はじめに
カローラについていてアルテッツァにないなんて不便きわまりないということで,後付けの車速感応式ドアロックを取り付けます.
モノは CEP の車速ロックキット スピードロックマンです.
アルテッツァの車速ロックって意外と情報ないんですよねえ….みんカラになくはないのですが,すでに終息した製品の取付(というか会社もつぶれた?)の取り付け例で,あまり参考にならず.
今回購入した CEP (コムエンタープライズ)のキットは現行販売ですし,アルテッツァで動作確認済みということで,安心して利用できます.
なお,アルテッツァはトヨタBEANという多重ナントカを使っているので,多重通信アダプターが必要なので併せて買っておく必要アリ.
車両はアルテッツァ AS200 後期型 6MT です.基本的には前期も同じはずです.
ポイントは6MTです.ATだとパーキングに接続すれば停車時に自動アンロックしてくれたり便利なのだそうです.でもマニュアル車にはパーキングなんてないし,もしサイドブレーキにつないでも坂道発進時にアンロックされたりするとダサすぎですし,これらの配線をすることはありません.つまりですね,6MT の配線は少なくて楽です!
配線図とにらめっこ
一番大変なのは,車体とドアの間の配線を蛇腹に通すところ.ここはできるだけ通す線は少なくしたい.CEP の取説ページでアルテッツァの配線表を見ながら手抜きできないか検討します.電源をメータ裏とかイグニッションから引っ張ってくるように指示されていますが,できるだけドアの中で完結して,蛇腹の配線を減らします.配線艤装図の書かれた整備書とにらめっこ.
※はオプション,空白は線情報なし.
太字がある箇所は,ぼくの追記.本当は直前の文章を取り消し線したかったのだけど,はてなダイアリーでは表組みの中で取り消し線使えないらしく...
12ピン白コネクタ
番号 | 線色 | 線情報 | 極性 | 配線場所 | 配線色 | 極性 | 備考 | |
1 | 黒 | アース | (-) | 白/黒 | ||||
2 | 赤 | 常時電源 | (+) | + | ||||
3 | 緑 | アンロックリレー出力 | COM | 運転席フロントドア内 青色 20P 黒色 6P 20Pの場合 6番 | 赤 | - | ||
4 | 青 | アンロックリレー出力 | NC | 接続なし | ||||
5 | 緑/白 | ロックリレー出力 | COM | 運転席フロントドア内 青色 20P 黒色 6P 15番 | 赤/黒 | - | ||
6 | 青/白 | ロックリレー出力 | NC | 接続なし | ||||
7 | 白 | リレー共通NO出力 | NO | 1黒線へ接続(アースをとる) | ||||
8 | 橙 | Pポジション(+)入力 ※ | (+) | Pポジションの極性が-の車両は、9茶線に配線して下さい。 | ||||
バックランプ入力 | (+) | リアコンビネーションランプ付近 | 赤/青 | + | ||||
9 | 茶 | Pポジション(-)入力 ※ | (-) | Pポジションの極性が+の車両は、8橙線に配線して下さい。 | ||||
サイドブレーキ・Pポジション入力 ※ | センターコンソール | 黄/赤 | ||||||
10 | 灰 | 車速信号入力 | ||||||
11 | 黄 | ACC(IG)入力 | (+) | + | ||||
12 | 桃 | アンロックモータ入力 | (+) | + |
2ピン桃コネクタ
番号 | 線色 | 線情報 | 極性 | 配線場所 | 配線色 | 極性 | 備考 | |
2 | シートベルトキャンセル出力 | (-) | 何にも書いてないけれどシートベルトスイッチ線につなぐ必要あり |
多重通信アダプター
番号 | 線色 | 線情報 | 極性 | 配線場所 | 配線色 | 極性 | 備考 | |
a | 黒 | アース | (-) | 集中ロックスイッチ裏の白/黒線へ接続 | ||||
b | 赤 | 常時電源 | (+) | 常時電源へ接続 | ||||
c | 緑 | アンロック | (-) | 3緑線へ接続 | ||||
d | 緑/白 | ロック | (-) | 5緑/白線へ接続 | ||||
e | 青 | LSW | 運転席フロントドア内 青色20P 10番 緑/黒を切断した車両側 | |||||
f | 青/白 | LSW | 運転席フロントドア内 青色20P 10番 緑/黒を切断したパワーウインドウスイッチ側 |
はい,結果はこうなりました.
