セオドア・グレイの好きな曲線とやら

 Wolfram Researchの顧問であるセオドア・グレイ、元素への熱狂的思いれでイグ・ノーベル賞受賞歴もある。初期の頃の怪作『Exploring Mathematics with Mathematica』(1991) はなかなか奇異な内容の数学が盛り込まれていた。
 ベートーヴェンの第九の最初の数秒の音声を表す巨大数とか、ポリゴンのへんてこりんな変異形などだ。この自分もかなり悪い影響を受けた一人だ。

親友のジェリー・グリンと会話しつつMathematicaで数学世界をクリエーティブに探求するのだが、その一節にこんな曲線が出てくる。

 初等三角関数の組み合わせだ。描く曲線は-πからπの間でこうなる。

 なかなか扱いに困るじゃじゃ馬関数で、(0,π)区間の面積すら厳密解が計算できない。


 本日はこの二次元表示を眺めようと決心した。
こんなように(x,y)座標での媒介変数表示に変形している。

 やはり一筋縄ではいかない関数でありますな。こんな特異的振る舞いがπ/2付近にあるのだ。


 このカマキリの両眼でかなり悲惨な状態になっているのは拡大すると推測できる。
区間(0.99998 Pi/2, 0.999999 Pi/2)での計算図示である。


ほとんど暗闇が迫るりくるほどの線の交差が含まれている。



【参考資料】

昔は(20年前)CD-ROM付きの翻訳版もありましたな。

Exploring Mathematics With Mathematica: Dialogs Concerning Computers and Mathematics

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Mathematica数学の探索 (アジソン ウェスレイ・トッパン情報科学シリーズ)

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世界で一番美しい元素図鑑

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