アマゾン販売ランキングの解読

 アマゾンの順位は一時間ごとに更新される。発売と同時に売上をモニターできるのは役立つ。厳密に言えば、予約と中古受注を含めた注文数のランキングであるのが、普通の新刊本ランキングとの違いであろう。
感覚的にいうと、こんな目安ではなかろうか。*1

1位〜500位 非常に売れている (時間単位で出荷)
500位〜1000位 よく売れている (一日十数点程度か)
1000位〜5000位 売れている(一日数点程度か)
5000位〜10000位 ときおり売れる(週に数点程度か)
10000位〜10万位 商品にあまり動きはない(月に数点程度か)
十数万位台以下    商品はほとんど動かない

十数万位以下はロングテールである。

 さて、書籍に限定しよう。2010年10月現在、約170万点のタイトルがある。
 最近では年間7万点出版される。こうしたなかでアマゾンの書籍順位を調べるとこんな傾向がある。

・コミックが常に上位である(500位以内だと半分以上)
・雑誌がこれに続く
・ネット系ということもあり、IT本やアダルトものが強めにでる
・週末にかけて売上変動が大きく変化する

やはり順位のロジックは
 (過去(前週)の平均順位+一定時間内平均順位)の平均
のような感じで、累計順位(前週までの平均順位)をベースに計算しているのじゃなかろうか。
ちなみにamazonは順位ロジックや売上を公開していないようだね。

この分野に詳しいクリス・アンダーソンによれば、

販売ランキング上位一〇万タイトルのうち、やはり九八パーセントが少なくとも三カ月に一冊は売れた

つまり、10万位以下は3ヶ月に一冊以下の販売部数かもしれない。
 クリス・アンダーソンは名著「ロングテール」の著者である。アマゾンビジネスの本質をズバリついた本だ。


ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ新書juice)

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【2011/0530追記】有益な解析本が出ました。

*1:あくまで個人的な推定である