ドアロックの配線図からはわかりませんが,パワーウィンドウが常時電源とイグニッション電源を持っていたので,これを借ります.また,アンロックモータとやらはカウルサイドから引き込むようになっていましたが,結局ドア内に来ているので,黒色6ピンのコネクタからとります.
このやり方だと,ドア蛇腹を通すのは車速線だけです!
…だったらよかったのですが,どんでん返しがありました.
さあドアをばらすぞ
なにげにアルテッツァドア分解お初.どきどき.
ドアです.
ポケットのねじを外しておきます.
四苦八苦して取り外します.
ドアロックノブのあたりの上側にマイナスドライバーを入れてワクを持ち上げて引っ張ります.うまくいかないときは下側も.同じように下側に押して勘合をはずします.それでもとれないときは左右に揺すってとりはずします.外すとわかるんですが,ワクが真ん中あたりで左右のツメにひっかかってます.
トリムを引っぺがします.
スピーカーの下あたりに手をかける部分があるので,そこを持って上方向に力を少し入れつつ,手前に引っ張ります.クリップで止まっているだけなので,バコっと外れます.あまりに引っ張りすぎてスイッチ線を切らないようにね〜(そう簡単に切れるようなもんじゃないですが〜.
トリムを取り外したあと,ドアランプとマスタースイッチのコネクタ二つを切り離しドアトリムを完全分離します.
ブチルビニールがべとべとだぁ….
ドア内配線
これはアウターミラースイッチ10Pです.今回は触りません.
ミラーとかをガチャガチャいじりたいひと向け.
あと,ドアの裏に隠れているんですが,黒色6P はここにあります.正式名称はドアコントロールモーター(FR/RH)&キー連動ドアロックスイッチコネクタ(ながっ!)です.
黒色 6P はちょっと外すのがしんどいのですが,途中の線はふつうに見えてます.ここに割り込ませればOK.
ビニール捲るのしんどいなら,ドアポケットのねじを取り付ける台座を取り外してもいいかも.10mmのボルト2つです.
今回取り付ける CEP 車速ロックキットのスピードロックマンとやらの本体です.
トヨタ多重通信アダプターです.
とりあえず,黒色 6P からアンロックモータ線をとっときます.
しこしこ.
あ,切断されてるところは,LSW の部分です.どっちがどっちかを間違えないように.車両側・スイッチ側とかわかりにくいですが,コネクタ側の線がスイッチ側です(スイッチにつながってるでしょ?).
どこに本体と多重通信アダプターを入れるか検討中.
うーん,やっぱり,この穴の中しかなさそうやね.
水没したらやだし,防水ビニール袋にいれて突っ込むことにします.
ドア蛇腹を通す
ここからが正念場です.
まずはドライバーカウルサイドのジャンクションボックスを開けます.
運転席
の右奥にあるねじを外すだけ.がんばれば手でも回るはず.
あとはカウルサイドを持ってスカッフプレートのほうまでプラカバーを引っ張るだけ.
これがドライバーサイドジャンクションボックスってやつです.
このうち2つを外して蛇腹をフリーにしていきます.
手前にみえるのが GD1 というジャンクションコネクタ.これと蛇腹方向で一緒に束ねられている線のコネクタが「ドK」コネクタ(本来CEPの説明書ではここからアンロックモータ線をとろうとしていた.).
この二つをフリーにして,蛇腹を捲ります.ドア側を先に捲ってすこし蛇腹を引き出しておくと車体側蛇腹も捲りやすい.
