アボガドロ定数は分子の個数である。1モルあたりの原子の数だ。これを「単純な」自然数で近似表現するというのが、本日の朝のお題だ。
明らかに擬似問題(生産的かつ必然的な問題ではない)であるにもかかわらす、こんな計算をするのはそれなりに意図がある。
アボガドロ定数は人為的な「数」だが無次元である。定義は「正確に質量 0.012 kg(12 g)の炭素12の中に含まれている原子の総数」だ。この12グラムというのが人為的な選択である。水の重さで決まる量であるのはご存知だろう。
そうであるけれど、これは自然数の一種であるはずだ。計測上の制約で6.022140857☓10^23という科学表記しかできないが、巨大数であろう。
現在も産総研では精度向上の努力を続けている。
関連記事:「[https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2004/pr20040120/pr20040120.html:title=産総研で測定したアボガドロ定数、物理定数を決定する国際機関で採用
−基礎物理定数の改訂に貢献、原子質量標準の実現に道を拓く]−」
将来的に測定方法が改良されて一桁までカウントできるかもしれないのだ。それはそれで巨大数マニアは心ときめくテーマであるはずだ。
というわけで、ほぼ衆目一致を期待できないけれど、その背景は説明した。
アプローチを示す。アボガドロ定数をNA
これを以下の表現に抑え込む。
m,n,xは自然数であるべきという設定。しかもどれもなるたけ小さな自然数であるという要件を与える。
計算戦略としては、mとnを変化させてxを推算するのだが、このxが自然数に「一番近い」そういうmとnを求めるのだ。
結果を示す。
これは「602211701560809192721623」となる。科学的表記で示す。
かなりいい線をいっているのだが、如何せん今のアボガドロ定数の測定誤差をはみ出しているのはちょいと残念です。
【参考資料】
自分にはウント面白いネタであるけれど、定数が謎だという意識は薄れてるなあ。
- 作者:ジョン・D. バロウ
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 単行本
物理定数とは何か―自然を支配する普遍数のふしぎ (ブルーバックス)
- 作者:西條 敏美
- メディア: 新書