2011-07-23
ソーシャルゲームとか無料ゲームとかゲームの未来とか
さいきん日本語圏の人から立て続けに「無料ゲーだのソーシャルゲーだの、まじサックっすよね?」的な同調を求められたんで、一応今のスタンスを表明しようかなと。ていうか、前からたいして変わってないんですが、Twitterにこんな
なんかUSのiPhone界では動物園を経営する"Tap Zoo"ってゲームが最高にぶっちぎりでちょう人気ってんで遊んでみたら、開始3分でいきなりゴリラが卵産んでそっこー孵化した。いいね!いいね!
内容の投稿をしたせいかもしれないし、このブログでは今世代コンシューマゲーム開発の話が多いせいかもしれないけど、思ってもいないレッテル貼られて余計な敵をつくってはたまらん。というわけで、夢見がちなコンシューマゲーム開発者こと僕の近視眼的な結論は、
「無料ゲームへ流れは止めようがない。だから、今までゲームを遊ばなかった人が『ゲーム的な何か』に興味をもったり、まかり間違って財布を開く気になったところに、すかさず自分の好きな遊びを売り込むしかないんじゃね?」です。
この波がきた当初は、「うわーすっげー儲けてるじゃーん!どうやんの?どうやんの?おせーて!おせーて!」っていう見方が勝ってたんですが、ちょっと遊んだり調べたりするうちにあっというまに暗ーい気持ちになったりもしました。早い話が、「あー、ゲームっぽい時間つぶしのニーズを無料で充足されちゃったらうちら滅ぶわ。圧倒的なトップ以外さよならじゃーん。」って感じですね。立場こそ違えど、島国大和さんの考え( ゲームのフリーミアム化について本音を書いておくか。:島国大和のド畜生)と近い感想(だと勝手に思っています)。しかも、初期に比べてどんどんゲームが洗練されてきてるし、良くできたのも多い(ちなみに、このへんのイテレーションの妙というか技術は、個人的にどんどん見習いたい)。まさかこの僕がソーシャルゲームと呼ばれるものにお金を払うと思わなかった。
でも、これ氏も以前から仰っていますし、いろんな形で「旧来のゲームやばい」って話はずーっと前から言われてたことで、コンシューマのゲーム開発者だったら来る来るって予見してた未来のはず。ていうか、だいぶ前から段階的に起きている事象だと思うんですよ。そのひとつは「ゲームはドラクエとFFみたいな大作しか遊ばないお客さんが増えて、そこそこのゲームは立ちゆかなくなる」みたいな話で、事実、そうして去っていったゲームメーカーはすでにかなりあると思います。
だから、無料ゲームが旧来のゲームを殺す!みたいなことはもちろん深刻です。なんですが、まあ覚悟はあったという意味で、これまでゲームどころか、現実と関係ないものに一切興味を持っていなかった人が嬉々としてアングリーなバードを飛ばしてたり、ズーをタップしてたりするのを目の当たりにしたときの、
「流行すげー!世の中の力すげー!」
という素直な実感のほうが今僕の中では大事なかんじです。つきましては、「あの鳥が描く軌跡、『ギアーズ・オブ・ウォー』のグレネードの放物線とそっくりだよ!このゲーム、カーマインってやつが傑作でさ……」とか、「動物園?『ルナーク』ってゲームならもっとダイレクトに動物守れるよ!」とか、無理のある説得を試みるよりもですね、波にうまく乗って、そういったゲームを遊ぶ人のほんの一部にしか刺さらないけど、自分もすごく楽しめて、生きるのに必要なくらいのお金を払ってもらえるゲームを考案してみちゃったりしたいなーと、Free2Playとか呼ばれるゲームに関してはそう思います。
だって、AAAと呼ばれる超大作やトガりまくったエッジーなゲームの需要はまだしばらくあるとして、ここさいきん無料アプリで遊んでる人たちがゲームっぽいことする時期って、へたしたら彼らの一生で今だけかもしれないじゃないですか。ていうかもうピーク過ぎそう?てる?気配ヒシヒシじゃないですか。急がないと!って気持ちでいっぱいです。
