Hatena::ブログ(Diary)

TECH-moratorium : テクモラトリアム このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-11-06

[][]組込みプレスVol20

本日発売の組込みプレスVol20の特集2「ICTから学べ〜これからの組込み開発者に求められるスキル&マインド」に、永和システムマネジメントのメンバーが執筆しています。

組込みプレス Vol.20

組込みプレス Vol.20

「第2章 コンポーネント指向による要求分析/ 設計の実際〜UML/DFDの活用」と「第3章 組込み開発でテスト駆動開発は有効か」がそれです。いずれも現場で主導的な立場で動きつつ、バリバリ開発をしているメンバーによる実践的な内容が特徴となっております。

まず第2章。コンポーネント指向は組込み開発でも取り入れられつつあります。筆者の藤井さんはそれを現場で実践し、UMLだけでなくDFDを組み合わせたモデリングをしています。実情に合わせた工夫をしているのがユニークで実戦的です。

第3章の筆者森さんは、アジャイルの肝となるテスト駆動による開発が、組込みでも使えるのかどうか、テストツールやカバレッジツールの説明を交えながら解説しています。

また、今回の特集のもう一つの特徴は「コラボ」です。第1章では、自動車業界におけるTier1サプライヤである三井金属アクトさんによる「MBDを品質確保とコスト削減に利用する」という取り組み。第4章は全社的に要求開発に取り組まれている大阪NDSさんによる、「組込み分野における要求開発」という取り組み。いずれも弊社とのご縁から、今回の特集に協力していただいております。

第1章・第4章とも、「これからの組込み開発者に求められるスキル&マインド」という大きなテーマにフィットするように、それぞれの業務における実体験を抽象化し書いていただきました。

組込み開発者に求められるスキルは年々高まり、必要となる知識もIT関係だけでも広がる一方である。機能が複雑になればなるほど、コアロジックや特定分野の制御技術だけでなく、ネットワーク機能やユーザインターフェースといったレイヤの機能開発も避けられない。ひと言でいうなら、組込みデバイスとPCの境界がますますあいまいになり、それぞれの応用分野におけるオーバーラップが大きくなっている。

このような大規模開発では、専門分野ごとにモジュールコンポーネントの分離、分業が進んでいるが、製品やシステムの設計者、マネージャは全体を把握する必要がある。現場の開発者も、プロジェクトの規模によっては、自分がカバーしなければならない領域が得意分野や専門分野とは限らない。

この特集では、ICTというアプリケーション開発やシステムインテグレート(SI)という視点から、組込み開発にも応用できるプラクティス、開発スキームはないだろうかということを掘り下げる。

以上は特集の扉ページからの引用ですが、あらためて第1章から第4章まで読んでみると、随分幅広いテーマになったものだと感じます。エンジニアには当然スキルが必要ですが、同様に「もっとよいものを、もっとよいやり方で作りたい」というマインドも大切です。具体的なスキルについては第1章から第3章が、マインド面については主に第4章がカバーします。現場で実際に開発をされているエンジニアから、マネージャ層まで、幅広く読んでいただける内容になっていると思いますので、是非一度手に取ってみてください。

2010-05-31

[][]MBD&MDDによる組込みシステム開発

弊社組込みグループでは、組込み開発をビジネスの柱にしようと日々奮闘中です。とはいえ、実績が少ない中で認知度を挙げ案件に結びつけるには、サイトを立ち上げたり名刺を頼ったりといった営業活動に加え、自分たちで学ぶことで技術力を身につけ、その技術がどのようにお客様の役に立つのかアピールする活動も必要です。

そのような問題意識を持ったメンバーが率先して始めた活動が、自分たちの知見を世に問う執筆であったり、自分たちの技術を競う「ETロボコン」への参加や運営協力です。実は他にもいろいろ活動中なのですが、今回はモデル駆動とその実践の場としてのロボコン活動について紹介させてください。

モデル駆動開発ロボコン活動で評価する

業務やWebなどICT系の開発では最近あまり話題に上がらなくなった感のあるモデル駆動開発ですが、品質を上流から作りこむことを重視する組込み開発において、その有効性は期待されています。私たちもその有効性を実際に体験・評価したいと思い、ETロボコンの活動を通じて実践をしています。

@IT MONOist-続・ソフトウェアのモデル駆動開発にチャレンジ!

詳しくは上記@ITモノイストの連載記事を読んでいただきたいのですが、ロボコンメンバーは、astah*でUMLモデルを書き、そこからコードを自動生成するツールを自作することでMDDを実現しています(ツールはダウンロードできます)。この仕組みは実際に私たちのロボコン活動で使われており、繰り返しチューニングが必要なロボットの実装において、「見通しがよい」「途中参加のメンバーでも理解しやすい」という好感触を得ております。

製品の量産開発でそのまま適用するには課題はあるでしょうが、基本的な考え方や手法を身につけるという意味では意義があると感じます。

ICTの技術をETに融合する」第一歩として

私たちが組込み分野にチャレンジする際掲げているキーワードは「ICTとET技術の融合」です。「ICTの技術」が具体的に何で、どのような嬉しさがあるのかはこれからも突き詰めていきますが、MDDに代表されるモデル駆動の手法は、長らくオブジェクト指向に取り組んできた私たち永和システムマネジメントにとってのアドバンテージになると実感しております。

ロボコン地区予選まであと数カ月、当然コンテストに勝つという結果も求めていきますが、モデル駆動を実践評価し知見を蓄えるというゴールも追及していきます。

2010-04-20

[]受託にも必要なイノベーション

以前私は、受託からはイノベーションは生まれないしその必要もない、と言っていました。

おっしゃるとおり、受託からイノベーションは生まれません。受託はイノベーションを目的として行うものではありませんし、イノベーションが必要条件でもありません。

受託にイノベーションは必要ない - TECH-moratorium : テクモラトリアム

今でも受託からイノベーションは生まれ難いとは思いますが、受託をするにしてもイノベーションが必要なことは最近わかってきました。ただし、ここでの「イノベーション」とは技術的革新という意味よりは組織の変革であり、仕事に対する取り組みや考え方を変えることです。

ビジネスとしては同じ受託だとしても、今までとは違う顧客セグメントや技術に取り組む、それだけのことでも組織にはイノベーションが必要となります。具体的には、営業のやり方、メンバーに対する意識付け、案件を受注する/しないの判断基準、教育予算の振り分け方までも変えていく必要があるのです。

この違いはやってみるまで実感できません。少なくとも私はそうでした。

実は、この春から私の所属するグループを中心に組込み系の開発ビジネスを始めました。私たちはもともとオブジェクト指向技術やアジャイル手法など、ICTを由来とする技術を強みにしてきましたが、これらの技術を組込み分野に持ち込み、よりよい開発をお手伝いすることをビジョンに掲げています。まずは組込みLinuxやAndroid、自動車業界の次世代標準AUTOSARといった技術に対する知見を売りとした開発受託ビジネスからスタートします。詳しくは、永和システムマネジメント組込みグループのサイトをごらんください。組込みグループメンバーのブログや執筆などのコンテンツもありますよ。

http://et.esm.co.jp/site/index.html

ここ数カ月、ビジョンやコンセプト作り、Webサイトの立ち上げに営業訪問といった活動をメンバーと共に行ってきました。正直、戸惑いや不安も多かったのですが、メンバーや会社の支援もあり、なんとか離陸に向けて機首が少し上向いたかな、といった感触です。

しばらくは受託を中心に「お客様のイノベーション」をサポートしていきたい。そのような気持ちにあふれています。何とぞ、よろしくお願いします。