開発者の地位の向上を

兄の同期の話

私の兄の高校時代の同期に、少し変な人がいます。

その人(以下、Aさんとします)は「俺より喧嘩の強いやつとしか友達にならない」と豪語していただけあって、高校時代の友達は私の兄しかいなかったそうです。

私の兄曰く「Aは別に対して強くない」と言っていましたが・・・

私は兄と結構年が離れているのであまり記憶がないのですが、当時結構お世話になっていたそうです。

私が社会人になってから、Aさんと会って何度か話をする機会があったのですが、あまり多くは語りませんが、話に説得力があるし、とても面白い人でした。

そんなAさんは現在は中小の建設業を営んでいます。

そのAさんと私の兄が、先週話をしていたそうです。

で、原発の話になり、高濃度放射線が海に流出しているという話になったそうです。

Aさん「あんなの、俺が行けばすぐに止められるのに」

兄「え?行けって言われたらどうするの?」

Aさん「実際、もう手を上げているし、俺はもう子供を作る必要もないし、行くよ」

と、こんな話をしていたそうです。

その夜、実際に、東電だか保安員から、大手建設業者(名前を聞けば誰でも知っているような大手建設業者です)経由でAさんに話があり、その夜、Aさんは原発に現場のリーダーとして出発したそうです。

原発に行って1日目にAさんから連絡があり

「現場はひどい状況だ、水も食料もまともにないし、ぐちゃぐちゃだ」
原発なんて、もう配管がぐっちゃぐちゃで、あんなもの復旧しようがない」

と連絡があったっきり、今日まで連絡が取れないそうです。

おそらく、情報統制のために通信機器を没収されているんでしょう。

結果、Aさんはガラスの水を注入し、高濃度の放射線水の海への流出を止めました。

手を動かしているのは2次受け3次受け

原発の現場で実際に手を動かして解決への道を作っているのは、色んなところで報道されていますが、東電ではなく2次受け3次受けの会社なのです。

それなのに、それらの会社の名前や、人の名前は一切表に出てきません。

もし、数十年して福島原発の跡地(まぁ、まだ跡地になるかどうか分かりませんが・・・)に、碑を建てるようなことがあったら、是非そこには実際に手を動かして放射能と戦った人達の名前や、会社の名前を刻んでいただきたい。

残念ながら、いま最前線で戦っている人達は、ほとんどが中小企業で特別大きな手当てをもらうわけでもなく、碑を建てようとなる頃には多くの会社が残っていないかもしれません・・・

あなたの使っているそのシステムは誰が作っている?

上記の原発の話と、私がこれから書く話を並べるなんて不謹慎だという意見はあるかと思いますが、そこは勘弁してください。

今このブログを読んでくださっている、皆さんの会社、または学校で使っているシステムって、どこの会社が作ったか知っていますか?

会社、学校のPCのセキュリティのシステムはどこの会社が入れたんでしょうか?知っていますか?

もし、知らないようであれば、もう少し意識してみてください。

以前、ウェブ上で

SIerが作ったシステムにはどこかのページに開発者の名前を入れるべきだ

という話がありました、私はその意見に賛成ですが、決して多くの人が名前を残そうとはしないはずです。

なぜなら、システムは人の作ったものであり

  • 必ずバグが入り込んでいる
  • 使う人が大勢であり、必ず使い勝手が悪いと言われる

要は、完璧なものなんてできなくて、文句を言われるのが普通なんです。ほとんどの人は、そんなところに自分の名前を残したいとは思わないでしょう。

私も個人名を入れるまでは少し抵抗がありますが、会社名はあってよいと思います。

ウェブシステムであれば、各ページのフッターに「by 会社名」みたいに、目立たなくても入っていることが大事だと思います。

システムを使ってくださる皆さんが、「あ、このシステムがあるおかげで自分の仕事が楽になっているな」と思ったときに、その会社名を見て少しでも頭の片隅に会社名を入れていただけたら、それだけで、そのシステムを作った人達は少しは報われるんです。

そうやって、皆さんが意識を少しでも変えて行ってくれることが、「きつい、帰れない」とか、あまりいい印象のないSIerという業界を変えていく一歩になると思っています。