書物:都市の社会学 ーー社会がかたちをあらわすとき/町村敬志、西沢晃彦
- 作者: 町村敬志,西沢晃彦
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2000/10
- メディア: 単行本
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読んだもんの紹介。
自分はまだこういう入門書を読んで勉強!っていうくらいのペーぺー度合いです。
でもちょっとこれはいくらなんでも簡単過ぎたかも…
デュルケム、ジンメルとヴェーバーの間の”都市観”にはかなり開きがあって、この都市観の違いこそヴェーバーが歴史社会学とかいうものの端緒の人である一つの大きな理由になっていると個人的には思っています。
そもそも近代以降(まあヨーロッパのですけど)社会の仕組みが変わったことがどう社会に影響しているかってのは社会学の最初の最初にあった問題意識でそれを今も引きずってるわけで、その意味で社会学なるものは根源的に都市社会学なんじゃないのという気もします。
その一方である時期まで特にアメリカなんかじゃ社会学にはUrbanかRuralしか区分が無かったっていう事実もあるのでこの辺は無知故の思い込みでしょう。
しかしこの本をすっかり読むとシカゴ学派の研究手法はパーソンズに影響を与えたっていう一行学説史がいかにいろいろ回収しきっちゃってるか、に思いを馳せるもんです。
そういう意味で勉強になったです。
「理論」社会学って。
社会学って恐らくそもそも何が社会学であるのかって言う問いに対する答えを方法論の精緻に求めてここまで来ている、というのが個人的な印象なんです。
それはデュルケムやジンメル、ヴェーバーからの伝統で。
それを踏まえると本当は自分としては「理論」社会学なるものを専門に掲げるのはいかにも不満なのです。
んでーそれなら掲げなきゃいいだろ!って話になりそうなんですが、この世界、相手に自分が何に関心を持ってるのかをどのくらい自分の認識に近く伝えられるか、が勝負だとも思うので困っちゃう。
最近回りの他の人文社会系の人に話を聞くとどれほど社会学って分野が決まった方法論を持たないか、に改めてびっくりする。
歴史学のシステマティックな方法論は対象をどのように分類するかというところまで決まっている。まあそれゆえ20世紀以降を扱いづらいのかなとも思うけど。
心理学は言わずもがな。
そう考えれば他の学問分野よりかなり周縁的な部分まで含まざるを得ないこの社会学と言う学問分野を専攻している自分はどうやって相手にそれを効果的に伝えるかは非常に考え込むところ。
まーでも本音言えば社会学の中でもど真ん中のあんまり疑われるようなことの無い研究テーマの人ってそういうの考える必要ないんだよね。
つくづく選択テーマは趣味じゃなくて戦略的に選べ、と今となっては思う。
難しい世界です。