千の剣の舞う空に

第9回えんため大賞・優秀賞受賞作。
世界最強にあこがれて空手に打ち込んでいた高校生の主人公が、交通事故をきっかけに対戦格闘型のネトゲで最強を目指すお話。
最強を目指し、他人との関わりを重視しない主人公が、唯一仲良くしているのがネトゲで知り合った1人のキャラ。しかもその中の人はクラスメイトの女の子...と言う設定です。
そこそこ面白かったです。
舞台となるネトゲが対戦格闘型なので、パーティを組むわけでもないけど、生き方が似ていて互いに共感し合う。しかし競い合う以外遊び方の無いゲームだから、協力し合うことも無い。この距離感が気に入りました。まさに、宿敵と書いて友と読むみたいな。
現実世界での生き方はあまりにもストイックなんですが、それも個人的には割と好きです。達観し過ぎじゃ? と思わない訳でもないけど、どこか分かる部分もあるのが良い感じでした。主人公とヒロインの関係が、ネットでもリアルでも、互いを認め合う形になっていたのが良かったのかも。
と言う訳で、それなりに満足な1冊でした。今後の活躍にも期待。