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サイエンスとサピエンス このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2018-07-19 イエローストーン公園とオオカミ このエントリーを含むブックマーク

 1995年にハイイロオオカミ16頭がイエローストーン国立公園に放たれた。以来、緑が公園に戻りだしているというレポートが報告されたのが2004年だ。

 公園のエルクが2万頭から1万頭まで半減するとともに若い樹木が繁茂しだしだしたのだ。食物連鎖の頂点であったオオカミが、公園からすべて排除されたのが1920年台。樹木だけでなくビーバーも数年で姿を消した。でも、いまやビーバーが姿をみせ、灌木を切り出してダムを作っているのだ。それにより他の動植物も戻っているとJ.ロビンスは報じている。(日経サイエンス2004年9月号所収)

 ここでの教訓は明らかだろう。人為的な害獣駆除はしばしば、生態系バランスを崩す。北米におけるバイソンやオオカミの駆除の歴史は、人間の野蛮さの典型であった。何百万頭というオオカミが害獣として仕留められた。イエローストーンのオオカミも例外ではなかったのだ。

 最後のオオカミの射殺の映像をどこかで見た記憶がある。懸命に逃げるケモノをいとも簡単に撃ち殺していた。21世紀になってその事実を知った人の多くはオオカミに同情するだろう。

 一部の人はオオカミを公園に戻した人間の智慧を讃えるであろうが、どうもそれだけでは不遜な気がする。どこかで反動が待ち受けているのではないか?

 例えば、インディアンの駆除と同様に野生動物たちを狩りたててきたハンティングの伝統の報いをアメリカ人たちが今受けているというように銃社会の後遺症として表現したい気持ちもなくはない。

 そう言えば、かつて象徴的事件があった。

 アメリカ人のエートスを体現したような文学者であるアーネスト・ヘミングウェイの件だ。サファリのような動物狩りが大好きだったヘミングウェイの最期。彼は銃で自裁したのだ。宜なるかな。

 取り立ててアメリカ人だけが動物狩りに取りつかれていたわけではない。

 どうやら人類が進出した土地では、いたるところで大型哺乳流類がすみやかに姿を消しているそうだ。人類とはそんな動物なのだ。

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 アメリカ人の過去のオオカミへの過酷さについて客観的に調べている。

 欧米、とくに英米を主とする残忍さと暴力の歴史。それが動物だけでなく人間にも見境なく振るわれた。

帝国主義かつ民主主義なんていうのは、動物や人への不平等や格差を糧にして拡大してきたんだなあ。

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