ハワイ・ブック 知られざる火の島を歩く

ハワイ・ブック―知られざる火の島を歩く

ハワイ・ブック―知られざる火の島を歩く

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ワイ島比率0%50%
50%。ハワイ全部が対象だが、ハワイ島が半分くらいある
アクティビティオプションツアーアドベンチャー
ハイキング、洞窟探検等、山でのアクティビティが多い。
滞在期間2,3日中長期
2,3日しか訪れない人でも読んでいくと面白いはず
情報量
歴史、生物学、地理から社会学まで広い分野をカバー
ビジュアル文字中心絵写真
火山、生物、歴史的な写真が満載
ハワイ文化旅行中心文化の香
ハワイの文化中心。でも旅行者が読んでも楽しい。

これまで読んだハワイ関連の本の中で、一番面白かった。今回、私がハワイ島に行きたい、と強く思いつつも、うまくその熱情の根源を自分でもうまく表しきれていなかった。しかし、この本を読んで、「そうそう、そうなんだ」と勝手に納得してしまった。

まずは、火山である。日本にも活火山は多く、私も多くの山に登っている。しかし、もちろん、マウナロア級の火山、やキラウエア級の火山は日本にはない。日本の山もアプローチが便利になっているが、他の国に比べてハワイ島の火山はアプローチが簡単というのも理由である。この本に載せられた多くの写真はハワイ島の火山の非日常性を良く表している。山好きの人であれば、ぜひ、行ってみたいと思うはずだ。

火山自体が生命を持っているようなハワイ島だが、火山は他の生命とは相容れないような厳しい自然を作り出している。仮にハワイ島が、火山のみで動植物が生息できない島として南洋にそびえているのであれば、その魅力は半減だろう。実際には、ハワイ島には多様な植物があり、火山と見事なコントラストを見せている。

しかし、ハワイ・ブックを読むと、一見太古から続いているように見える植物相、動物相が、人間の歴史と深く関係していることを知らされる。そして、ハワイの神話、歴史といった文化の話に入っていく。

前書きによると、こういった、ハワイ・ブックの構成が実は著者の近藤さんのハワイに対する興味の広がりの過程を表しているらしい。また、このストーリー展開が、私の内なるハワイ・フィーバーの拡大過程に限りなくマッチしているのであった。

本書は、豊富な写真、文献リストや、ちょっとしたトリビアまで載せており、何かと役に立つ本だ。それでいて、「ハワイイ紀行」より安い!これを読まずしてハワイ島へ行くこと無かれ、である。