ヒューイ&デューイの日記(私見運用版) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-05-06

[]アオシマ「1/32 惑星探査機 はやぶさ

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かつてこれほどまでに多くの人々から愛された宇宙機があったでしょうか。地球帰還まであと少し、公式サイトで最新情報更新中の小惑星探査機MUSES-Cはやぶさ」が、アオシマスペースクラフトシリーズNo.1としてこの度目出度くキット化されるのは全国のはやぶさファンには周知のことと思います。実機「はやぶさ」の帰還予定は6月、キットの方もそれに併せて6月発売予定ではありますが、発売前のテストショットをサンプルとして戴きましたので、ひとまずは組み立てて見ました。


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ランナーは2枚、スタンドを入れてもそれほど多くのパーツ構成ではありませんね。組み立て自体も実にスムーズに進められるので、普段はプラモデル作らないけど…という方にも問題なくすすめられるかと思います。またテストショットとのことでランナー部分に若干のバリが認められますが、パーツ部分には何の問題もありませんでした。

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衛星バス本体のパーツはアンダーゲートになってます。注意するのはそれぐらいかな?


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♪まいあ〜が〜れ〜、はや〜ぶ〜さ〜♪などと口ずさみながら作っていくのが正しい作法(か?)で、なんのストレスもなく完成する小洒落たデスクトップモデル。う〜む、良いなぁこれは。

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太陽電池パネルの上下面。裏側には配線のモールドも成されています。この部分本当に太陽電池に置き換えられたら…とか、夢が広がる(笑)

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「前」という言い方が正しいのかどうか、ともかく前後面。全面部にある半球状の部品が大気圏に再突入するリエントリカプセルで、実機ではここんとこだけ材質が違ってます。いや色も塗らんとナニ言ってんだっつー話ですけど、何かの参考に…なれば、と。後部に四つ揃っているのはイオンエンジンのノズル。キセノン原子を電気分解してイオン電場で押し出して進む…自分が子供の頃「みらいのロケット」として語られてたイオンロケットが実際に稼働していて、更にそれがプラモデルになって目の前にある。

…ホントに未来に来ちゃったよ。


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いまひとつ地味目な左右ですが、下に伸びている部分が標本採取用のサンプラーホーン。小惑星表面に先端部が設地した瞬間を認識しペレットを射出、命中した際に生じる破片をカプセル内部に採取する…相当に難儀な技を自動でこなします。2005年11月26日、5回の降下と2回のタッチダウンの果て、はやぶさ内部のメモリークラッシュするその最後の瞬間に、果たしてサンプルは無事採取されたのか?真相はリエントリーカプセルの内部だけに存在する…

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観測機器の並んだ下面。ドムのモノアイみたいな(笑)レーザーレンジファインダが目を惹きます。中心線に添って三つ並んでいるミラーボール状の部品はターゲットマーカ。まずこのマーカーを小惑星表面に投下し、フラッシュランプを発光させて反射光を観測しながらレンジファインダーで機体角度を制御する、そんな運用。マーカー自体はアルミを袋状にした構造で内部には衝撃緩衝用にビーズが詰められ、さらにこの中には一般公募で集まった88万人もの人々の名前を刻んだネームプレートが同梱され、孤独な深宇宙の旅をみんなで共に歩んでいるのですわぁ。

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機体上部の固定式ハイゲインアンテナ。実物は金網(トラス?)状の構造で、さすがにここは成型の限界でしょうか。しかしパラボラ中心部の機器と並んで目に付く箇所ではあるので、ディティールアップに気合を入れるならこの部分は効果が高いかも知れません。


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スタンド部分の台座は小惑星1988SF36「イトカワ」を模した形状になっています。この形自体も「はやぶさ」の撮影データが無事届けられて初めて明らかになった事実で、いろいろ感慨深いです。「イトカワ」表面に映った「はやぶさ」の影の写真が新聞を飾ったりしましたねえ…

尚キットには「はやぶさ」の小さな相棒、小惑星探査ローバ「ミネルバ」が付属しています。お好みで台座に接着してください。そしてその時には、イトカワ近傍で人工小惑星になっている(だろう)実機のことを、ほんの少し思い出してあげてください(泣)


というわけで小惑星探査機「はやぶさ」のサンプルレポートでした。参考資料は三才ブックスの「現代萌衛星図鑑」でいや良書ですよこれはホントに。冗談抜きで!

