days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Ray Harryhausen passed away


昨夜、ツイッターにてレイ・ハリーハウゼンの死去を知りました。
92歳だったとの事。
もちろん、モデルアニメーターの超大御所として有名です。
ピクサーの『モンスターズ・インク』にもハリーハウゼンという人気レストランが登場していたくらいですから。
また、昨年亡くなったレイ・ブラッドベリとは高校時代からの親友としても有名でした。
ブラッドベリの名作短編『霧笛』を映画化した『原子怪獣現わる』では、ハリーハウゼンは怪獣リドサウルスのアニメートを担当しています。
同作は『ゴジラ』のパクリ元ネタとしても有名ですね。


実はハリーハウゼンは私の小学生のときのアイドルでした。
卒業作文にも人形アニメーターになりたい、と書いていた程ですから。
先日楽しんだ『パラノーマン ブライス・ホローの謎』のような人形アニメ映画への興味も、ハリーハウゼンがいたからなのですね。


彼の映画で1番の思い出は、小6の時の事です。
夏休みに東大SF研主催のハリーハウゼン特集上映に行きました。
一緒に行ったのは弟と、クラスメイトだったMです。
四谷かどこぞかの公会堂を貸切のイベントで、輸入8mmやら16mmやらを公会堂でバンバン見せるという企画。
当然ながら字幕なぞありません。
小学生も私達だけ。
しかも殆どモノクロ映画ばかり。
痺れましたよ。
前述の『原子怪獣現わる』、『空飛ぶ円盤、地球を攻撃す』の全長版に、短縮版の『地球へ2千万マイル』等を観ましたよ。
『空飛ぶ円盤、地球を攻撃す』のガガガッと崩れ落ちる建物と円盤は未だにインパクトあります。


アニメーターのもりまさあき氏の講演がありました。
氏が「冷たいアニメート」と評していたのが印象的でしたよ。
因みにもり氏は、ハリーハウゼンの師匠にして『キング・コング』の生みの親ことウィリス・オブライエンはは温かみがある。
フィル・ティペットは下手くそ、などとも評していました(^^;
氏はジム・ダンフォースが1番お気に入りとの事です。


講演後、夕方からは『シンバッド7回目の航海』の上映。
私がハリーハウゼン映画のベストと思っている映画です。
アニメーション技術では『アルゴ探検隊の大冒険』が上でしょうが、映画としてはこちらの方が中だるみもなく楽しめます。
どちらもバーナード・ハーマンの音楽も良かった。
しかし残念ながら、最後まで観ると帰りが遅くなるので、序盤だけ観て弟一緒にいとましました。
友人Mは夕方近くになると門限があると先に帰ってしまったので。
サイクロプスは最高ですよね。
愛嬌があるのに怖いという。
ガイコツ君たちもそうでした。
アニメートには確かに冷たさ、冷徹さを感じるのですが、同時に愛情も感じます。
素晴らしい!


こうしてみると、やはりハリーハウゼンは映画史に残るスター・アニメーターでもあったんだな、と思います。
何故かと言うと、彼は自分のアニメーション技術を生かす映画を作っていたからなのですね。
個人でコツコツ作る特撮であるモデルアニメーション映画を売りにするなどというのは、今では考えられない製作システムです。
現代では、例えば前述の『パラノーマン』やティム・バートンの作品などでは、多人数スタッフによる分業システムによってアニメートされています。
場面ごとやセットごとに担当者を分けているのですね。
それを当時はハリーハウゼン1人で殆ど行っていたのですから、凄いものです。


最後の作品となった『タイタンの戦い』では少々アニメートにも疲れが出ていて、ジム・ダンフォースに手伝ってもらったりしていたそうですが、妖女ゴルゴンの冷徹さなどはさすがでした。
今までたくさんの夢を観させてくれてありがとう!


合掌。