days of cinema, music and food

2012-05-24

新宿ロフトプラスワン

[][]ナカコナイト@新宿ロフトプラスワン (5/29:付記) 03:20


先日ご紹介したナカコナイト。

元々期待値は高かった訳ですが、それ以上に楽しく、面白く、そして意外にも黒い笑いが弾ける、最高に素晴らしいトークショウでした。


場所は新宿歌舞伎町トークライヴで有名なロフトプラスワン。

私は初めての場所ですし勝手も分からないのですが、この日の前にBlu-ray Discで観たモテキ』で、吉田豪らが出演している場面で、あ!ここでナカコナイトやるんだ!と気付いたのでした。

まぁしかしです、18時開場、19時開演との事でしたが、定時退社では18時には間に合わなさそう。

私の会社にはフレックスはありますが、融通が利かないので午後半休する事にしました。

フレックス退社する友人べっくとは、17時に待ち合わせする事になりました。

歌舞伎町も激変しましたね。

新宿コマ劇場が無くなったのはニュースで知っていましたが、あんなにも広大な土地の再開発が行われていたとは。

一瞬、位置関係が分からなかったです。

また、いい歳したスーツ男2人が歩いていると、呼び込みに遭う率も高かったのでした。

学生時代とは大違いです。

それだけ歳食ったという事ですね (^^;


べっくと待ち合わせ後に軽くつけ麺屋で夕食を取り、映画話に花を咲かせます。

彼がサイン用に持参した文庫本版『SFX映画の世界』を見せてもらいました。

おぉ、リチャード・エドランドのサイン入り!

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マニアックな話で気分も盛り上がり、さぁ向かいましょう。

整理番号が1ケタ台だったので、開場時刻とほぼ同時に入れました。

タイムライン上でいつも遊んでいただいているPOSTER-MANさんたにもとひろとさんが、実は企画・運営スタッフと知って仰天したのは先日でしたが、実際のお二方にもお初にお会い出来ました。

同じく私がフォローしているShuさんもスタッフという事で、ご挨拶させてもらいます。

POSTER-MANさんの素敵なお連れ合いさんにもご挨拶出来ましたよ。


べっくと共に席を陣取ると、先日もちょっとご一緒した柴尾英令さんも隣にいらっしゃいます。

壇上のスクリーンに投影される動画に3人でウケながら、ピーター・ハイアムズの『カプリコン・1』『アウトランド』『シカゴ・コネクション/夢見て走れ』やら、デヴィッド・リンチの怪作『砂の惑星』(これは柴尾さんと意見が分かれました)やら、濃い会話が楽しく出来ました。


開始時刻の19時になり、壇上にゲストらが登場します。

高橋ヨシキ添野知生柳下毅一郎神武団四郎ら4氏、司会は多田遠志氏でした。

そして最後に、この日の主役である中子真治氏が登場!

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濃厚な夜の宴が始まりました。

映画関係の仕事の前、コピーライターをしていた時代の話も面白い。

銀座じゅわいよくちゅーる・まきの名前を考えたのは中子氏だったのですね。

コピーライターとして大儲けした彼は、ホームヴィデオによる映画コレクション普及前の時代ですから、大好きなSF映画の16mmフィルムを大量に買い込む事になります。

狭い六畳間はフィルムでいっぱい。

ここに映画目当てで手塚治虫石ノ森章太郎小松左京らが入り浸るといったエピソードが紹介されます。

しかし女性関係で逃亡する必要が出来た為にフィルムを売る事になり、小松左京と手塚治虫が買い取りに名乗りを上げ、競売が始まるといった話も大爆笑でした。


正直に申し上げましょう。

中子真治が主役でも、周りのゲストの方がたくさん喋ったり、あるいは質問攻めにしたりなのでは、と予想していました。

違います。

この人、キャラが相当に立っていたのです。

若くして女性問題で逃亡を繰り返していたっぽい破天荒振りも面白く、まさかここまで面白い人だとは思いもしませんでした。

ロクに英語も分からないのに、逃亡先でのアメリカでインタヴュアーする度胸からして凄いですよね。


渡米後の『スター・ウォーズ』『ブレードランナー』『遊星からの物体X』『ターミネーター』『ニューヨーク1997』『グレムリン』『ザ・フライ』『ハウリング』『狼男アメリカン』『ビデオドローム』といった映画の関わりから、数多のSFXピープル達、例えばリック・ベイカーディック・スミスロブ・ボーティンクリス・ウェイラススタン・ウィンストンらの素顔がさらされます。

ハリウッド特撮界がセックス&ドラッグ塗れだった…という内容も、とにかく人間臭かった。

そして葉っぱ関連の話が多い。

皆で笑いながら記念撮影…として知っていた写真も、実は煙くて皆イッちゃってるとは!


