days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

さよなら、カブちゃん


2週間前のたまプラーザ夏祭りで買ったカブトムシのつがい。
そこにペットショップで雌1匹を買い足した一夫多妻のカブトムシ達を、娘は「カブちゃん」と名付けて超夢中になって世話や観察をしていました。
でも8月になると、寿命の尽きたカブトムシ達とのお別れが待っています。
4歳の娘が物心付いてから初めて触れたであろう「死」。
どこまで理解してもらえたのかは分かりませんが、色々と感慨深いものはあります。
身近な死を体験すると色々と考えてしまうのは、やはり1年半前に妻の死産を経験したからでしょう。


金曜の夜、カブトムシの雄と雌がそれぞれ1匹ずつが死んでいるのに気付きました。
そこで娘にはその旨を伝えました。
すると、
娘「なんでうごかないのー?」
私「カブトムシさんたちは死んでしまったんだよ」
娘「でもさぁ、またうごくかもしれないよ?」
私「ううん、死んだらもう動かない。元に戻れないんだよ」
娘「ままぁ〜!かぶちゃんがしんじゃったんだよ。もううごかないんだよ」
何も理解していない風で、最初、妻には気丈に色々と説明していた娘ですが、急きょ妻に抱き着いて号泣し始めました。
そっかぁ、娘なりにお別れだという意味は分かったんだね。
死んだ2匹はお墓作って埋めてあげて、死期が近いであろう生きている雌1匹は卵を産んでいるだろうから、雑木林に放してあげようと娘に言いました。


翌土曜の朝も、娘はカブトムシ達が気になって仕方ない様子でした。
娘「かぶちゃん、うごかないかなぁ」と言って、飼育箱に入れてある木にとまらせようとしたり、腐葉土マットの上に移動させたりします。
やはりまだ実感が湧かない様子です。


生きている雌は、近所のM田さんに教えて頂いた都筑中央公園に行って放す事にしました。
事前にそこにあるNPO都築里山倶楽部の事務所に電話をしたら、引き取ってもらえるとの事。
早速事務所に行くと、60代くらいの男性に対応してもらいました。
どうやら先ほど電話で対応して下さった方のようです。
ここをカブトムシでいっぱいにしたいとおっしゃっていました。
M田さんは増えたカブトムシを手渡ししたようですが、私たちは直接自分たちで放してあげた方が娘にとっても良かろうと、放す場所を教えてもらいました。
事務所のプレハブ下にある雑木林がそこでした。
物凄いやぶ蚊が大量にいて、黒い点々が飛び回っているのが分かるくらいです。
サマードレスを着て露出の多い妻子は、1本の手足にそれぞれ7か所くらいずつ刺されてしまいます。
一方の私は、たまたま長袖シャツにジーパン、靴下にスニーカーの完全防備で無傷でした (^^;


飼育箱を雑木林の地面に置いて蓋を開けると、娘は「○○ちゃんがやる〜」と自分で飼育箱から優しく、優しくカブちゃんを取り出します。

そして近くのナラの木にぴたと付けてあげました。

するとカブちゃんは超素早くさささささっと移動。
嬉しかったんだねぇ。
写真右に写っている隣の覆いを被せている柵の中には腐葉土が大量に入れられていて、カブトムシの産卵場になっているとか。
となると、日中に私たちの眼には留まらないけれども、この辺りにはカブトムシがきっとたくさん居るのですね。
因みにこの界隈のカブトムシの天敵はカラスだとか。
カブちゃん、カラスに見つからず、天寿を全うしてくれよ。
しかし娘は放したカブちゃんが気になるので、ついつまみます。


名残惜しい様子。
やがて「おわかれしたくない」と大泣きし始めました。
そのとき、ヤブ蚊の波状攻撃に耐えられなくなった妻は、娘を抱きかかえて逃走を始めました。
抱きかかえられながら「いやだぁ〜、カブちゃんとおわかれしたくな〜い〜」と号泣する娘。
妻は涙のお別れ場面を予想していたそうですが、少々違う顛末になりました。


翌日曜日の朝。
卵がないか、空っぽの飼育箱を必死に探す娘でしたが、廊下では暗いからか見つかりません。
「明るいから外で探そう」と誘って玄関外で卵探しをする事になりました。
割り箸で優しく、優しく、卵を潰さないように腐葉土マットの中を探します。
探し始めて数分、「こりゃ産卵しなかったのかな…」と諦めかけていたら、娘は「もっとふかく〜」と言い出します。
この調子だと無さそうだよ…と言いかけたところ…あった!ありました!

良かった…
産卵を前提に生き残った雌を放してあげたので、もし見つからなかったら、どうしようかと思ってましたよ。


死んだつがいのカブちゃん達は、庭の隅っこに埋めてお墓を作ってあげました。
娘「おはかってなぁにぃ?」
妻「死んだら埋めてあげるところを言うのよ」
娘が動かないカブちゃんを1匹づつ、妻と2人で掘った穴に入れてあげます。

せめて死んだ後は仲良くね。
オスはいつもエサの取り合いで、女子2匹を次々投げ飛ばしていたので (^^;
そうならないようにと、エサは幾つも上げていたのになぁ。
でも交尾したから、仲は良かったのかな…???

2匹に土をかけてあげると、「ちょっとだけかけてあげると、でてくるかもしれないよ」と娘が言います。
やはりまだまだ「死」の意味は分からないかな。でもこういうのは、少しずつ理解していけば、ね。


私としては「死後の世界」とか「魂」とかの話はしたくありません。
少なくとも科学的に存在が証明されていない以上、実在が不確かな話はしたくないのです。
そういう話は大人になってから自分で判断すべきものだと考えています。
かといってリアル過ぎる話も早過ぎますし。
幼稚園だか小学校低学年だかのときに、三軒茶屋での買い物中に母親に死について質問したら、「まだまだ先だから心配しなくていいのよ」と言われたのを未だに覚えています。
それくらいですから、やはり「死」って相当にインパクトがある話なのですよね。
娘も徐々に理解していってもらえれば良いです。
しかしこうなると、卵をかえすのは重要な責任となります。
命のサークルを少しでも感じてもらいたいですから。