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GAME NEVER SLEEPS このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2007-02-17

ゲーム会社の企画職が徹夜で働く10の理由

SEEDS株式会社(http://www.seeds-inc.jp/)のホームページを読んでいたら、ディレクター氏による「忙しくて眠れない」話があった。サビ残がどうとか、生産性がどうとか、そんな議論とは次元の違う、清清しい文章。

Q4. 逆に、“辛い・しんどい”  と感じるのは、どんな事に対してですか?

仕事が終わらなくて、眠くても眠くても眠れない時です(笑)。

〜〜〜中略〜〜〜

一ヶ月会社に泊まり込み、毎日睡眠時間4時間ほどでひたすら仕事をし続ける…その辺りをリアルに想像してみて、「ゲェー」と思った人は、この仕事は向いてないでしょう。

〜〜〜後略〜〜〜

http://www.seeds-inc.jp/site/staff/kamiya.html

向いてるかどうかはともかく、僕もだいたいそんな感じになる。間違いない、ゲームの花は夜開く。

でも、他業種の人から「なんでそんなに忙しいの?」と聞かれても、理由が多岐に渡っていて、とても一言で説明できないので、「いやー、忙しいフリしてるだけですよー」などと答えていた。もちろん、長く働くからえらいなんて微塵も思わない。優秀な企画は短時間で素晴らしい仕事をする。

ところが、この前、他業種どころか、同じ職場で働くアーティストやプログラマから「IDA-10さん、なんでそんな忙しいんスかー?」と聞かれてしまった。これはあまりにも切ない。というわけで、今回は、なぜ僕が忙しいか大公開。

「忙しい」といっても、必ずしもその忙しさが継続するわけじゃないし、瞬間最大仕事量が一日の通常業務時間から溢れるのがどんな場合かわかっていただければ。というわけで当たり障りのない範囲で、ちょっと挙げてみた。


  • ROMリリース(社内用含む)系
    • ゲーム内容のエディット
    • バグ修正
  • いくらでも時間がかかるよ系
    • ゲームデザイン決定
    • 臨時スペック
  • そもそもスケジュールにないよ系
    • 各種申請書類作成
    • 追加仕様
  • 突発イベント系
    • 進行の質問対応
    • 広報対応
    • フォロー
  • 一応俺、企画だし系
    • 新規企画書作成

僕の場合はこんな感じ。詳細は以下。長くなったんで畳みます。興味ある人はどうぞ。


■ROMリリース(社内用含む)系

・ゲーム内容のエディット

実機のエディタでマップ上にギミックや敵やアイテムを置いたり、スクリプト言語を記述してシーケンスを組み立てりする時、人によってはシナリオを書いている時、少しでも良いもの、面白いものにしたくて、遅くまで働く。

特にこれは、自分が青写真を作り、アーティストが素材を作り、プログラマが実装した後の、最後にしてもっとも重要な仕上げであり、ゲーム制作において一番力が入る部分である。プロジェクトを重ねるに従って、後悔も重ねているわけで(http://blog.drecom.jp/kikuchia/archive/64←おセンチな臭文につき注意)、どうしても手を抜けないところ。

あと、けっこうあるのが、進行がなんらかの事情で遅れていて、実装された機能に企画が触れるのがROM作成(当然、社内向けね)直前……というシチュエーション。提出の朝9時まであと6時間、できるだけがんばります!みたいな。

・バグ修正

テスターにテストROMを提出する直前、特に、マスターアップまで間がなくてテストできるバージョンが限られている時は、報告されている自分担当のバグをひとつでも多くつぶすために遅くまで働く。

あと、テキスト系のバグで特に時間がかかるのが各社の作成基準を満たすための文章。セーブファイルがどーたらこーたら。資料と首っ引きで言い回しを吟味しないといけない。企画がスクリプト言語を記述してるプロジェクトの場合は、複雑さにもよるけどたくさんバグがでる。


■いくらでも時間がかかるよ系

・ゲームデザインを決める

これはチームの作業フローの相当上位に位置する仕事なので、どうしても遅れられない。ゲームデザインがちゃんとするまでいくらでも時間をかけて、作り始めないってのが王道だとわかっているけど、大抵の場合、会社的な都合で発売時期が決まっているので、逆算していくと、ゲームデザインを詰めるための時間も決まってくる。

だからいい加減に始めるのではなく、限られた時間で最良のデザインを導くのが僕らの仕事。ゲームがもつ要素の一つ一つを吟味して、もっとわかりやすくできないか、もっとスマートにできないか、有機的に絡み合うデザインを最適化する作業。もっとも、長い時間があったとしても、考えれば考えるほど、可能性が広がって、つまり面白くできる可能性がチラついて困るんだけども。

・臨時スペック書き

実際にアーティストやプログラマが作業を進めてみると、事前に書いた仕様で足りないことや、大幅な修正が必要なことがある。内容が口頭で指示できる範囲ならいいけど、書類にしないと今後の作業に支障が出るときがある。あっちゃだめだけど、たまにある。

そういう時、なるべく早く書類を用意しないと、担当者の作業が遅れてしまう。ので、急いで書類を作る。問題が発生したのが夜でも、次の日の朝までに書類が作れたら、出社した担当者が、すぐ作業が進められる。


