days of cinema, music and food

2011-06-21

震災後のTOHOシネマズ横浜ららぽーと

[]127 Hours 14:03


時間が空いたので、震災後、初めて横浜ららぽーとにあるTOHOシネマに行きました。

火曜日は会員限定で1,300円と知らずだったので、得した気分です。

リニューアル・オープンしたのが先月末。

復帰まで3ヵ月半掛かったのには訳があります。


ここの大ホールは天井も高く、また天井にある貝殻を模したような造形物もあって、かなり壮観な眺めでした。

しかし震災時に大きな被害を受けたのです。

詳しくはtatemonoxxxさんのブログをご覧下さい。

死者ゼロが信じられないくらいの被害です。

私もこのページを見た時はかなり驚くと同時に衝撃を受けました。


そして現在はトップ写真のように、天井にクロスを貼ったものになり、突起物・造形物が無いものとなっています。


震災時に広くて天井の高い、柱の無いホールが被害に遭うケースが多々あったとは聞きました。

自分が頻繁に利用する場所もこんなになるとは、悲しいものです。

しかし無事のリニューアルを祝したいし、また尽力された方々にも感謝します。


さて映画は今年のアカデミー賞候補にもなった実話もの『127時間』でした。

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監督は『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル

あちらは楽しめたものの直ぐに記憶の彼方に飛んで行ってしまった、印象の薄い映画でした。

今度はどうか。

私はこちらの方が気に入りました。


主人公はエンジニアのアーロンは、週末は自ら「第二の故郷」と呼ぶユタ州のブルー・ジョン・キャニオンでロッククライミングを楽しむ青年です。

しかし落石に右腕を挟まれ、狭い谷底で身動きが取れなくなってしまいます。

様々な後悔が脳裏をかすめる中、徐々に体力を奪われていってしまうのですが。


シンプルな設定と絞られた登場人物はスティーヴン・キングの『ミザリー』を想起させました。

序盤を除き、事故に遭ってからは回想や空想の場面を除いて、ジェームズ・フランコの独演場となっています。

フランコ、『スパイダーマン』で知ったときは「ジェームズ・ディーンに似てイケメンだけど、こういう特撮大作映画の脇役って段々と見なくなるよな…」と思ったものですが、近年の活躍は目覚しい。

失礼しました m(_ _)m

必死の脱出模様、喜怒哀楽と動の感情だけではなく、冷静さを持ち合わせた主人公を立体的に演じていて、これは素晴らしい。

この映画はフランコを観る映画なのです。


それと同時にボイルの演出も非常にスタイリッシュ。

特に序盤のスピード感、高揚感は映画の導入部としては吸引力満点で、あっという間に作品世界に取り込まれてしまいます。

あらゆる技巧を凝らし、主人公アーロンの感情の起伏を捉えよう、表現しようとしており、90分間疾走します。

この豪腕は評価してしかるべきでしょう。

生命の危機となる127時間目の下された行動に関しては、決断としての描写は案外あっさりしたものでした。

これはその前に前段となる描写もあるので不自然ではありません。

深刻さが増す危機的状況なので当然ではあります。

それでもどこか違和感をぬぐえなかったのは、そこまでの映像が様式化され過ぎていたからなのでしょうか。

ボイルのカッコ良い演出が、かえって人間の生への執着を弱めてしまったのではないか。

そんな自問自答を繰り返し、どこか釈然としませんでした。


とは言え、解放後のリアルな行動なども含めて感動的でもあるのは確か。

ボイルの演出が肌が合わない場合を除いて、フランコの名演を堪能できる佳作だと思います。

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