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2017-09-12

BenQ SW2700PT 備忘録

| 00:28 |  BenQ SW2700PT 備忘録を含むブックマーク

このディスプレイを買って色空間の勉強を始めたにわか日曜カメラマンの Hie です.全国一千万の読者の皆様こんばんは.

なんだかいろいろと勘違いしていたりして,あれこれ調べたりゴソゴソいじっていたりしたのですが,現時点でハマったこととかわかったこととかをメモしたいと思います.

環境

ぼくの環境です.

マザーボードのグラフィック機能は BIOS で OFF っておきます.

利用する編集ソフトは, View NX-i と Adobe Photoshop Lightroom CC です.

SW2700PT の色校正について

前提として,ぼくは貧乏です.ハードウェアキャリブレータは持っていません.ですから,しばらくは初期校正を信じて SW2700PT を使うことになります.

SW2700PT は,出荷時点でキャリブレーションをかけられています.

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購入したての SW2700PT にはこのような校正証明書が添付されています.

これによると,色温度 6500K の環境で,ガンマ2.2・色域 Adobe RGB・入力信号デジタルで校正したとわかります.すなわち,モニタのカラーモードで Adobe RGB を選択し,室内灯の色温度が 6500K (昼白色の蛍光灯)かつVGA以外のデジタル入力したときに限り,正しい色を表示すると言うことでしょう.

ですから,室内蛍光灯が 6500K かどうかを調べ,ディスプレイのカラーモードを Adobe RGB にすれば OK です.

ただし,これは,正確に PC にモニタのカラープロファイルをインストールされているときに限ります.

SW2700PTをハードウェアキャリブレーションしてPhotoshop、Lightroomで活用する方法 | studio9などが参考になりますが,最低限カラーマネジメントを理解しなくてはいけません.

デジタル画像では一般的に RGB (赤・緑・青) の光の三原色の組み合わせで色が決定されています.三色の色の強さで微妙な色合いを表現しているのですが,実はディスプレイによってどの程度細かく差異を表現するだとか,表現できる色の限界値だとかが違います.この表現できるバリエーションの集合を色空間と言います.

一般的なディスプレイでは sRGB という色空間をサポートしています.Web とかに転がっている画像は大半はコレ.

この sRGB は最低限(だけど普通は必要十分)の色のバリエーションをサポートしたものですが,デジイチやプリンターインクなどではもっと細かだったり sRGB で表現できないような色合いを出すケースがあります.このようなより複雑な色合いを,頑張って表現できるような色空間の規格が Adobe RGB です. sRGB 色空間より Adobe RGB 色空間のほうがより細やかに色表現ができる,ということですね.

SW2700PT はこの Adobe RGB という色空間をデフォルトでほぼ表現できる,文字通り多彩な表現ができるモニタです.

一方で,JPEG 画像自身も,どの色空間で定義されたかが重要になってきます.つまり,JPEG画像自身も, sRGB で表現されている,もしくは Adobe RGB で表現されているなどがあって,その色空間情報を画像ビューアが正しく読み出しているかで,ディスプレイに映る色合いが変わってきます.

例えば,

  • JPEG 画像=sRGB 色空間で定義されている
  • 画像ビューア(Lightroomとかね)=JPEG 画像が sRGB 色空間で定義されていることを知り sRGB で呼び出す.またディスプレイが Adobe RGB 色空間であることを知っていて, Adobe RGB の色空間へ JPEG 画像を変換する
  • ディスプレイ=Adobe RGB 色空間で表示する

というような条件がそろえば,画像ビューアが画像もディスプレイも色空間情報を把握して,うまいこと色変換をしてくれるわけです.

この場合は,問題なく色空間の差分をソフトが吸収してくれて,期待通りの色合いになるわけですね.

これは,JPEG 画像にもディスプレイにも,自分が表現できる(している)色空間を宣言してくれているからです.この宣言文のことを ICC (International Color Consortium) プロファイルと言い,JPEG 画像に埋め込まれていたり,カラーマネジメント設定としてディスプレイドライバに組み込まれたりしているのです.

