マキゾエホリック Case1

角川スニーカーの新人さん。第10回スニーカー大賞・奨励賞受賞作です。
主人公は女子高生。夏休み明けに転校した彼女が配属されたのは、一人残らず問題児と言う非常識なクラス。しかも転校初日、事前に提出したはずの転校関係の書類一式が無くなっていて、本当に転校生かどうか疑われる羽目に。どうにかそのまま学校に通える事になったものの、様々な事件に巻き込まれて...。
こんな感じ。とにかく不幸を呼び寄せる主人公と、学校内の揉め事を解決する生徒監視委員のクラスメイトの2人が中心となって、主人公が巻き込まれた事件を解決していくお話です。
テンポ良くサクサクと進む展開でそれなりに楽しめました。終盤、話の早さに微妙についていけなくなったりもしたけど、それを差し引いても割と良い感じ。主人公の一人称なんですが、すげー大事件に巻き込まれつつも、淡々とした語り口調を崩さない文章がお気に入りです。
登場人物がやたらと多いんですが、作品の根底に「キャラクタの記号化」と言うものがあるため、キャラの名前を覚えられなくても全然問題なく読めるのがグッド。伝説の勇者に正義の味方、魔法少女に巫女に幼馴染に超能力者。委員長にマッドサイエンティストに...他にも何かいた気がする。未登場なクラスメイトが多々いる事を考えると、思いつく限り、殆どのタイプのキャラが今後登場しそう。
キャラが多すぎると把握するのに大変なんだけど、この方法だといちいちどんな人物か憶える必要ないから、楽で良いですね。キャラの種類が多い分、話に幅も出来そうだし。今後が楽しみです。