と、普段ならここでちいさくかっこわらいなんて書いて終わらせるのですが、実はGWを利用してJAXA「宇宙科学研究所」なんてところに行って来たのでした。

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なにやらダイナミックプロスパロボアニメに出てきそうな看板ですが、ここは勿論れっきとした我が国の宇宙開発の中核で、古くは東大糸川英夫博士のペンシルロケットまでに遡る旧文部科学省系列の開発組織なのです。通称をISASと言います。神奈川県相模原市淵野辺に在する「はやぶさ」の生まれ故郷、なんとここには――

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はやぶさ」熱構造試験モデルが展示されているのですよ!と、熱構造試験モデルってなんだろう?折りよく居合わせたJAXA職員の方に聞いてみました(大変丁寧にお答えいただき、感謝感激でアリマス)

一部の機器はダミーながら、ヒーターを用いて実機の活動状態を熱分布的に再現し、真空の実験設備内で宇宙空間での動作をシミュレートする。そのための試験機材、だそうです。つまりは本物の模型いや模型の本物か。

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一部ダミーとはいえ熱関係の試験機材ならば!サンプルキットを見ていちばん気になってた「表面の断熱材はどうなっているのか」を確認出来るわけなのです!! このように「はやぶさ」の主要部分は金色の熱保護膜MLIに覆われています。「金色」でもリエントリーカプセルの色あいが異なるのはお判りでしょうか?

このMLI、大気圏外で長期間宇宙線に曝されているとオレンジがかった色に退色するのだそうで往復3億キロ、7年間もの航宙を成し遂げた「はやぶさ」がどんなカラーを帯びているのか定かではありません。ですがしかし、キットの正式発売の折にはきっと資料になるだろうと…

ちなみに断熱材が貼り付けてあるのは「冷えすぎ防止」のためなんですって。太陽光線がそれほどあたらないから、と言われると納得するんですが、長年の間ず〜〜〜っとこれ「暑さ避け」だとばかり思ってました。眼からウロコw

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イオンエンジンのスラスタ部分。この箇所細かく作ってあるのだそうで、模型製作の折にここんところが丁寧に塗り分けられたりしていると「わかってるな!」と思うでしょうねとは上記JAXA職員さんの談。

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キットでは開口されていない姿勢制御用科学燃料エンジンの内部はこんな感じになってました。合計12基もあるので開けるかどうかは思案のしどころでしょうけれど。

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レーザーレンジファインダとサンプラーホーンの詳細はこちら。サンプラーホーンは実際には伸縮する機構なので随分と複雑です。

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航宙時ミネルバはこの位置に固定されていて、実はキットの衛星本体にもモールドされてたりします。

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太陽電池パネルを監視するセンサ、地表を照射するフラッシュランプなど、小さい体に機器満載ですね。

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こっちもデジカメのフラッシュを焚いてターゲットマーカを光らせてみました。ここに来たらお約束…なのかな…


以上、レポートであります。当初はサンプル組むだけの予定でしたが、ネット上で「はやぶさ」について調べてるうちに試験モデルの存在を知り、ついつい遠出をしてしまう…遠出しただけの価値はあり、色々と為になりました。出来得れば実際に「はやぶさ」のプラモデルを組む方々への参考になれば良いのですが、さて。

試験モデル見た限りだと金色は塗装するより何かフィルム状のものを貼った方が良いかなーとか、思いますね。