逆に言えば,この ICC プロファイルが画像(もっというとそれを表示する画像ビューア)にあり,ディスプレイにもディスプレイ用のICCプロファイルが設定されているときに限り,正しい色になるわけです.だから,画像側の正しく ICC プロファイルが含まれていないときや,画像ビューアが画像の ICC プロファイルを正しく読み出す仕組みがなかったりすると,ディスプレイに出てくる色合いは信用できない,ということになるわけですね.

ポイントは,

  • JPEG 画像に設定された色空間を画像ビューアが正しく認識できる,
  • ディスプレイの色空間を画像ビューアが正しく認識できる,

です.

SW2700PT 色空間設定

ディスプレイの色空間を定義する ICC プロファイルをインストールします.

ディスプレイのインストールメディアから,Driver\SW2700_Win10\ を開いて,SW2700.icm をインストールします.

C:\Windows\System32\spool\drivers\color に SW2700.icm をコピーするか,インストールメディア Driver\SW2700_Win10\ にある SW2700.inf を右クリックしてインストールコマンドでインストールしてもよいでしょう.

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色の管理設定で,このようになっていればOKです.

この状態で,SW2700PT のカラーモードを Adobe RGB にすれば,色校正が効いた状況になっています.

カラーモード sRGB って何なの

じゃあ,OSDコントローラからワンタッチで移行できるカラーモード sRGB ってなんなの?となりますが,これは Lightroom や View-NX などで画像をいじっているときには.基本的に使うことのないモードです.

sRGB モードは,JPEG 画像などの ICC プロファイルがちゃんと設定されていないとか,画像ビューア(ブラウザとかも含む)がイケてなくて,ICC プロファイルを正しく読んでくれていないとき,sRGB 色空間の画像が鮮やかになりすぎるのを抑制するのに使うモードなのです.

ですから,ネット徘徊をしていて「やけやたら,鮮やかな写真だな〜〜〜.これって sRGB 写真だけど,うまく表示されてないんじゃね?」みたいなときに,SW2700PT のカラーモードを sRGB に落として,いけてない画像 or 画像ビューアのレベルに落としてあげる機能なのです.

なお,画像の ICC プロファイルにはバージョン 2 と 4 というのがあって,この差異によっても正しく画像色空間が読み込めていなかったりします.ブラウザによっては,v2 しか読めないとか,そもそも ICC プロファイルを認識しないなどあって,画像が期待する色空間を正しくディスプレイに伝えられないものもあります.

そのあたりは,Is your system ICC Version 4 ready?などでブラウザICC プロファイル v2, v4 に対応しているかどうか確認してみるとよいでしょう.

Web browser color Management にあった表が比較的新しくて参考になりそうだったので,引用:

2016年9月8日時点の各ブラウザICC 対応状況

ブラウザ カラーマネジメント 備考
Safari MacOS 対応
Internet Explorer 対応 Ver.11 からは ICC V2・V4に対応
Edge Windows 10 対応 ICC V2・V4に対応
Firefox (48) 対応 カラーマネジメント対応だが設定が必要
Chrome (53) 対応
Chrome on Android 非対応
Safari on iOS 対応
Android 非対応 OS としても非対応?

Windows Chrome は特に備考はないようですが,少なくとも現時点では ICC プロファイル v2, v4 に対応しているように見えます.

なお,ここで利用のブラウザICC プロファイルに対応していたとしても,画像自体が ICC プロファイルを持っていないときは,正しく表示できないことがあります.Firefox とかだと設定で無理矢理 sRGB と見なすみたいなこともできるようです.

カラーマネジメントシステムがちゃんとしている LightroomPhotoshop でも画像がくすんでしまう問題

元々上に書いていたような知識は持っていたのですが,SW2700PT を Adobe RGB モードにして ICC プロファイルを設定しても,Lightroom の画像が異様にくすむという問題が発生しまして,「????」な状況がしばらく続いていました.

