半分の月がのぼる空 5

シリーズ第5巻。
里香の出番はあんまり無くて、裕一がメイン。いつ命が尽きるか分からない病気を抱えている里香と、生涯共に生きる覚悟を決める裕一。この覚悟自体は前々から固まっていましたが、それを周りが徐々に認めてくれる、と言う内容でした。
周囲の人間がちょっとずつ優しくなるのが何とも言えず切なかったり、予想もしていなかった所に新たなペアが誕生してビックリする所もありましたが...はやり里香の母親との会話が一番の読み所でしょうか。拙い言葉でも真剣に話せば伝わる。それだけの熱意を持てた裕一が、少し羨ましかったです。
と言う訳で、この巻で一区切り。紆余曲折ありながらも無難な結末を迎えていて、ホッと安心したのと同時に、少々物足りなさを感じてしまったのですが...流石に贅沢か。しかし本編は後1冊? ぐらい続くみたいで、不幸な結末になる要素が消え去ったので、安心して続きを待てます。おそらく、幸せな"日常"が書かれている事でしょう。楽しみです。
橋本紡の公式blogでは、作家を辞めるかも、なんて話(http://nekodorobo.exblog.jp/762255/ , http://nekodorobo.exblog.jp/787208/)も出てますが、どうにか書き続けて貰いたいですなぁ。