■そもそもスケジュールにないよ系

・各種書類作成

僕はプロデューサーじゃないのでほとんどないけど、ものによってはたまにある。ハードホルダーの会社にこんなゲームつくりますーって書類だったり、売ってもいいですかーって書類だったり、自社向けにも同じような書類を書いたり、機材購入のための稟議書を書いたり、アルバイト社員や外注さんを雇うときに書類を作ったり。もちろん、もっとえらい人(で企画職を兼任してる人)だと、もっといっぱい書類を書かないといけなくて、もっと大変ですね。

・追加仕様

同じプロジェクトの人と一緒に夕飯食べてるときに、「今作ってるゲームにこんなの入れね?」「それ超おもろい!」「絶対やりたい!」みたいな話で盛り上がったりしたときには、追加作業を見積もって当たりをつけて、速攻で書類をつくりたい。

みんなの気持ち的にも、スケジュール的にも、一刻も早く作成しないといけないが、ここは綿密な仕様を考えて現実性を検討しておかないと、追加で作るだけの説得力も何もないので、できる限り時間をかけたい。もちろん、予定にない仕事なので、やるのは夜。


■突発イベント系

・進行上の質問対応

上に書いた臨時スペックの前段階。自分が発注したものにアーティストやプログラマがとりかかると、「ちょっとこれ、どうしましょう?」みたいな質問が頻繁にやってくる。即答できるものもあれば、モニターの前で一緒に頭を悩ますものもあり、他の担当者の作業待ちになることもある。

どの質問も適当に決めて良いはずはなく、他の仕様との整合性を確かめたり、プログラム的に問題がないかいろんな人のところで確認したり、いろいろ時間がかかる。

あと地味に時間がかかるのが、外注先や他部署の人とのメールのやりとり、なんかちょっとシビアなこと書くと怒ってるみたいに読めるし、話せば一瞬でも文章にするのは難しいことがけっこうある。

かといって(笑)とかも使えないしwww←これもな

これらは直接仕事に時間がかかるというより、他の職種の営業時間中に、自分の作業がなかなか集中して進められないって話。本当に集中してシナリオを書いたり、実装されたゲームのコンテンツを組み立てられるのは夜。

・広報対応

雑誌やwebサイトに提供する写真や動画素材の提供する時、依頼された次の日が締め切りだったりする。広報担当の人が忙しくて、連絡が遅れると、締め切りが「今すぐ」とかになることもある。というかあった。

とはいえ、見た目の出来はゲームの評判に関わるし、アーティストの成果物を精一杯よく見せてあげたいから、絶対妥協できない。

もちろん、担当アーティストにお願いすることが多いのだけど、「締め切りは明日の朝9時って、ナウ、夜の9時!」とかで誰もいなかったり、撮影のための手順が煩雑(これまでのプロジェクトでは、よほど開発初期じゃない限り、レタッチソフトを使ったうそんこ画像は扱ってなくて、基本的に実機で撮影だった。)でチュートリアルが必要だったり、特定のアイテムをデバッグ操作で出現させて……とか、製作過程を良く知らないとできない場合などは企画が撮ったほうが早い。

・フォロー

他のメンバーの仕事が遅れてるのを助けてあげたり、助けてあげろと命令されたり、助けないと自分も死んだりする場合。もちろん予定外。あ、でも最近予測できるように……いや、なんでもない。


■一応俺、企画だし系

・新規企画書作成

いわずもがな。


あと、今はアメリカで働いてるから日本とやりとりする時に時差でーとかもあるか。他には「酒買ってこい、俺の好きなヤツ」とか、ビッグな宴会の準備とか、席替え大臣に任命されたりとか、新人教育係になったりとか、面接官になったりとか、失踪したメンバーを探しに……とかは最近ないな。新技術の勉強や他のゲームを遊ぶ時間も含めてないけど、当然、やってる。

もちろん、これはぼんくら企画の僕の話であって、優秀な人はそうじゃないし、分業が進んでる職場はこんなことないと思う。お前だけだよ!ってつっこみはもっともでございます。えーと、なんかいかに効率悪くもの作ってるかを羅列しただけのような。まあ、ここからどれだけ改善していけるかってことで。頑張るゾェ。

A@MA@M 2007/02/18 21:54 大丈夫、これだけ物が言えているうちはまだ行けるよ!
本当に死ぬときは俺みたいに黙って倒れるだけ…。
今考えても当時のプロジェクトは思い出したくない
あの時は企画の人数が少なくて俺のポジションが
上から数えても、下から数えても早い位置に居たってのが
悪かったんだろうなぁ。
雑務も多いけど、取り締まる仕様も多かった。
(機材の稟議を書いてるのに面接したり仕様切ったり)
今のIDA-10と変らないかな?
って言うか家族がいれば頑張れるメーターが高いはず!

IDA-10IDA-10 2007/02/22 19:01
諸事情で電撃帰国していてますた。いやA@Mは本当に大変だったと思うよ。。そのへんSkypeで(←まだつなげてない)!

> って言うか家族がいれば頑張れるメーターが高いはず!

それは絶対ある!あ、でも、まあ、俺の場合はへたれなんでメーターが高いっつーより、早く帰れるように色々工夫するようになったって感じの気もするけど。

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