日本は知のデフレスパイラルに陥っている

東大生はバカになったか (文春文庫)

タイトルが衝撃的だが、東大のみをピンポイント攻撃したわけではない。日本における大学の成り立ちを奈良時代まで遡り、欧米との差を考え、教養とは何か、大学はどうあるべきなのかを全面的に論じる。学力低下・教育問題について論じるなら必読書だろう。
個人的に、「分子生物学を全学部で必修にする」「大学に“くじびき”合格枠を設ける（多様性を確保し、大学名ではなく学生個人の能力で企業が採用を行うように）」という主張には賛成だ。

なぜ意識が生まれたのか？

内なる目―意識の進化論 (科学選書)

なぜ人間は意識を持つのか？―この厄介な問いに、純粋なダーウィニズム的視点から一つの回答を提示した書。要旨を簡単に述べれば、「自己の心を客観的に観測して他人にあてはめることで、ヒトは社会生活を円滑にし、結果自然淘汰を生き残った。その客観的に観測する“内なる目”が、意識である」といったところ。
「複雑なプログラムは、自身がちゃんと走っているかどうかを監視するメタプログラムを並行して走らせる」という話を思い出した。