捲りました.
ここまでは結構簡単です.
緑のビニテは防水用なのでどんどん剥がしていきます.
写真ではすでに車速線が通っていますが,配線ガイドを使って車体側から蛇腹を通していきます.ぼくは配線ガイドなんてないので,ワイパーの針金です.できるだけドア側の蛇腹も引き出して,直線区間を長くしてからガイドを通すのがポイントです.慣れれば5分10分ですよ.もちろん慣れてないから2〜30分はかかりましたが!
車速線をとろう
取説では,メーター裏から車速をとることになっていましたが,こんなこともあろうかとナビ裏 5P の車速線をポップアップモニターのところまで持ってきていました.なのでこれを流用します.
なお,前期型はナビ裏車速線がないです.ナビあり車なし車でどこ通ってるかが違ったりするようなので詳しくはかけません...噂によると,'00/5〜であれば前期型でもナビ裏5Pがあるとか.前期の最終期ですね.なお 5P があるなら,パーキング線(サイドブレーキ)もここからとれます.マニュアル車への車速ロック取付だとつながない方が良いですが….
ねじをはずします.ぼくのばあいは,車両購入時からねじはなかったw
このどこかに車速線があるはず(ぼくの場合は).ごそごそ.
とりあえず見つけた車速線を引っ張ってドア蛇腹からひっぱった車速入力につなぎ混んでみました.
さあ試走しよう
…なんだ?ドアロック操作は受け付けるけど,車速ロックされないじゃん.
添付されていたトラブルシューティングを読んでいくと,
- シートベルトを外して車を走らせる→速度があがるとロックする→トヨタ車は次項へ
- シートベルトをして車を走らせる→ロックしない→2ピン桃コネクタの黒線を接続する
…なんだかいやな予感がするな.
とりあえずシートベルトを外して,車速ロックキット側の車速線をアースに連打で落としてみると…ロックしたw
あーあ,なにが「線情報なし」だよ,シートベルトキャンセル線引かなきゃいけないんじゃん.
というわけで,また蛇腹を捲ってシートベルトキャンセル線を引きました!
シートベルトキャンセル線はカウルサイドのジャンクションボックスにもあるのですが,一番奥でしかも裏側です.ちょっと取り出せない….
ということで,運転席下で直接つなぎこみ.
運転席下に生えている2ピンのうち1番ピン(桃-緑)です.
よくわかってないのですが,シートベルト中は外部からのドアロック制御できない仕組みらしく,一瞬シートベルトをしていない状況を作り出すためにこの配線が必要なんだとか.アルテッツァのシートベルト線のスイッチは,シートベルトを外した時にアースに落ち,つけたときに12Vになるもよう.なので,ドアロックをする瞬間に,一瞬アースに落としてあげるといいわけですね.2ピン桃コネクタ線は,ロックをかける瞬間,アースとして機能し,マルチプレックスボデーコンピュータを騙しているようです.
シートベルトウォーニングが出っぱなしでいいなら,シートベルト下2ピンコネクタの上流(車体)側をショートしてやれば,常時シートベルトをしていない状況を作れるので,めんどくさければそれでもいいかも.もちろん車検には通らないので,車検時に戻す必要がありますが.
こんどこそできた!
ちゃんと動きました〜.最後の罠がなければ3時間あれば終わりました.結局5時間かかってしまいました….
ロック速度はやや速いに設定.おおよそ30km/hでロックします.カローラがこれくらいだったから,まあいいかな.
ちなみに,パーキング線は配線していませんが,エンジンOFFでアンロックはされるっぽいです.これは便利.
また,車速ロックキットがロック・アンロック操作状況を覚えて操作するだけなので,マスタースイッチを使わずにドアロックを操作した場合は,ロック・アンロックに気づかないので車速ロックは動作しないもよう.
あと面白いというか気持ち悪いのが,ロックする瞬間シートベルトをキャンセルするため警告灯が一瞬点灯しますw これ,車検大丈夫なんかいな.