粋な塾

子供、Gケイキは塾に通っている。そんな大それた中学校に入れるほどの脳みそは持っていないのだが、妻Kペレは、あきらめていない。夏休みは塾が優先だとのたまう。「よく考えてくれよ、私に5年後の休暇があったとしても、もう子供は付いてくるかどうかは分からない。塾のために一生の思い出を台無しにするつもりかい。」という弱き人の正論は我が家の主には通じない。「塾の人に聞いてみる」とまで言い出す。「おいおい、塾は商売でやってるんだから、かきいれ時の夏休みを休んでも良い、なんて言うわけないじゃない」と消え入る声でつぶやいてみたが聞こえたかどうかは確認できなかった。きっと、同種の問い合わせはよくあるに違いない。「夏休みが勝負です。ご家族の支援がなければ、もう駄目ですね」と答えているに違いない。一瞬、あこがれの山マウナロアの青い影が消えかかった。で、塾の人の話。「夏休みの予定を優先させてください」「予定の入っていないところで塾の授業を選択可能です」だと。おお、ペレよ、ラカよ、ヒナよ、その他のハワイの神々よ。電話に出た塾の講師に憑依したに違いない。よかった、よかった。さすがのKペレも「塾の人もそういっているから、そうしましょ」と言っている。素直に喜んだ。1時間だけ。冷静になったら、「いや、まてよ」とふと気がついた。これは考えてみると、旅行代一名分ほどもかかる夏休みミッチリ詰め込み特別講習代金と旅行代の両方を払わなければならない、っていうこと?うーん苦しいけど、夢のハワイ島に行けるのであれば臥薪嘗胆、ほかの家計を切り詰めることに決定。また、ハワイ島に一歩近づいた。

待ってろよ!ハワイ島