中子氏は1つ質問すると、あれよあれよと10話す間に脱線して遠回り、でも最後はちゃんと回答してくれる、聴いていて面白い人でした。

記憶力と博識もさる事ながら、ユーモアに満ちた切り替えしも良く、いやいや、優秀な書き手は優秀な語り部たる事もあるもんだ、と思いました。

ただ予定オーバーとは言え4時間もあったので、最後の1時間は息切れ気味。

観客も疲れて来たので、第2回を開催するなら時間短縮を検討した方が良いでしょうね。

しかし長時間だったにも関わらず、予定の半分も話したかどうかという濃密さ。

波乱に満ちた業界についての話が波乱に満ちた生き証人によって語られるとは、かくも楽しいものだったのでした。


中子氏がこだわるのは「人」だと分かったのも面白かったです。

この人が最近の特撮に興味が無いのは、CGばかりで作っている人の個性が出ていない、作り手の顔が見えていないのが詰まらないからだとか。

でもそれは一緒に行った、友人べっくと私も同様でしょう。

CGは素晴らしいと思いつつも没個性的になり、観ていて面白いかどうかは別ですから。

だから中子氏がジャーナリストを引退して飛騨高山でオモチャ屋を始めたのも、作り手の顔が見えるおもちゃを中心に扱っていきたい、との思いがあるからのようでした。


そのオモチャ屋で作った超リアリスティックな『ブレードランナー』のブラスター製作にまつわるエピソードも、本人は大変だったでしょうが愉快でした。

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カッコ良いですね。

私も欲しいです(^^;

しかし、まさかSF映画に登場する銃をモチーフにしたモデルガンで、銃刀法違反容疑で家宅捜索に遭うとは思いもよらないですよね。

飛騨高山に行く機会があったら、私も留之助商店に行くつもりです。

そして今回のナカコナイトの第2回も開催されたら行くぞ。

べっく、チケットも取ってくれてありがとな!

また行こうな!


長時間でしたが、1つ1つのエピソードが濃く、幾ら時間があっても足りない程。

その底には映画が大好きという熱い思いがあります。

ですからセックス&ドラッグ絡みのエピソードでも嫌味が無い。

マニアックな単語連発のマニアックなトークであっても、聴衆の多くが共通言語を有している為に、幸福な時間を皆で共有出来る喜びもあったのでした。

また、相当に準備されたと思しきスタッフの方々には頭が下がるばかりでした。

中子真治やゲストが喋ると、それに関連した動画や画像が映し出されるのですから、これは相当に大変だった事でしょう。

それに立案から企画、台本書きまで、イベント企画のプロではない方々が行っていたのです。

この実行力は本当に素晴らしいものですよ。

イベントは大成功に導いたのですから。


私自身もツイッター上での知り合いにも実際にお会い出来ましたし、とてもハッピーな時間を過ごせましたた。

スタッフの方々、本当にお疲れ様でした。

あ!ナカコナイト第2弾はちゃんとサインもらうぞ!

だからまた行くぞ、べっく!


D



5/29:当日のツイートをまとめたTogetterも公開されました。

POSTER-MANPOSTER-MAN 2012/05/28 18:38 藤川さん、ありがとうございました。

実は楽屋にあるモニターは音声をかなり絞ってあるので、音声を聴き取ることが困難な場面多数でした。
客席でナカコ・チルドレンのみなさんと一緒に堪能したかったです。
ただ、楽屋ではスターログ編集長の高橋良平さんとご一緒出来まして、時々中子さんの話を受けて「高橋さん、本当なんですか?」と振ると、「いや、まあ誇張してるけどねw」なんて。

いつのことになるかわかりませんが、第2回は土曜日開催で設定しようと思ってます。
やはり「仕事で行けない」とか「地方なのでムリ」と仰る方々が多過ぎましたので、反省です。
その時は藤川さんもなんとかしてご参加を。

べっくべっく 2012/05/28 19:41 作り手の個性が見えるって、大切な事だからねぇ。リアルさだけを望んでいる訳では無くて。

例えば、マット・ペインティングって、実写との融合が求められるからリアルである事は必須なんだけど、所詮手書きの絵だからどうしたってペインターの個性が出てしまう。だがそこにこそ面白さがあった訳で、マイク・パングラジオとクリス・エバンスの作風の違いを見解き、それぞれの仕事に感嘆する喜び・楽しみがあった。

