歌がうまくなくても曲は売れる

あの人、歌うまい?

私は、別に歌のプロでも何でもなんですが、誤解を承知の上で言うと、AKB48*1とか長渕剛とかって、他の一線で売れてるアーティストに比べて歌うまくないですよね?

ですが、彼らより歌のうまいアーティストよりも人気があるし、CDも売れます。

何でなのか?

ここらへんは、アーティストとかで考えるとすごく簡単なんです、他のアーティストと違う部分、差別化している部分で売っているからです。

自分の勝手な分析ですが、AKB48長渕剛は生き様も含めて人気があるからです。

そう、歌がうまいアーティストはたくさんいて、歌がうまいだけでは売れないのが分かっているために、他の部分で彼らは生き残る道を見つけているんです。

確かに、歌が飛びぬけてうまければ話は少し違ってくるでしょうが、歌がうまいのに売れないアーティストはたくさんいます。

アーティストは他にも、歌詞だったり、曲調だったり、色んなもので差別化して生き残りを図ります。

差別化をしたいSIer

日本国内のIT投資は、リーマンショックの煽りを受けて、ここ数年冷え込みました。

今年あたりから、IT投資は復活するという話もありましたが、東北大震災の影響でどうなるか分からなくなりましたが・・・

SIerは、企業のIT投資というパイをみんなで争うことになります。

IT投資を行う企業からすると、どんな企業に仕事をお願いしたいと思うでしょうか?

実は、アーティストの例で見れば分かりますが、本来の主戦場(アーティストであれば歌のうまさ)でなくても、うまく他と差別化が図れればSIerは仕事を調達できます。

一部の超大手SIerは、はっきり言うと、規模だけである一定の売り上げをあげられます。なぜかといえば、「規模」が既に差別化の一因になっているからです。

「それだけ売り上げをあげて、残っている会社なので任せても大丈夫だろう」

という意識が、IT投資を行う企業からするとあります。

その他のSIerは様々な部分で差別化を図ろうとします。例えば・・・

  • 医療系に強い
  • 金融系に強い
  • 流通系に強い
  • 独自パッケージを持っている
  • お客様第一

大体のSIerが、ある特定の業界に強いことをアピールします。

SIerに就職しようとしている場合は、就職活動中に嫌というほど上の例の言葉は見聞きすると思います。

SIerの差別化は分かりにくい

さて、前の章で書いたような言葉で、IT投資を行う企業からすると、どこに頼もうか決定できるでしょうか?

超大手以外のSIerは、お客さんの気を引くために、どこもこの差別化に手を焼いています。

私の勤めていた会社もそうでした。何か案を持っていくと、「それって何でうちの会社でやるの?」という言葉が必ず出てきます。

他のどのSIerもやっていないことを、上司に持っていっても「それって何でうちの会社でやるの?」という言葉は確実に出てきます。

不思議なもので、少なくとも私の会社では「新しいこと」は差別化の要因にはなりませんでした・・・

若干脱線しましたが、アーティストの例と比べてみると、「SIerとしての開発力を売りにしなくても、他のSIerとの差別化の要因がしっかりしていれば、仕事はとってこれる」と思っている人が多いのです。

差別化要因だけで仕事を取れる時代はもうすぐ終わる

現状、差別化要因だけ*2で仕事をある程度は取ってこれているSIerも結構あると思います。

しかし、おそらく、もう長くは続きません。

お客さんの要望というのは、同じ業種でも詳細にいけばいくほどまったく異なります。ですから、そもそも業界に強いアピールはこれから先それほどの意味を持ってきません。

ある意味、差別化という言葉遊びだけではどうしようもないのです。

これからはWeb業界の企業がそうですが、「開発力」が物をいうようになるはずです。

「開発力」というのは、一言で表せない言葉ですが、この「開発力」を持っている会社は、初めての分野であろうが何であろうが信頼に足りると思います。

ただ、この「開発力」をアピールするというのは、これはこれで大変なのです。そもそも、お客さんはITが分からなくてSIerに頼んでいるのに、そのお客さんに、どれだけ開発力があるのかアピールしないといけないのですから・・・

実績というのは分かりやすいアピールポイントですが、実績だけで仕事を頼みたいと思いますか?????

*1:とりあえず、AKB48がアーティストかどうかは置いておきましょう・・・

*2:厳密に言うと差別化要因だけではありませんが