で、まあそれが目先の感想ででしてね。ポエミーでドリーミーな話も少しするとですね、同僚から、フィリピンの実家に帰ったら文字もろくに読めないおっかあがフェイスブックのゲームやってた!信じられん!ってエピソードを聞いたり、アフリカの発展途上地域に寄付されたPCで無料ゲームが意外に遊ばれてたりとかいう事実を知るとですね、「たまごっちもテトリスキーホルダーも流行ったけど、結局一過性だったじゃん」(「WiiとDSのブームで寄ってきたライトユーザーは、結局ブームが去ればいなくなったじゃん」でも可)みたいな、何回ループすれば気が済むんだよ!的な話とは次元が異なる新しい時代のダイナミズムを感じるわけですよ。さらに、無料のゲーム開発ツールであるところのUnity(http://unity3d.com/)とかUDK(http://www.udk.com/)とかの充実をあわせて考えるとですね、ほんとうにもう、電子ゲームという遊びそのものの未来がどうなるのか、楽しみでしょうがないわけです。世界のすみずみまでネットワークが行き渡って、FacebookやiTunes Storeのようなあまねく広まったゲームを商売にする基盤があって、その開発ツールが無料で手に入るのが2011年です。アフリカのジャングルで育った人が作ったゲームとかちょう遊んでみたいし、僕の作ったゲームの感想を聞いてみたい*1。
とまあ、こんなところでしょうか。一応いっとくと、だからコンシューマゲーム開発者は安心していいとかそんなことまったくないですよ。まったくない、まったくないんだよ!畜生!誰か助けてー!
*1:もちろん、世紀末ころWWWで俺様ちゃんが全世界に情報発信!とか盛り上がってたのに今じゃおしっこ我慢してまーすみたいなどうでもいい文字列を垂れ流してる現実とかも知ってるわけですが、まあいいじゃない。
2011-01-27
元ムトゥ:ラジニカーント主演の新作"Enthiran"のSFXがすごすぎる
後ろの外人に教えてもらったタミル映画"Enthiran"のSFXのハイライトを集めた動画に打ちのめされた。NGPのチェックよりこっち優先しちまった。なんとなく主演の人に見覚えがあると思ったら『ムトゥ踊るマハラジャ』の記憶も懐かしいラジニカーント。今もなお第一線で活躍っていうかまだトップスターらしい。すげー。
ストーリーは……、まあいいじゃない。とにかく塊魂みたくたくさんのラジニさんがボールになって回転しながら銃撃ちまくったあげく戦車につっこんで壊しまくったりとか、たくさんのラジニさんがゲーム『I.Q FINAL』のおまけムービーみたくリジッドな直方体になって兵隊なぎ倒したりとか、『ストライダー飛竜』の1面のボスみたくたくさんのラジニさんがつながって蛇になって車飲み込むとか、たくさんの(以下略)
動画はそれぞれ9分くらいあってそこそこ長いのでとりあえず下のダイジェストのダイジェストみてみて、よさげながら動画もどうぞ。たくさんのラジニさんはPart2のほうで観れますんで、そっちだけでもいいかも。Part1は意外に地味で、ヒロインの血を吸った蚊を「モスキートモード」を駆使して捕まえて謝罪させたり……やっぱ面白そうじゃないか。
■"Enthiran"ダイジェストのダイジェスト(タイトル、キャプションは適当です)
『オープニング:完成、ラジニロボ』
ついに人型ロボットが完成!
インド風ミュージックにあわせて踊りまくる
あとは、人間のガワをかけて、サングラスをかければ……
完成!ラジニロボ!イエス!
『回れ!転がれ!スフィアフォーメーション!』
敵に囲まれた!かくなる上はフォーメーションモード……
球体!
発射準備OK!
回転してまき散らす!
さらに転がる!
『ヘリを呑む!スネークフォーメーション!』
フォーメーションモード……
スネーク!
車なんか……
食べちゃう!
む、ヘリが空に……
食べちゃう!
ちなみに表面はこんな感じ
『最終決戦!出でよ、巨大ラジニロボ!』
地面から1人で出てくるラジニロボ
いや、1人じゃない……これは……
スーパーラジニロボッ!
ババーン!
ふぅ……
いろいろ壊すよ!
