年 2月20日

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このサイトについて

以前iswebで、『本を調べる』というサイトをやっていました。

はてなダイアリーは、『本を調べる』と平行して利用していたのですが、ブログという形式があまり向かなくて、放置した状態になっていました。

iswebの無料サービスが終了したので、ここで旧サイトの内容の一部を公開したりしています。

現在はほぼ休止中ですが、たまには日記などを書くかもしれません。

将来的には、別の場所で旧サイトに近い形で再開することになると思います。


コメントの書き込みがあっても、あまりレスは返さないと思います。コメント欄は、多分そのうち閉じます。