Lightroom は自動的にディスプレイの色空間(SW2700.icmですね)を識別して,ライブラリ画面(モジュール)などはソフト上で画像を Adobe RGB として取り扱い,ディスプレイの Adobe RGB 色空間へマッピングしてくれます.現像画面(モジュール)では画像を Adobe RGB より広い色空間である ProPhotoRGB 空間で扱い,ディスプレイの Adobe RGB 色空間へマッピングしてくれています.だから,ディスプレイの色管理さえしっかりしていれば,Lightroom がよろしくカラーマネジメントしてくれるはずなのです.しかし,ぼくの環境では,Lightroom で色がくすみ,その状態で sRGB 色空間でJPEG 出力して(Lightroom 以外の)ビューアでみると,ちゃんとした色になっているという不思議な現象が起きていました.症状は広色域ディスプレイでRAW画像を開くと色が変わってくすんでしまい、書き出すと元の色に戻ってしまいます | Adobe Communityと全くおなじ(この会話は話がかみ合わないまま終わっていて結論は出ていません).

ちゃんと表示されている時とされていない時を比較してみましょう.

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正しいとき

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正しくないとき

前者は,左から,DELL ST2410 ( sRGB ディスプレイ ) ,SW2700PT( Adobe RGB ディスプレイ )で,後者は DELL ST2410 ( sRGB ディスプレイ ) ,SW2700PT( Adobe RGB ディスプレイ ),REGZA 50M500X ( テレビ )です.

比較すると,sRGB の DELL ディスプレイの色は同じなのに, Adobe RGB な SW2700PT だけ色がおかしいですね.正しくないとき,では色がくすんでしまっています.

ちょっと一体何が起きているのか,後者 正しくないときのディスプレイの色空間設定を見てみましょう.リンク先を拡大してみてください.

f:id:Hie:20170913004419j:image

…おわかりいただけただろうか?

なんというかね,ディスプレイ番号がおかしくなって,ICCプロファイルが全然あってないんですよね(笑)

これは,Windows 10 のバグか,グラフィックカードのバグか,どちらかじゃないかと思います.

…どないせえっちゅうねん.とりあえず諦めてテレビは必要の無いときは,ディスプレイのカスタマイズ画面で切り離しておくことで対応したいと思います.

環境によっては Photoshop がうまく動作しなかったりする

これは, SW2700PT のせいというより,複数グラフィックカードをインストールしている環境で発生する問題です.

Photoshop は基本的に,グラフィックカードは一枚とすることを推奨しています.マルチGPU環境だと,どれか一つの GPU 機能を使おうとしてしまうのです.ですので,マザーボードGPU を ON にしていたりすると,そちらの VRAM を使おうとしてメモリ不足になって起動できないなど,問題が発生します.

まとめ

SW2700PT 導入を機に,カラーマネジメントについて調べたり試したりしたのでメモを書きました.

追記

まだ確認中だけど,ひょっとして,DVI-DL・HDMIDisplayPort 接続時で全部色調違う?

DVI から HDMI に変更すると,色がのっぺりした感じになって,階調がほとんど分からなくなってしまいました….

Radeon の病気でもあるらしいので,ピクセル形式をごちゃごちゃいじくって何となく階調は取り戻せましたが,色がやっぱりなんか変だ.

Windows も再インストールしてみたけれど,全く改善せず.

わかったことは,

  • DVI-DL 接続:一番まとも.階調もそこそこきれいに出るし,色調もまあまあまとも.ただし,DVI-DL はマルチディスプレイの時の優先度が低いらしく,ディスプレイ番号順位が低く不便.
  • HDMI 接続

というわけで,ポートをとっかえひっかえする人は,キャリブレータ必須かもしれんね….私はあきらめて発注しました.嫁さんまた散財してごめん.