このあとはいろいろあって尻つぼみに終わります。DVDを取り寄せ中なので、機会があればTwitterかなんかで感想書くかも。とりあえずの感想としては、ラジニさん1人で相当なギャラだとしてもこれだけCGで増殖させれば1ラジニ10ドルくらいになりそうでお得だと思いました。
2010-12-09
なんでLEGOのゲームがすごいか淡々と挙げてみる
どーも、ゲーム業界においてLEGOシリーズが過小評価されてるような気がする。作りたいかどうかっていうより、金がかかりすぎてどーにもこーにも行き詰まった昨今のゲーム業界において、一つの答えを持っていると思うって話なのですが。ソースをいちいち出したりしないので、まあ話半分に。あと、ここでいうLEGOシリーズは主にTraveller's Tales開発のもの*1だと思ってください。
1. 世界観の設定に金がかからない
LEGOはもともとブロックのほうにコミックを同梱してまして、「原作をLEGO風にアレンジ」するリファレンスが多数あります。これはアーティストにとってつまらないかもしれませんが、意外に時間がかかる世界観のセッティングが早くすみます。
2. ゲームグラフィックに金がかからない
どこまでいってもLEGOなんで、モデリングにしても、パーティクルにしても、背景にしても、ライティングにしても、シェーダーにしても、たかが知れてるわけです。あとは実際のブロックがありますから、コンセプトアートにかかるコストもだいぶ安くすむはず(不要というわけではないです)。
3. アニメーションに金がかからない
必ずしも関節の数がアニメーションコストに直結するわけじゃないですが、Unchartedのキャラクターたちと比べれば、どうみてもあからさまに安いですよね。
4. 同じようなゲーム内容でもなんとなく許される
スターウォーズもインディージョーンズもバットマンもハリーポッターもそれらの続編も乱暴に言ってしまえばまあ似たようなゲームデザインなんですが、どの作品もLEGOの世界観で統一されているからか、なんとなくアリなんですよね。これは初期のスターウォーズの功績だと思います。いっぱい壊せていろいろ集める。ボタン長押しで何か作れる。しかけに合わせてキャラ選択。ほんのり物理。それらの組み合わせでパズルを解いて先に進む。みたいな感じで、面白さがそれなりに保証されてるのは偉いです。
5. 力を入れて作る(コストをかける)ところが決まってる
有名原作がある作品の強みです。映画のハイライトシーンに注力すれば間違いない。これは意外に重要で、特にハイエンド機だとどこにコストかけるかの選択を誤るとそれはもう悲惨なことになります。
6. 内容の保証されたゲームの移植が可能
5に似てますが、ROCK BANDの移植がこれに当てはまります。理屈は有名原作のLEGOゲーム化と同じです。LEGO:ROCK BAND発表当初は誰が得すんだよ!って思いましたが、親が買ったROCK BANDのセットを子供が遊びたい遊びたい!って言われた時に与えるのにピッタリなんだなーと今は思います。だって高いしデカいし、せっかくなら子供にもやらせたいじゃないですか。
7. 他機種への移植が比較的容易
総合してグラフィックが安いってことは、マルチプラットフォーム展開のコストも比較的安く済むってことになりまして、制作費がより回収し易くなりますな。あと、外注に丸投げするにも先の述べたようにリファレンスが固いので、ある程度安心して任せられたらいいな。
8. 親が買い与えやすい
信頼のあるLEGOのブランドに乗っかれるのは、ほんと美味しいです。バットマンとか、スターウォーズとか、本家はうーんって思ってもLEGOならなんとなくOKになっちゃうわけです。
なんかまだまだ細かいところがあるような気がしますが、とりあえずバーッと思いついたところだけ。あとはTwitterでも書いたけど(http://twitter.com/IDA_10/status/11459516541435904)、安く早く面白く、かつ売れたって意味では"Shadow Complex"も良かった。実は理由もだいたいLEGOとかぶってるんですよね。リンク先では書かなかったけど、ゲーム内容もまんまおもろいどーって感じだし。
とかここまで書きつつ、身も蓋もないことを言うと、ゲームビジネスはもはやコンテンツ単体でどう採算とるかって時代じゃなくなってると思うんですけどね、正直。でも僕にとって、作りたいゲームを作るにあたって、規模が小さくてチャッチャと実現可能そうな提案ができれば、企画が通りやすいかなーと思ってるので、いろいろ考えたい所存です。はい。
*1:スターウォーズ、インディージョーンズ、バットマン、ロックバンド、ハリーポッター、パイレーツ・オブ・カリビアンのシリーズを手がけた























