拓海広志「トリオ・ネーベンゾンネンのこと・・・」

 新井淑子さん(バイオリン)、セッポ・キマネンさん(チェロ)、高橋望さん(ピアノ)の3人から成る「トリオ・ネーベンゾンネン」のコンサートに足を運んだ。最近発売されたばかりのCDにも収録されている、シューベルトの『ピアノ三重奏曲第2番』と、キマネンさんの故郷フィンランドを代表する作曲家シベリウスの小品を中心とした構成で、とても心地よい演奏に浸らせていただいた。


 ちなみに、トリオ名の「ネーベンゾンネン」とは、シューベルトの連作歌曲集『冬の旅(Winterreise)』第23曲「まぼろしの太陽(Die Nebensonnen)」の原題から取ったもので、幻日によって太陽が3つに見える現象を意味する。キマネンさんによると、フィンランドではよく幻日を見ることができるそうだが、僕はこれまでに数回フィンランドを訪ねているものの、残念ながらネーベンゾンネンにはまだお目にかかったことがない。


 キマネンさんは音楽家でありながら、奥様の新井さんと共に駐日フィンランド大使館で3年間勤めていたそうで、その間に高橋さんとトリオを結成したという。高橋望さん秩父出身のピアニストで、地元・秩父での活動を軸に、各地で演奏活動を行っている。僕は、コンサート後に下北沢のバーで高橋さんとワインを飲みながら話をする機会を得たが、とても実直で魅力的な方で、是非今度は秩父での演奏会にも足を運びたいと思った。


(無断での転載・引用はご遠慮ください)



【高橋望さん(右)と・・・】


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