CG世代のマット・ペインティングは実写素材を自在にマッチムーヴさせられるから、個性が入り込む余地が非常に少ないよね。それはそれで驚きに繋がる事もあるけど、それを手掛けた人がスタープレイヤーとして取り沙汰される事はもう無いだろう。それだけ技術が標準化方向に成熟してパッケージ化に成功したのだから、作り手にとってはありがたい事なんだろうけど…(誰に発注しても同じクオリティの成果。うん確かに大事、大事なんだけどさ)。

そうなると、監督の絵作りに個性が見えるかどうか、って所が如実に問われる事になってくる。スタープレイヤーとしてのプレイは監督の作家性が一手に負うことになる(あくまでも映像面の話ね)。

昨夜、改めて「プロメテウス」とリメイク版「トータル・リコール」のトレーラーを観て感じた事。レン・ワイズマンの「トータル・リコール」の映像は、確かに手が込んでいるんだけど、どこかで見た映像の詰め合わせ(具体的に言えば「フィフス・エレメント」「マイノリティ・リポート」あたり。コリン・ファレルが走り回ってるから尚更デジャヴ感強し(笑))で、観ていて何も興奮しないんだよね。どうせCGだから何でも出来るし、架空の未来世界と言う事も相まって、シチュエーションの実在感の無さにワクワクも薄まる。
個性の強い作家が絵作りを統括しないと、バーホーベンのオリジナルを超える事は難しいんじゃないかな。トレーラーを観る限りでは、リメイクが成功しているようには見えなかった。

そういう意味では、「プロメテウス」は監督リドリー・スコットの絵作り能力と圧倒的な世界観のトータルデザインが見事に呼応しているから、CGでしか有り得ない映像にも驚きや興奮がある。

VFXが完全な裏方に回った今、監督のセンスや力量が何より問われる回帰が起きているんだと思った今日この頃だよ。

チケットが取れて本当に良かった。連絡を貰えなければ見落としていたから、こちらこそ感謝だ。サインもらい損ねたし、次回も必ず行くぞ!

HorkaHorka 2012/05/28 23:12 POSTER-MANさん、今晩は。
こちらこそありがとうございます。
よくぞ考えられたという企画力と、それを実現させる実行力、どちらも本当に素晴らしいです。
中子真治氏はかつてのアイドルですよね。
1度で良いから氏の話を聴きたいと思っていたのが実現したのですから、ありがたい事です。
第2回も開催されそうですし、是非また参加したいと思っています。

楽屋では音声を余り聞けなかったとは残念でしたね。
このショウを主催されたと言うのに…
次回はこっそりと非常椅子でも出して聞けると良いですね。
POSTER-MANさんは主催者でありファンなのですから、それくらいの役得はあっても良いと思いますし、誰も責めませんヨ。

HorkaHorka 2012/05/28 23:21 べっく、今晩は。
特撮の面白さって必ずしもリアルとは限らない、人工美というか様式美みたいなのもあるよね。石上三登志が実際に列車を使った『戦場にかける橋』や『大列車作戦』より、ミニチュアを脱線させた『大平原』を買っている、というのは分かるよ。
マイク・パングラジオが好きなんだったっけ?先日も何かの映画でクレジットされていたな…と思ったら今はWETAにいるようだ。
http://www.imdb.com/name/nm0659443/

バホ版『トータル・リコール』は、あの内臓感覚が独特のものだけど、レン・ワイズマンってそこまで個性がある訳じゃないから、普通の映画にはなっていそうだよね。その分、大多数に受け入れやすくなっている気はするけれども。
リドリー・スコットの個性がどれだけ『プロメテウス』の視覚効果に生かされているのか、まだ分からないけれども、劇場で観た予告編はPCモニターで何度も観ている筈なのに、それは圧倒されたから期待大だね。

VFXが裏方に回ったというのは言われてみればそうだね。その分、個性的な視覚効果監督が居なくなったし、居ても技術は皆似たようなものだから、中々その個性も出なくなったというのもあろう。
面白いのはピーター・ジャクソンの『LotR』は、視覚効果も本編同様に極端なキャメラ移動をフィーチャーしていて、監督の個性がそのまま生かされている事だと思うよ。だからそうだね、監督の個性が強烈だとVFXも引っ張られるという事だよねぇ。

こちらこそありがとな!いやぁ、また次回も行こうじゃないか!