ヒューイ&デューイの日記(私見運用版) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-12-13

[]学研大人の科学マガジンVol.L30付録 テオ・ヤンセンのミニビースト」

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年の瀬も近付いてなにかと忙しい今日この頃ですが、鬼が笑う来年の発売予定アイテムをひとあしお先に…という訳での「大人の科学マガジン」次号Vol.30の付録模型のレビューです。このように一般販売前のレビューって大抵の場合はメーカーさんからサンプル戴いてのパターンが多いのですが、今回のブツは既に販売されていて、どなたにでも入手可能なアイテムだったりします。

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実はお台場日本科学未来館で催行されている『「テオ・ヤンセン展〜生命の創造〜」物理と芸術が生み出した新しい可能性』に週末出かけて来まして、そこで買ってきたおみやげのレビュー(笑)を、企画展のレポートともどもにお送りいたします〜


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まずはじめに一点注意しておきたいのですが、今回自分が作成したのは企画展の会場内で行われている一般参加者によるワークショップ用の教材で、実際に製品化されるものとは若干異なる点があります。本誌が無いのは当然ながら本来12本ある脚部が半分の6本、また動力源となる「風車」のパーツも付属していません。構造を理解するにはこれだけでも十分ですが、より深く楽しむには製品版を待つ…

ことはなくて製品版と同様の12足・風車付属バージョンも科学未来館内のショップで売ってます。あとから気がついた…


テオ・ヤンセンのミニビースト、正式には「アニマリス・オルディス・バルヴィス」という固有の種名がある疑似生命なのですが、そもそもテオ・ヤンセンって誰よとゆーはなし。えーとすごくざっくり言ってしまうと現代美術のひとです。ざっくりし過ぎだよ!


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たぶん「大人の科学マガジン」本誌にはもうちょっと丁寧な解説が載るんだろうと思われますが、オランダ出身のアーティストでプラスチックチューブを主な素材として再生可能エネルギーを動力源に用いた「生命の進化」をテーマにしたその作品は日本のTV番組なんかでもたま〜に取り上げられたりしますね。クリーンなエネルギーを用いることからエコロジーの文脈で紹介されることが多いように感じられますが、それについてはあとでまた。


ところでよく「現代美術は難解でわからない」なんていいますけど、自分自身は「面白けりゃそれだけでええねん」と思います。南海よりは西武ファンだしね!


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リーフレットには明記されてなかったんですがキットの材質はABS素材のようで組み立てはすべてハメコミ式。ランナーに刻印されてる学研マークに郷愁がそそられるのはなるほどこれが三丁目の夕日感覚というものか。いろいろやりましたよ俺も。「名探偵荒馬宗介」とか、もうねぇ。


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三角形を基礎とするパーツ二種、接地側には「ゴム足」(×6となっていましたが、一本の長い棒状のものをカットラインに沿って切りだす体のパーツでした)をはめ、上部には「コンロッド」を大小それぞれ切り欠きを合わせてはめこんでいって…


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上下をつないでパンタグラフ状の構造を作ります。すごくシンプルな作りなのだけれども、その「シンプル」を求めることはすごく大変。


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この設計を生みだすための数値計算が工学的に面白いものなんだろうと想像するのですけれど、それを「聖数(ホーリーナンバー)」とかいっちゃうあたりがちょっとイタタでゲージツ家のゲージツ家たるゆえんかな??


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でも計算につかったこのアタリ社のパーソナルコンピューターを見て急にそれらしく思えてくるのは不思議だ。こんな古式ゆかしい機械でも最適解ははじき出せる、まさに聖杯ホーリーグレイル)というやつで価値観はあとからついてくるんでアートってゆうのです(ゆわないのです)


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組み立てに戻るとやはりまた三角状のフレームをクランクシャフトにはめこんで、それを基盤に左右の足を「ワンタッチロッド」でクランク部分と接続して…


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この時、はめ込んでいく順番通りにワンタッチロッドが手前に重なっていくように注意。ここんところちゃんとやらないと動きません。よっぽどうっかりしてないと間違えないとは思いますが、似たような形状の部品・接続部分が多いので説明書をよく読んで作りましょう。大丈夫、1セットやればすぐ慣れます。


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取り付けた上から新しいフレームをはめることによって左右の足は固定されます。イカこの繰り返しで都合3セット6本(製品版では6セット12本)分組み立てて…


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前後の軸穴を止め具でふさいで輪ゴムを掛けたら完成です。そんなドメスティックな方法で大丈夫か!?

いちばんいい輪ゴムを頼む。


前述のようにこのバージョンのキットには動力源となる風車が付いてきません。代わりに人の手で動かすための「回転シャフト」がありまして、それをつないで動かすとガチャガチャ歩いてまー楽しいこと。でもなんだか「あらびき団」のメグちゃんみたいにガチャガチャし過ぎじゃね?な動画しか撮影できなかったので公式youtube動画を貼ってみる。

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…公式が改造してるw

ブロック玩具のようにいろいろ増殖させたり組み換えたりできるとは知ってましたが、太陽電池乗せてモーター駆動させてるのはこのサイズならではのことで、オリジナルの大きさでは多分、かなり難しい。本来一点ものであったアート作品が大量消費のマスプロ製品に還元されていく方向性でも「進化」はしていくのだなーと、これは大変に興味深い映像なんです。


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企画展のほうではこの足構造を基盤に「進化」していった作品群が展示され、帆をはったりそこからビニールチューブを伸ばしてペットボトルに圧縮空気を貯蔵して「筋肉」のように動作させたりとか、


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なかには発展性が見られず「絶滅」した種もあったりで面白いもんです。この木製のヤツが動いてるさまはなんだかパンジャンドラム風味で、それはそれでよいのですが…


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ちょっと変わった骨格標本のようにも見えるので恐竜化石好きの人にはイイかも知んない。(俺だよ俺)


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それと一点透視法フェチとかにもだ!(俺俺)


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会場内では巨大な作品を実際に目の前で動かしてくれるデモンストレーションなんかもやってていろいろ楽しめるのですが、やっぱり本来はビーチアニマルの名の通り屋外で動的展示する作品です。若干会場の手狭さを感じてその点いささか不満無きにしも非ず。そして構造的・工学的には楽しいし発展もすれば進化もする、デモやってた作品では触覚センサーを備えて前進/後進を切り替えたりと多彩な動きを楽しめる。でもこれを「生命です(キリッ」と断言しちゃうのはどうなんだろーなー。とか、いろいろ考えさせられるのは面白いイベントでした。ご興味のある方は来年2月14日まで東京お台場日本科学未来館」で開催中です。常設展でも「しんかい6500」原寸大模型のコックピットに搭乗出来たり「インターネット物理モデル」などいろいろ楽しいのが目白押しなとこ。



そんでもって風力エネルギーで動くからって「エコにいいですね^^」とは限らない。なにせ原材料はプラスチックだし実用性は全然ない。おまけに生態系にはなんら寄与していないのでそもそもエコロジーでもなんでもない…

でもねー、そこがいいのですよ。

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モノの価値って artificialなものではないかと、そんなふうに考える訳でして。