days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

美かさ@宮崎台


この駅に降りるのは1年振りです。
駅構内のトイレも綺麗になっていました。
リフォーム工事をやっていたものなぁ。
ちょっと胸もちくり。
たかが駅でも、時の移ろいを感じます。


月曜の日中、突如として仕事中にむらむらと美味しい和食が食べたくなり、急遽予約電話を入れました。
運の良いことに、今晩は席が空いているとのこと。
完全予約制の上に、17時半からと19時半からしかないので、19時半から1席でお願いしました。
19時に残業を切り上げ、お店に向かいます。


この近辺、宮崎台・宮前平は、自宅購入の際に土地探しをしましたが、正直に言って駅の近くは住むにはなぁ・・・と思っていたところ。
ですが徒歩3分の場所に、こんなに閑静な店があるとは。
近辺の住人の方々、失礼しました。


少々早めに付いたので、掘りごたつ状の席で待たされます。
小ぢんまりしていて落ち着けます。
やがて客も揃い、カウンターに案内されました。
赤と黒に塗られた6人分しかないカウンターは、色鮮やかで目を引きます。
どうやら電話応対してくれたのは、店主の土肥さんだったようです。


料理はコースのみ、予めお願いしておきます。
天ぷらだけのコース8,000円もありましたが、私はもう一方の天然もののマグロなどの御造りが付くコース(8,800円)をお願いしていました。

お酒はエビスビールを頂き、喉を潤します。
美味しい刺身を食す間、土肥さんが手際良く海老をおろしています。


運良く私の目の前に天ぷら用鍋がありました。
客席側は覆われていたのでよくは見えませんでしたが、土肥さんの手際は垣間見れます。
溶き卵、小麦粉が付けられ、鍋に入れられます。
まず出て来たのは海老のアタマ、銀杏、ムカゴ、ユリ根。


参りました。
いやいや、久々の天ぷら屋でしたが、今まで入った店の中で1番美味しい。
間違いありません。
この最初の天ぷらで、私の心はこの店にぞっこんです。
ムカゴは子供時分にどこで見つけたのか、親からもらって以来です。
あのときは茹でていたかな。
秋の風味が鮮烈に味わえると同時に、私的な郷愁も蘇ります。


塩、ゆず、天つゆ、大根おろしはこのように出されます。

ひと品ひと品、どの味付けが良いのか、土肥さんがおっしゃってくれます。
もちろん、品によっては「お好みで」。
私は天ぷらに塩をつけて食べるのが好きなのですが、今日は天つゆよりも塩を使う機会の方が多かった。
塩は衣の歯ざわりも楽しめるし、具の味もよりはっきりするように思えます。


海老天です。

小ぶりですが、味は濃厚。
もう1尾出てきましたが、美味しいとしか良いようがありません。
他のお客さんも「おいしいぃ」の声を上げています。


この後も岩牡蠣、ハモ、松茸などなどが出て来て、最後に穴子など揚げてくれ、お腹はいっぱい。
写真は撮りませんでした。
土肥さんの手もとや、料理に集中したくなったので。


締めは蕎麦、天丼などから選べるので、私は天茶を頂くことにしました。

天ぷらを少し崩すと、思わず笑みもこぼれます。
上に乗っている昆布の細切りも嬉しい。
最後は少々下品でも、お茶碗に口をつけてかき込みましょう。
でないと、残してしまいそうですからね。


デザートは栗の黒砂糖漬の天ぷら。

日中は少々暑くとも、暦の上では秋ですからね。
柔らかい甘味を楽しみました。


丁寧で心のこもった料理とサーヴィス。
天ぷらで四季を感じてみたい。
ここはまた、是非来ようと思ったのでした。